家計管理
食費月3万円は可能?平均との差と札幌の食料品価格から考える抑え方

総務省の家計調査によると、2025年の食料への支出は、単身世帯で月平均49,321円、二人以上の世帯で94,895円です。
月3万円の食費は、単身世帯の平均の約6割、二人以上の世帯の平均の約3割にあたります。
そのため、同じ3万円でも、世帯の人数によって目標の難しさが異なる点に注意が必要です。
この記事では、家計調査の平均と比べた3万円の位置づけと、札幌市の小売価格調査で見る食料品の値段、消費者庁が勧める食品ロスを減らす買い方を解説します。
あわせて、食費だけを削る前に見直したい家計全体の順番も紹介します。
食費月3万円は何人世帯なら現実的か

家計調査の食料の月平均と比べると、月3万円は、単身世帯で約1.9万円、二人以上の世帯で約6.5万円少ない金額です。
単身世帯なら、平均の約6割に抑える目標
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2025年(令和7年)」によると、単身世帯(平均年齢58.6歳)の食料への支出は、月平均49,321円となっています。
出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2025年(令和7年) 家計の概要」
月3万円は単身世帯の平均の約6割にあたり、外食や総菜の使い方まで見直さないと届きにくい金額です。
二人以上の世帯では、平均の約3割にとどまる
同じ資料によると、二人以上の世帯(平均世帯人員2.87人)の食料への支出は月平均94,895円で、前年に比べて名目(実際に支払った金額)では5.5%増えた一方、実質(物価の変動の影響を除いた値)では1.2%減りました。
また、消費支出に占める食料費の割合を示すエンゲル係数は28.6%で、前年から0.3ポイント上がっています。
出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2025年(令和7年) 家計の概要」
支払額が増えた一方で実質では減っているため、買う量を増やしたのではなく、値上がりによって支出が増えた形です。
月3万円は二人以上の世帯の平均の約3割にとどまり、平均的な食生活のままで届く金額ではありません。
平均と比べるときは、調理食品や外食も含めて数える
家計調査の「食料」には、穀類や肉類、野菜・海藻といった食材だけでなく、弁当やおにぎり、コロッケ、サラダなどの「調理食品」や、学校給食を含む「外食」も含まれています。
出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2025年(令和7年) 付録8 収支項目分類表」
金額で見ると、2025年の二人以上の世帯では、調理食品が月13,580円、外食が16,563円で、この2つだけで3万円を上回る計算です。
出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2025年(令和7年) 家計の概要」
そのため、平均的な二人以上の世帯が月3万円に収めるには、外食や調理食品に頼る部分を減らし、自炊を中心にすることが前提になります。
なお、自分の食費を平均と比べるときは、スーパーで買う食材だけでなく、総菜や弁当、外食の分も食費に含めて数える必要があります。
特に、子どもがいる世帯では、給食費も外食として平均に含まれている点に気をつけたいところです。
札幌の食料品の値段を、札幌市の小売価格調査で確かめる

札幌市は、市内のスーパーや小売店など30店舗の小売価格を毎月調べ、その動向を公表しています。
令和8年10月分の主な食料品の平均価格
令和8年10月14日に公表された10月分の結果では、主な食料品の平均価格は次のとおりです。
いずれも、税込みの通常販売価格を平均した金額となっています。
・米(ななつぼし、5kg、無洗米を除く):3,379円
・米(ゆめぴりか、5kg、無洗米を除く):3,902円
・鶏卵(10個入り):318円
・牛乳(1リットル、紙パック):274円
・食パン(6枚切り):182円
・国産鶏もも肉(100g):166円
・国産豚ロース(スライス、100g):282円
・キャベツ(100g):20円
・たまねぎ(100g):26円
・にんじん(100g):45円
・ばれいしょ(100g):39円
・ほうれんそう(100g):173円
出典:札幌市「札幌市生活関連商品小売価格調査結果(令和8年10月分)」
仮に米を月に5kg買うとすると、ななつぼしの平均価格3,379円だけで、月3万円の1割強を占める計算です。
1年前や前月と比べて、値動きをつかむ
1年前の令和7年10月分と比べると、ななつぼしは4,280円から3,379円へ約900円、ゆめぴりかは4,733円から3,902円へ約830円下がっています。
一方、鶏卵は293円から318円へ、国産鶏もも肉は100gあたり150円から166円へ上がっており、品目によって値動きの向きは異なります。
出典:札幌市「札幌市生活関連商品小売価格調査結果(令和7年10月分)」
出典:札幌市「札幌市生活関連商品小売価格調査結果(令和8年10月分)」
また、10月分の結果には前月との比較も載っており、ゆめぴりかは前月の4,408円より11.5%安い水準です。
札幌市は、その理由を、全国的な米の需給の緩みで原料の玄米価格が安定したことや、10月以降に新米の出荷が本格化したことにあると見ています。
出典:札幌市「札幌市生活関連商品小売価格調査結果(令和8年10月分)」
調査の価格は通常販売価格の平均なので、店頭やチラシで見かける価格と比べる目安として使えます。
さらに、毎月の結果を見比べれば、値下がりしている品目を献立の中心にするといった使い方も可能です。
食品ロスを減らす買い方と保存で、食費のむだを抑える

