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iDeCoの受け取りは何歳まで延ばせる?75歳までの選択肢と遅らせる際の注意点

iDeCoの老齢給付金は、60歳から75歳までの間で、受け取りを始める時期を自分で選べます。
2022年4月の改正で受給開始時期の上限が70歳から75歳に延長されましたが、最も早く受け取れる年齢は60歳のままで、引き上げられたのは上限の側です。
受け取りを遅らせれば、その間も運用を続けられます。
ただし、公的年金の繰り下げと違って増える保証はなく、受給が終わるまで口座管理手数料もかかる点には注意が必要です。
本記事では、iDeCoの受け取り開始年齢の引き上げが実際にどう変わったのかと、受け取りを遅らせる際の損得や、公的年金との受け取り時期の考え方を、商品提供者が積極的には触れにくい点も含めて解説します。
iDeCoの受け取り開始年齢は60〜75歳

iDeCoの受け取りを始められる時期は、現在60歳から75歳までの間で選べます。「引き上げ」の中身を正しく理解しておくと、受け取りが遅くなるのではという不安を避けられます。
2022年4月に上限が70歳から75歳へ延長
2022年4月の改正で、iDeCoの老齢給付金の受給開始時期の上限が70歳から75歳に延長されました。
これにより、60歳(加入者資格を失った後)から75歳までの間で、受け取りを始める時期を選べるようになっています。
最も早く受け取れる年齢は60歳のまま
「引き上げ」と聞くと受け取りが遅くなる印象を持つ方もいますが、引き上げられたのは上限の75歳で、最短の60歳は変わっていません。
ただし、60歳から受け取るには通算加入者等期間が10年以上必要で、10年に満たない場合は受給を始められる年齢が繰り下がります。60歳以降に初めて加入した場合は、加入から5年を経過した後に受け取れる仕組みです。
さらなる上限引き上げは現時点で予定なし
公的年金の受給開始を75歳まで繰り下げられるようになったことに合わせて、iDeCoの上限も75歳まで延長された経緯があります。
75歳を超える上限への引き上げは、現時点では決まっておらず、当面は75歳が上限です。
受け取りを遅らせるメリットと注意点

受け取り開始を遅らせると運用を続けられる一方、見落としやすい注意点もあります。商品提供者は「長く運用できる」点を強調しがちですが、コストや手続きの面も確認しておくことが大切です。
運用を続けられるが元本保証ではない
受け取りを遅らせれば、その間も掛金や資産を非課税で運用し続けられ、運用がうまくいけば資産を増やせる可能性があります。
一方で、iDeCoの運用は投資であり、公的年金の繰り下げのように増額が確定するわけではなく、相場によっては資産が減ることもある点を踏まえておく必要があります。
受給が終わるまで口座管理手数料がかかる
iDeCoは、受け取りを遅らせて運用だけを続ける期間も、口座管理手数料がかかり続けます。
遅らせることで増える運用益と、その間に払い続ける手数料を比べる視点が、受け取り時期を決めるうえで欠かせません。
75歳までに受け取らないと自動的に一時金
75歳になるまでに受け取りを開始しなかった場合、その時点で資産は自動的に一時金として支払われます。
一時金として一度に受け取ると、受け取り方によっては税負担が変わる場合があるため、遅らせる場合も75歳より前に受け取り方を決めておくことが大切です。
公的年金とiDeCoの受け取り時期を考える

iDeCoの受け取り時期は、単独ではなく公的年金や退職金とあわせて考えると、老後の収入を組み立てやすくなります。それぞれの性質の違いを押さえておきます。
公的年金の繰り下げは増額が確定する
公的年金は、受給開始を65歳から遅らせる「繰り下げ」によって、1か月あたり0.7%、最大で75歳まで遅らせると84%増額され、増えた水準が生涯続きます。
増額が確定する公的年金の繰り下げと、運用しだいで結果が変わるiDeCoは性質が異なるため、同じ「遅らせる」でも意味合いが違う点を理解しておくことが役立ちます。
収入の空白期間をiDeCoでまかなう
定年後に公的年金の受給開始までの期間があく場合、その空白を先にiDeCoで受け取ってまかなう、という使い方ができます。
公的年金を繰り下げて増やしつつ、その間の生活費をiDeCoで補えば、老後の収入の谷間をならすことにつながります。
退職金や公的年金の時期と合わせる
iDeCoを一時金で受け取る場合は退職金と、年金形式で受け取る場合は公的年金と、受け取る時期が重なると税負担に影響することがあります。
受け取り方(一時金・年金・併用)と時期は、退職金や公的年金の受給時期とあわせて、早めに考えておくことが大切です。
まとめ:受け取り時期は遅らせる損得を確かめて選ぶ
iDeCoの受け取り開始年齢は、2022年4月の改正で上限が75歳に延長され、現在は60歳から75歳までの間で選べる仕組みです。
最短の60歳は変わっておらず、引き上げられたのは上限の側で、75歳を超える引き上げは現時点で予定されていません。
受け取りを遅らせれば運用を続けられますが、公的年金の繰り下げと違って増える保証はなく、受給が終わるまで口座管理手数料もかかるのが実情です。
遅らせて増える運用益と払い続ける手数料を比べ、公的年金や退職金の受け取り時期とあわせて受け取り方を決めることが、老後の収入を組み立てるうえで役立ちます。
iDeCoの受け取りは60歳から75歳まで選べますが、遅らせれば得とは限らないため、運用益と手数料を比べ、公的年金や退職金の時期とあわせて受け取り時期を決めることが、後悔のない出口の選び方につながります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。



