がん保険
がん保険のセカンドオピニオンサービスとは|費用の実態と保険選びでの位置付け

がん保険には、契約者や被保険者が専門医の意見(セカンドオピニオン)を受けられるよう手配する「セカンドオピニオンサービス」が付帯されている商品があります。
国立がん研究センターの解説によると、セカンドオピニオンの受診は公的医療保険が適用されない自由診療で、費用は全額自己負担となるため、無料で使える付帯サービスには一定の経済価値があります。
一方で、付帯サービスは保険を解約すれば使えなくなる「おまけ」であり、保険選びの決め手にすべきものではないというのが実情です。
また、がん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」など、保険に加入していなくても無料で利用できる公的な相談窓口もあります。
本記事では、セカンドオピニオンの費用の実態と付帯サービスの中身、そして保険選びの中での位置付けを、商品提供者が書きにくい視点から解説します。
セカンドオピニオンとは

セカンドオピニオンとは、診断や治療選択について、現在の担当医とは別の医師に求める助言(第2の意見)のことです。サービスの価値を考える前提として、制度の基本を押さえておきます。
転院ではなく「意見を聞く」仕組み
国立がん研究センターの解説によると、セカンドオピニオンは現在の担当医のもとで治療を受けることを前提に利用するもので、転院して別の医師のもとで治療を受けることとは異なります。
セカンドオピニオンの場では診察・検査・治療は行われず、医師が検査データや画像データをみて、第三者として診断や治療についての意見を述べる形です。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「セカンドオピニオン」
受けるタイミングは治療方針の説明があったとき
セカンドオピニオンを受けるのに適したタイミングは、担当医から治療方針の説明(ファーストオピニオン)があったときとされています。
診断が出る前では情報が不足し、治療開始後では方針の変更が容易ではなくなるため、利用する時期も価値を左右する要素となります。
セカンドオピニオンの費用の実態

付帯サービスの経済価値を考えるには、自分で受けた場合にいくらかかるのかを把握しておく必要があります。費用には保険が適用される部分と適用されない部分が混在しています。
受診そのものは自由診療で全額自己負担
セカンドオピニオン外来の受診費用は、公的医療保険が適用されない自由診療(自費診療)で、全額自己負担となり、費用は病院によって異なります。
30分〜1時間程度の相談で数万円程度を設定している病院が多く、遠方の病院で受ける場合は交通費の負担も加わります。
紹介状の作成には保険が適用される
セカンドオピニオンを受けるには、現在の担当医に紹介状(診療情報提供書)と検査データを準備してもらう必要があります。
国立がん研究センターの解説では、紹介状の作成には保険が適用されると明記されており、自由診療となるのは相談料の部分です。
言い出しにくいときの相談先
セカンドオピニオンを受けたいと担当医に言い出しにくいと感じる方は少なくありませんが、社会的に意義のある制度として認知されており、本来は遠慮する必要のないものです。
伝え方に悩む場合は、がん相談支援センターや、担当医以外の看護師などの医療スタッフに相談できます。
がん保険の付帯サービスの中身

保険会社のセカンドオピニオンサービスは、契約している保険の付帯サービスとして、専門医の紹介や面談の手配を行うものです。利用前に確認しておきたい点を挙げます。
対象者と利用条件は商品ごとに異なる
付帯サービスの対象は被保険者本人に限られる場合と、家族も利用できる場合があり、利用回数の制限や対象となる疾患の範囲も保険会社・商品によって異なります。
「付いているはず」と思い込まず、契約している保険のサービスガイドや公式サイトで、対象者・回数・費用負担の範囲を確認しておくことが前提です。
面談費用まで負担されるかは要確認
付帯サービスの中身は、「専門医の紹介・手配まで」を行うものと、「面談費用の負担まで」を含むものに分かれます。
手配のみのサービスの場合、面談の相談料(数万円程度)は自己負担となるため、サービスの範囲を約款やサービスガイドで確認しておく必要があります。
付帯サービスを保険選びの決め手にしない

商品提供者はセカンドオピニオンサービスを差別化要素として訴求しますが、商品を売らない立場から見ると、付帯サービスは保険選びの中心に置くべきものではありません。
解約すればサービスは消える
付帯サービスは契約の継続が前提であり、保険を見直して解約すれば利用できなくなります。
サービスの魅力で加入した保険が、保障内容の面で家計に合っていなければ本末転倒となるため、診断給付金や通院保障といった保障の中身を先に確認し、付帯サービスは副次的な比較要素にとどめる順序が現実的です。
無料の公的な相談窓口がある
セカンドオピニオンの病院探しや受け方の相談は、がん診療連携拠点病院などに設置されている「がん相談支援センター」で無料で行えます。
がん相談支援センターはその病院にかかっていない方や家族でも利用でき、地域でセカンドオピニオン受診ができる病院の情報も得られるため、保険の付帯サービスがなくても相談先は確保されています。
標準治療が基本という前提も知っておく
国が指定するがん診療連携拠点病院の診療は、現時点で最も効果が期待でき安全性が確立された「標準治療」を基本としており、病院や医師によって意見が大きく異なることは多くないとされています。
セカンドオピニオンは「別の治療法を探す手段」というより、「病気や治療への理解を深め、納得して治療に臨むための仕組み」と捉えておくと、過度な期待とのギャップを避けられます。
まとめ:サービスは活用しつつ、保障の中身で選ぶ
がん保険のセカンドオピニオンサービスは、自由診療で全額自己負担となる相談費用を考えると、加入者にとって価値のある付帯サービスです。
すでに加入している保険に付帯されているなら、対象者・回数・費用負担の範囲を確認したうえで、いざというときの選択肢として把握しておくことが役立ちます。
一方で、付帯サービスは解約すれば消えるものであり、がん相談支援センターという無料の公的窓口も存在します。
保険選びでは診断給付金や通院保障といった保障の中身を先に確認し、付帯サービスは副次的な要素にとどめる順序が、家計に合った保険選びにつながる進め方です。
セカンドオピニオンサービスは「すでに契約している保険のサービス内容を確認して活用するもの」と位置付け、新たに保険を選ぶ際は保障内容を中心に判断することが、付帯サービスとの適切な付き合い方となります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。



