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iDeCoは途中で解約できる?脱退一時金の要件と続けられないときの選択肢

iDeCoは、老後の資産形成を目的とした年金制度のため、原則として中途解約して払い戻しを受けることはできません。
例外として脱退一時金の給付がありますが、国民年金の保険料免除者になるなど7つの要件をすべて満たす必要があり、該当する人は限られます。
掛金の負担が重くなった場合に取れるのは、解約ではなく、掛金を月5,000円まで減らす、または拠出を止めて運用だけ続けるという選択肢です。
この記事では、iDeCoを解約できる例外の要件と、続けられないときの現実的な対処を解説します。
iDeCoは原則として中途解約できない

iDeCoで積み立てた資産は、原則として60歳になるまで引き出せません。
まず、この仕組みと理由を確認します。
老後の資産形成を目的とした制度だから
iDeCoは、老後の資産形成を目的とした年金制度であることを理由に税制優遇が講じられており、一般の貯蓄とは異なります。
そのため、加入後は原則として60歳以降の受給年齢に到達するまで、資産を引き出すことができない仕組みです。
出典:iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「加入者の方へ」
60歳で受け取るには10年以上の加入期間が必要
60歳から年金資産を受け取るには、60歳になるまでの確定拠出年金の通算加入者等期間が10年以上必要です。
この期間が10年に満たない場合、受け取れる年齢は繰り下げられ、加入期間が1か月以上2年未満なら65歳からとなります。
例外の「脱退一時金」は要件が厳しい

一定の要件をすべて満たす場合に限り、60歳前でも脱退一時金を受け取れます。
ただし、その要件は限定的で、多くの人は該当しません。
7つの要件をすべて満たす必要がある
脱退一時金を受け取るには、次の要件をすべて満たすことが必要です。
・60歳未満であること
・企業型年金加入者でないこと
・国民年金保険料免除者、外国籍の海外居住者等、iDeCoに加入できない者であること
・日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
・通算拠出期間が5年以下、または個人別管理資産が25万円以下であること
・確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
・最後に企業型確定拠出年金またはiDeCoの加入者の資格を喪失した日から2年以内であること
「iDeCoに加入できない者」とは
要件のうち特に該当しにくいのが、「iDeCoに加入できない者であること」です。
これは、国民年金保険料の納付を申請により免除されている人や生活扶助を受けている人、日本国籍を有しない海外居住者などが該当します。
「お金が必要」という理由では認められない
要件を見ると、収入があって国民年金の保険料を納めている会社員や自営業者は、「iDeCoに加入できない者」に当てはまりません。
そのため、住宅の購入や教育費などで資金が必要になったという理由で解約し、脱退一時金を受け取ることはできない仕組みです。
続けられないときの選択肢

掛金の負担が重くなっても、解約以外に家計を調整する方法があります。
減額と拠出の停止という2つの選択肢を押さえておきます。
掛金を月5,000円まで減らす
iDeCoの掛金は月々5,000円から1,000円単位で設定でき、1年(12月分の掛金から翌年11月分の掛金の間)に1回限り変更できます。
負担が重いと感じたら、まず下限である月5,000円まで減額できないかを考えると、拠出を続けながら家計の負担を抑えられます。
出典:iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」
拠出を止めて「運用指図者」になる
掛金の拠出は、いつでも止めることができます。
拠出の継続を希望しない場合は、iDeCoの加入者資格を喪失する手続きを行い、「運用指図者」として、それまでの積立金の運用を継続することになります。
止めても手数料はかかり、所得控除もなくなる
拠出を止めても、運営管理機関は加入者だけでなく運用指図者に対してもサービスの対価として手数料を設定しており、資産を管理する信託銀行の手数料も別途かかります。
拠出を止めている間は掛金の所得控除も受けられないため、止めるのは一時的にとどめ、家計が落ち着いたら再開を考えることが大切です。
出典:iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「加入手続きについて」
始める前に確認しておきたいこと

解約できないという制約は、始める前に理解しておくことが欠かせません。
資金の置き場所を分けておくと、無理なく続けられます。
生活防衛資金は別に確保する
病気や失業、急な出費に備えるお金は、iDeCoとは別に、いつでも引き出せる預貯金で確保しておくことが前提となります。
相談の現場では、節税を意識して掛金を上限近くまで増やした結果、手元資金が不足して拠出を止めることになった例も見られます。
NISAと役割を分ける
教育費や住宅資金など、60歳より前に使う予定のあるお金は、いつでも引き出せるNISAや預貯金で準備する方法があります。
引き出せないiDeCoは老後資金、引き出せるNISAは使う時期が決まっている資金と、役割を分けておくと、家計の変化にも対応しやすくなります。
まとめ:解約より、減額と停止で続ける道を探す
iDeCoは老後の資産形成を目的とした制度のため、原則として中途解約はできません。
例外の脱退一時金には7つの要件があり、収入があって国民年金の保険料を納めている人は、資金が必要になったという理由では受け取れない仕組みです。
・iDeCoは原則として中途解約して払い戻しを受けることはできない
・例外の脱退一時金は、国民年金の保険料免除者になるなど7つの要件をすべて満たす場合に限られる
・掛金が負担なら、まず月5,000円まで減額できないかを考える
・拠出はいつでも止められるが、止めても手数料はかかり、所得控除もなくなる
・生活防衛資金や近い将来に使うお金は、NISAや預貯金で別に確保しておく
iDeCoが続けられないときは、解約を探すより、掛金の減額や拠出の停止で家計を調整し、生活防衛資金を確保したうえで無理のない金額に見直すことが、老後資金を守りながら続ける進め方になります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。
当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。
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