消費者庁の「食品ロス削減ガイドブック(令和8(2026)年度版)」によると、家庭から出る食品ロス(まだ食べられるのに捨てられてしまう食品)は、2024年度の推計で224万トンとされています。
このうち最も多いのは、期限切れなどで手つかずのまま捨てる「直接廃棄」で約43%、次いで作りすぎて食べきれないなどの「食べ残し」が約41%です。
出典:消費者庁「食品ロス削減ガイドブック(令和8(2026)年度版)」
特に直接廃棄は、手つかずのまま捨ててしまう食品なので、買う量や買い方を見直せば減らせます。
買う前に家の食材を確かめ、食べきれる量だけ買う
ガイドブックが家庭での買い方の工夫として挙げているのは、次のような行動です。
・買物の前に、家にある食材を確かめる
・使う分、食べきれる量だけを買う
・すぐに使う食品は、商品棚の手前から取る
また、まとめ買いは得になる場合もあるものの、好みに合わずに捨ててしまうこともあるとして、まとめ買いを避け、必要な分だけ買って食べきるよう勧めています。
出典:消費者庁「食品ロス削減ガイドブック(令和8(2026)年度版)」
単価が安いときにまとめて買っても、食べきれずに捨てれば、その分の支払いはむだになります。
そのため、特売でまとめて買いたくなったときほど、使い切れる量か、冷凍して保存できるかを先に考えておくことが、食費のむだを防ぐ近道です。
期限表示の意味を知り、小分けして冷凍する
ガイドブックによると、傷みやすい食品には過ぎたら食べない方がよい期限として「消費期限」が、比較的日持ちする食品にはおいしく食べられる期限として「賞味期限」が、原則として設定されています。
そのうえで、賞味期限が過ぎた食品も、すぐに捨てずに、食べられるかどうかを確かめる習慣をつけるよう呼びかけています。
さらに、すぐに食べる予定のない食品は1回に食べる量で小分けにして冷凍し、作った料理は早めに食べきることも、ガイドブックが勧める工夫です。
出典:消費者庁「食品ロス削減ガイドブック(令和8(2026)年度版)」
期限表示の意味を知っておけば、賞味期限が過ぎただけの食品をすぐに捨てずに済み、その分の食費のむだも防ぎやすくなります。
食費だけを削る前に、家計全体を見直す順番

食費は毎日の食事に直結するため、削りすぎると長続きしにくいのが実情です。
一方、通信費や保険料のように毎月決まって出ていく固定費は、一度見直して下がれば、その効果が翌月以降も続きます。
そのため、家計を見直すときは、次の順番で進めるのが、食費だけに負担をかけない方法です。
・1か月の支出を、総菜や弁当、外食も含めて書き出す
・通信費や保険料、使っていない定額のサービスなどの固定費を見直す
・世帯の人数や暮らし方に合わせて、食費の目標を決める
・食品ロスを減らす買い方と保存で、目標に近づける
なお、保険料は、必要な保障まで削ってしまわないよう、保障の内容を確かめながら見直すことになります。
それでも生活費が足りない状態が続く場合、札幌市生活就労支援センター(ステップ)では、市内に住み、失業や借金などで生活に困っている方の相談を広く受け付け、就労に向けた支援を中心に行っています(生活保護を受けている方は対象外)。
相談の場で見かけること
相談の場で見かけるのが、食費を月3万円と決めたものの、総菜や弁当、外食の分を別に数えていて、すべて合わせると目標を超えていたというケースです。
また、家族が増えたのに単身のころの食費の目標をそのまま使い、毎月の予算が合わなくなっていた方もいます。
さらに、食費を削ることに気を取られ、通信費や保険料などの固定費の見直しが後回しになっていたという相談も受けます。
いずれも、食費の金額だけでなく、何を食費に含めるか、世帯に合った目標か、家計のどこから見直すかで差がつくケースです。
そのため、食費の目標は、家計調査と同じように調理食品や外食も含めて数え、世帯の人数が変わったら目標を改め、固定費の見直しとあわせて考えると、無理なく続けやすくなります。
まとめ:食費月3万円は、世帯の人数と数え方から考える
食費月3万円は、家計調査の平均と比べると、単身世帯で約6割、二人以上の世帯で約3割の水準です。
要点をまとめると、次のようになります。
・2025年の食料への支出は、単身世帯で月平均49,321円、二人以上の世帯で94,895円
・二人以上の世帯の食料は、名目5.5%増、実質1.2%減で、エンゲル係数は28.6%
・家計調査の食料には、弁当などの調理食品や、学校給食を含む外食も含まれる
・二人以上の世帯では、調理食品と外食だけで3万円を上回る
・札幌市の令和8年10月分の調査では、ななつぼし5kgの平均価格が3,379円で、1年前より約900円安い
・鶏卵や国産鶏もも肉は1年前より上がっており、品目によって値動きが異なる
・消費者庁は、買物の前に家の食材を確かめ、食べきれる量だけ買い、すぐに食べない食品は小分けにして冷凍するよう勧めている
・食費だけを削る前に、通信費や保険料などの固定費から見直す
食費の目標は、総菜や弁当、外食も含めて数えたうえで世帯の人数に合わせて決め、固定費の見直しとあわせて進めることが、月3万円という目標を無理なく考える進め方になります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。
当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。
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