生命保険
保険料が払えないときは解約の前に|減額・払済保険という選択肢

生命保険の保険料が負担になったとき、選べる方法は解約だけではありません。
保険金額を減らして保険料を軽くする「減額」、保険料の払い込みを止めて保障を続ける「払済保険」や「延長(定期)保険」といった方法があります。
ただし、払済保険や延長保険に変更すると、付加している各種特約は消滅するのが原則です。
この記事では、3つの方法の違いと、変更する前に確かめたい点を解説します。
保険料の負担を軽くしたいとき
契約を続けながら負担を減らす方法として、保険金額の減額があります。
仕組みと注意点を確認します。
保険金額を減らして保険料を軽くする「減額」
減額は、主契約や特約の保険金額を減らすことにより、それ以降の保険料の負担を軽くする方法です。
保険料の払い込みは続きますが、契約そのものは有効に継続します。
減額した部分は解約したものとして扱われる
減額した部分は解約したものとして取り扱われ、解約返戻金が受け取れる場合もあります。
また、各種特約の保障額が同時に減額される場合もあるため、どの保障がどれだけ減るのかを事前に確かめておくことが欠かせません。
保険料の払い込みを止めて契約を続けたいとき
払い込み自体を止めながら保障を残す方法は2つあります。
何が変わり、何が残るのかが分かれ目です。
保障期間をそのままにする「払済保険」
払済保険への変更は、保険料の払い込みを中止して、その時点での解約返戻金をもとに、保険期間をそのままにした保障額の少ない保険(同じ種類の保険または養老保険)に変更する方法です。
保障の期間を優先したい場合の選択肢になります。
保険金額をそのままにする「延長(定期)保険」
延長(定期)保険への変更は、保険料の払い込みを中止して、その時点での解約返戻金をもとに、死亡保障のみの定期保険に変更する方法です。
死亡保険金はもとの保険と同額ですが、保険期間が短くなることがあります。
どちらも変更できないことがある
払済保険も延長保険も、解約返戻金が少ない場合には変更できないことがあり、保険種類によっては利用できない場合もあります。
また、個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険は、契約後10年間は払済年金保険へ変更できません。
変更する前に確かめたい特約の扱い
払済保険と延長保険には、見落とされやすい共通の注意点があります。
特約の扱いです。
付加している各種特約は消滅する
払済保険や延長保険に変更すると、付加している各種特約は消滅します。
医療や介護などの特約を付けている場合、それらの保障を失うことになるため、死亡保障だけを見て判断すると、必要な備えまで手放しかねません。
ただし、リビング・ニーズ特約は継続するのが一般的です。
特約の保障が必要なら別の方法を考える
特約の保障を残したい場合は、払済や延長ではなく減額で対応できないか、あるいは特約部分だけを見直せないかを確かめる順番になります。
相談の場でも、解約しか思い浮かばず、続けられたはずの医療保障まで手放してしまう例が見られます。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター「保険料の負担軽減・払込の中止と契約の継続」
一時的な資金不足なら別の方法もある

急に現金が必要になっただけであれば、契約の内容を変えずに済む方法もあります。
負担が一時的か継続的かで、選ぶ道が分かれます。
配当金の引き出しや契約者貸付
急に現金が必要になったときは、配当金の引き出しや契約者貸付を利用できる場合があります。
契約者貸付は解約返戻金の範囲内で借りる仕組みで、契約は続くものの、借入である以上は利息がかかります。
一時的か継続的かで選ぶ
数か月の資金繰りが問題であれば貸付や配当金の引き出し、今後も保険料の負担が続くのが問題であれば減額や払済・延長という切り分けになります。
どちらの状態なのかを先に見極めると、必要のない契約変更を避けられます。
手続きの前に保険会社へ確認する

取り扱いは保険会社や商品によって異なります。
確かめる点をまとめます。
契約ごとに条件が異なる
変更できるかどうか、変更後の保障額がいくらになるかは、契約の種類や経過年数、解約返戻金の額によって変わります。
見積もりを取り寄せ、変更後の保障額と特約の扱いを数字で確かめてから決めることが確実です。
元に戻せるとは限らない
一度変更すると元の契約に戻せない場合もあるため、手続きの前に、戻せるかどうかとその条件を確認しておきます。
解約を決める前に、こうした選択肢があること自体を保険会社に確かめることが、判断を誤らないための入口になります。
まとめ:解約の前に3つの方法を確かめる
保険料の負担が重くなっても、解約だけが選択肢ではありません。
方法ごとの違いは次のとおりです。
・減額:保険金額を減らして以降の保険料を軽くする(契約は継続、減額分は解約扱い)
・払済保険:払い込みを止め、保険期間はそのままで保障額が少なくなる
・延長(定期)保険:払い込みを止め、死亡保険金は同額のまま保険期間が短くなることがある
・払済・延長では各種特約が消滅する(リビング・ニーズ特約は継続が一般的)
・一時的な資金不足なら、配当金の引き出しや契約者貸付という方法もある
保険料が苦しくなったら、まず減額・払済・延長という契約を続ける方法を確かめ、特約が消える点も確かめたうえで、解約は最後の選択肢として考えることが、保障を残しながら負担を軽くする進め方になります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。
当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。
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