自動車保険
車が盗まれたら自動車保険で補償される?車両保険の扱いと盗難後の手続き

車の盗難は、自動車保険のうち車両保険を付けていれば補償の対象になるのが一般的です。
逆にいえば、対人・対物賠償だけの契約では盗難への備えはなく、分かれ目は車両保険の有無にあります。
万一盗まれたときは、直ちに警察へ届け出て、車両保険に入っていれば保険会社にも連絡するという順番です。
この記事では、補償の考え方と盗難後の手続き、保険金を受け取った後に車が見つかった場合の扱い、予防の基本を解説します。
盗難が補償されるかは車両保険の有無で決まる
自動車保険のすべてが盗難に備えているわけではありません。
まず契約の中身を確かめます。
車両保険は偶然な事故による自分の車の損害に備える保険
車両保険は、衝突・接触・墜落などの偶然な事故によって自動車に損害が生じた場合に支払われる保険です。
盗難による損害も、車両保険を付けていれば補償の対象になるのが一般的とされています。
対人・対物だけの契約では対象にならない
対人賠償や対物賠償は相手方への賠償に備えるもので、自分の車が盗まれた損害はカバーしません。
車両保険を付けていない契約では、盗難に遭っても自動車保険から保険金は支払われないため、備えの分かれ目は契約の時点にあります。
タイプや対象の範囲は約款で確かめる
車両保険には補償の範囲を限定して保険料を抑えたタイプもあり、補償される事故の範囲や、車内の荷物・付属品の扱いは契約の約款で定められています。
車内に置いていた荷物は車両保険の対象外となるのが一般的のため、「車と一緒に何が補償されるか」も含めて確かめておくと安心です。
盗まれたときの手続きの順番
発覚した直後の動きが、その後の請求と発見の可能性に関わります。
順番を押さえます。
直ちに警察へ届け出る
日本損害保険協会は、車を盗まれてしまったときは直ちに警察に届け出るよう呼びかけています。
届け出が早ければ早いほど盗難車が発見されるチャンスが多くなり、盗難車がほかの犯罪に使われるケースもあるため、自分の車が犯罪に使われないためにも、ためらわず届け出ることが第一歩です。
車両保険に入っていれば保険会社へ連絡する
警察への届け出とあわせて、車両保険に入っていれば、保険会社に連絡することも必要です。
保険証券や契約者ページで連絡先を確かめ、盗難に気づいた日時や場所、車の情報を伝えて請求の案内を受けます。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会「愛車を『盗難』『車上ねらい』から守る基本5箇条」
保険金を受け取った後に車が見つかったら
盗難では、保険金の支払い後に車が発見されることがあります。
損保協会が示す約款上の扱いを確かめます。
支払いは通常「全損」扱いで、所有権は保険会社へ移る
盗難で車両保険金を請求した場合、通常は全損として保険金が支払われます。
保険金が支払われると、保険法第24条に基づき、盗難車の所有権は保険会社に移転する仕組みです。
一定日数以内の発見なら、払い戻して返還を受けられる
保険金を支払った日の翌日から起算して、約款に記載されている一定の日数以内に車が発見された場合には、受け取った車両保険金の全額を保険会社に払い戻せば、その車の返還を受けられます。
協会が示す約款の例では、この日数は60日以内とされ、発見されるまでの間に車に生じた損害があれば、その損害に対して保険金を請求できます。
契約内容の確認が前提になる
約款は保険会社により異なるため、返還を受けるかどうかも含めて、契約している保険会社に契約内容をよく確認する必要があります。
発見された車に損傷や改造があることも考えられるため、車の状態と修理の費用を見てから決める形になります。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会「損害保険Q&A 問47 車両盗難で保険金を受け取った後に盗難車が見つかった場合には、どうすればよいのですか」
保険を使うかどうかと等級への影響
補償の対象でも、請求の前に確かめておきたい点があります。
等級への影響です。
使うと翌年度からの保険料が上がる場合がある
自動車保険には、過去の無事故年数や事故件数などに応じて保険料を割増・割引する等級の仕組みがあり、保険を使うと翌年度以降の等級が下がって保険料が上がる場合があります。
盗難の場合の等級の扱いは契約によって異なるため、請求の前に保険会社へ確認します。
全損のときの受け取りは保険金額が上限
盗難で車が戻らない場合に受け取れるのは、契約時に設定した車両保険の保険金額が上限です。
同じ車を買い直す費用がそのまま賄えるとは限らないため、更新のたびに保険金額を見直しておくと、いざというときの不足を防ぎやすくなります。
盗難を防ぐ基本
被害の多くは、駐車中の隙をついて起きています。
協会が示す基本を確かめます。
損保協会が示す5つの基本
日本損害保険協会は、盗難と車上ねらいから車を守る基本として、次の5箇条を挙げています。
・イモビライザなどの盗難防止機器を装着する
・車内に貴重品、カバン、服などを置かないようにする
・見通しがよく照明設備の整った駐車場を利用する
・短い間でも車から離れるときは必ずキーロックする
・カーナビの盗難対策をする
屋外の駐車場と施錠の隙が狙われる
協会の資料では、自動車が盗まれる場所は屋外の駐車場が約7割と最も多くなっています。
また、警察庁の統計として、カギをつけたままの状態で盗難に遭う例がおよそ3割にのぼることも紹介されており、短時間の駐車でも施錠を欠かさないことが基本です。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会「愛車を『盗難』『車上ねらい』から守る基本5箇条」
まとめ:車両保険の有無を確かめ、届け出は直ちに
車の盗難への備えは、車両保険を付けているかどうかで決まります。
要点は次のとおりです。
・盗難は、車両保険を付けていれば補償の対象になるのが一般的
・対人・対物賠償だけの契約では、盗難の損害は補償されない
・盗まれたら直ちに警察へ届け出て、車両保険があれば保険会社にも連絡する
・保険金の支払い後、約款の一定日数以内(約款例では60日)に発見されれば、払い戻して返還を受けられる
・車内の荷物は対象外が一般的のため、補償の範囲は約款で確かめる
今できる備えは契約に車両保険が付いているかと保険金額を確かめておくことで、万一のときは警察への届け出を最優先に、保険会社への連絡と等級への影響の確認まで一続きで進めることが、盗難という被害から家計を守る対応になります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。
当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。
北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
Category
- FPによる貸金業法学習記録
- FP資格取得のためのポイント
- iDeCo
- Webライティング実績
- カードローン
- がん保険
- セミナー報告
- テレビ出演実績
- ニーサ
- ファイナンシャルプランナー
- ファイナンシャルプランナーについて
- プライバシーポリシー
- ブログ
- ポートフォリオ
- ライティングについて
- ライフプラン
- 仮想通貨
- 住宅ローン
- 個人年金保険
- 公的年金制度
- 医療保険
- 地震保険
- 外貨建保険
- 学資保険
- 家計管理
- 就業不能保険
- 投資リスクなどへの対策
- 損害保険
- 新聞コラム実績
- 日常賠償責任保険
- 時事ネタ
- 火災保険
- 生命保険
- 監修実績
- 相続
- 確定拠出年金
- 社会保障
- 税金(一般的な内容)
- 自動車保険
- 資産運用
- 資産運用
- 金投資



