ブログ
50年住宅ローンは何が起きる?毎月の返済額と総返済額・完済年齢

返済期間を延ばすと毎月の返済額は下がりますが、返済回数が増えるため、支払う利息の総額は増えます。
住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査によると、利用者の平均年齢は43.3歳です。
この年齢から50年で借りれば、完済は93歳を超える計算になります。
この記事では、期間を延ばすと何が下がって何が増えるのか、決める前に確かめる順番を解説します。
期間を延ばすと下がるもの、増えるもの

毎月の返済額と総返済額は、同じ方向には動きません。
毎月の返済額は下がる
同じ借入額を長い期間に分けて返すため、1回あたりの返済額は小さくなります。
これが、期間を延ばすことで得られる効果です。
返済回数と利息の総額は増える
返済期間が35年なら返済回数は420回、50年なら600回です。
利息は元金の残高に対してかかるため、元金が減りきるまでの期間が長いほど、支払う利息の総額は増えます。
毎月の返済額が下がることと、総返済額が増えることは、同時に起きます。
元金の減り方も遅くなる
返済額のうち利息にあてられる割合は、当初ほど高いのが元利均等返済の仕組みです。
期間が長いほどこの状態が続くため、元金の減り方は遅くなります。
売却を考えたときに、売却額がローン残高を下回る状態が長引くという形で表れます。
完済する年齢という問題

期間を決めるとき、同時に決まっているのが完済する年齢です。
フラット35利用者の平均年齢は43.3歳
住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査によると、2025年度の利用者の平均年齢は43.3歳でした。
融資区分別では注文住宅が47.8歳と最も高く、土地付注文住宅が40.1歳と最も低くなっています。
平均である43.3歳から50年で借りた場合、完済は93歳を超えます。
退職後も返済が続く
公的年金の受給が始まるのは原則65歳で、それ以降も返済が続く設計になります。
退職金や貯蓄で繰上返済するという前提を置くのであれば、その資金を老後の生活費に回せなくなる点まで見ておく必要があります。
返済負担率はすでに2割を超えている
同じ調査によると、2025年度の平均総返済負担率は22.8%でした。
総返済負担率は、1か月当たり予定返済額を世帯月収で除して求めます。
融資区分別では土地付注文住宅が26.4%と最も高く、世帯月収の4分の1以上を返済にあてている計算になります。
出典:住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」(2026年7月24日)
期間を延ばす目的は2つに分かれる

同じ50年でも、何のために延ばすのかで意味が変わります。
毎月の返済額を下げるために延ばす場合
借入額はそのままで期間だけを延ばせば、毎月の負担は下がります。
浮いた分を貯蓄や繰上返済の原資にあてる計画があるのであれば、選択として筋は通ります。
借入額を増やすために延ばす場合
毎月の返済額を一定に保ったまま期間を延ばせば、借りられる額は増えます。
この場合、下がるはずだった毎月の負担は下がらず、増えるのは借入額と総返済額だけです。
どちらの使い方をしているのかは、見積もりの借入額と毎月の返済額を35年の場合と並べてみれば分かります。
相談の場で見かけること
毎月の返済額だけを見て期間を決め、完済する年齢を聞かれて初めて気づく、という場面に出会います。
金融機関が示す返済計画には完済の時期も書かれているため、契約の前に目を通しておきます。
決める前に確かめること
借りられる額と、返せる額は別のものです。
完済年齢から逆算する
何歳で完済するのかを先に決め、そこから逆算して期間を選びます。
退職の予定年齢を超える部分について、何で返すのかを説明できるかが分かれ目になります。
35年の場合と並べて比べる
同じ借入額で35年と50年の返済計画を両方取り寄せ、毎月の返済額・総返済額・完済年齢を並べます。
差がどれだけあるかを見てから決めれば、毎月の返済額だけで判断することを避けられます。
団信の保障がいつまで続くかを確かめる
住宅ローンには団体信用生命保険が付いているのが一般的で、保障は返済期間にわたって続きます。
一方、年齢による上限が設けられている場合もあるため、契約する商品でどう定められているかを確かめておきます。
まとめ:毎月の返済額と引き換えに何を差し出すか
50年という期間は、毎月の返済額と引き換えに、総返済額と完済年齢を差し出す選択になります。
要点は次のとおりです。
・返済期間を延ばすと毎月の返済額は下がるが、返済回数が増えるため利息の総額は増える
・元金の減り方が遅くなり、売却額がローン残高を下回る状態が長引く
・2025年度のフラット35利用者の平均年齢は43.3歳で、そこから50年なら完済は93歳を超える
・2025年度の平均総返済負担率は22.8%で、土地付注文住宅では26.4%
・期間を延ばす目的が「毎月の返済額を下げる」のか「借入額を増やす」のかで意味が変わる
毎月の返済額だけで期間を決めるのではなく、何歳で完済するのか、退職後に残る返済を何で賄うのかを先に決め、35年の場合と並べて比べることが、50年という期間を選ぶかどうかの判断になります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。
当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。
北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
Category
- FPによる貸金業法学習記録
- FP資格取得のためのポイント
- iDeCo
- Webライティング実績
- カードローン
- がん保険
- セミナー報告
- テレビ出演実績
- ニーサ
- ファイナンシャルプランナー
- ファイナンシャルプランナーについて
- プライバシーポリシー
- ブログ
- ポートフォリオ
- ライティングについて
- ライフプラン
- 仮想通貨
- 住宅ローン
- 個人年金保険
- 公的年金制度
- 医療保険
- 地震保険
- 外貨建保険
- 学資保険
- 家計管理
- 就業不能保険
- 投資リスクなどへの対策
- 損害保険
- 新聞コラム実績
- 日常賠償責任保険
- 時事ネタ
- 火災保険
- 生命保険
- 監修実績
- 相続
- 確定拠出年金
- 社会保障
- 税金(一般的な内容)
- 自動車保険
- 資産運用
- 資産運用
- 金投資



