医療保険
医療保険と傷害保険は何が違う?保障の範囲と両方必要かの考え方

医療保険と傷害保険の違いは、保障の対象が病気を含むかどうかにあります。
医療保険はケガや病気による入院・手術などを保障する一方、傷害保険が補償するのは「急激・偶然・外来の事故」によるケガに限られ、病気によって生じる損害は補償されません。
どちらも公的な医療保険を補う位置づけのため、まず高額療養費制度で賄える範囲を確かめることが出発点です。
この記事では、2つの保険の守備範囲の違いと、両方が必要かどうかの考え方を解説します。
保障の対象が違う

両者の違いは、何が原因のときに給付を受けられるかという点にあります。
それぞれの守備範囲を確認します。
医療保険はケガと病気の両方が対象
医療保険は、ケガや病気の結果、入院・通院した場合などに保険金が支払われる保険です。
入院保険金や手術保険金、通院保険金のほか、先進医療を受けたときの費用の補償などが組み込まれている場合もあり、補償の内容は保険会社や商品によってさまざまとなっています。
傷害保険はケガだけが対象
傷害保険は、「急激・偶然・外来の事故」によりケガをした結果、入院・通院したり、死亡したりした場合などに保険金が支払われる保険です。
傷害保険では、病気によって生じる損害は補償されません。
そのため、がんや生活習慣病といった病気に備えたい場合、傷害保険では役割を果たせないことになります。
ケガでも対象にならない場合がある

傷害保険は、ケガであれば何でも補償されるわけではありません。
3つの要件を確認します。
「急激・偶然・外来」の3つをすべて満たす必要がある
「急激・偶然・外来の事故」とは、突発的に、たまたま、被保険者の身体の外部からの作用によって生じる事故のことをいいます。
これらの要件にすべて該当しなければ、傷害保険の対象にはなりません。
靴ずれや持病が関わるケガは対象外
たとえば靴ずれのように、身体への持続的な作用によって生じるものは、突発的とはいえないため「急激」に当たりません。
また、身体に潜む原因によって生じたケガは「外来」の事故によるものとはならず、予想どおりに結果が生じた場合も「偶然」には当たらないため、補償の対象から外れます。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会「損害保険Q&A 問71 傷害保険における『急激・偶然・外来の事故』とは」
どちらも公的保障を補うもの

民間の保険を検討する前に、公的な医療保険で賄える範囲を確かめる順番が現実的です。
この点は、損害保険の業界団体も同じ考え方を示しています。
まず高額療養費制度を確認する
健康保険などの公的な医療保険は、入院費・通院費の全額が支給されるわけではなく、一部自己負担が生じます。
ただし、1か月の自己負担額が一定の金額を超えた場合には高額療養費制度を利用でき、超過部分の払い戻しや、窓口での支払いを自己負担限度額までとすることができます。
日本損害保険協会も、医療保険に加入する際には高額療養費制度についても事前に確認するほうがよいとしている点は押さえておきたいところです。
ケガの場面では公的保障が先に働くこともある
仕事中や通勤中のケガは労働者災害補償保険(労災保険)の対象となり、健康保険とは別の給付を受けられます。
また、他人にケガをさせられた場合は、相手方の賠償責任保険から支払われることもあるため、民間の傷害保険の出番とならない場面も少なくありません。
両方に入る必要があるかを確かめる

2つの保険は守備範囲が異なりますが、必ず両方に入るべきというわけではありません。
確かめたい2つの点を挙げます。
すでに持っている補償と重ならないか
ケガへの備えは、傷害保険だけにあるとは限りません。
自動車保険や火災保険の特約、クレジットカードに付いている保険、勤務先の団体保険などで、すでにケガの補償を持っている場合もあるはずです。
相談の場でも、内容を確かめないまま複数の保険に入り、ケガの補償が重なっていた例が見られます。
ケガのリスクが特に高いかどうか
日常生活で生じるケガの治療費は、公的な医療保険と貯蓄で賄える範囲に収まることもあります。
スポーツやレジャーなどでケガのリスクが特に高い場合や、ケガで働けなくなると収入が途絶える場合には、傷害保険を検討する意味が出てきます。
病気への備えを優先するなら医療保険、ケガのリスクが高い活動があるなら傷害保険という順番が、重複を避けるうえでの目安になるでしょう。
まとめ:病気を含むかどうかが分かれ目
医療保険と傷害保険の違いは、病気を保障の対象に含むかどうかにあります。
どちらも公的保障を補う位置づけのため、賄える範囲を確かめてから必要性を考える順番が要点です。
・医療保険はケガと病気の両方、傷害保険はケガのみが対象
・傷害保険では、病気によって生じる損害は補償されない
・傷害保険の対象は「急激・偶然・外来」の3要件をすべて満たす事故によるケガ
・靴ずれや、身体に潜む原因によるケガは対象にならない
・自動車保険の特約やクレジットカード付帯の保険と補償が重なる場合がある
病気に備えたいのか、ケガに備えたいのかを分けて考え、高額療養費制度で賄える範囲と、すでに持っている補償を確かめてから、足りない部分だけを選ぶことが、重複と掛けすぎを防ぐ進め方になります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。
当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。
北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
Category
- FPによる貸金業法学習記録
- FP資格取得のためのポイント
- iDeCo
- Webライティング実績
- カードローン
- がん保険
- セミナー報告
- テレビ出演実績
- ニーサ
- ファイナンシャルプランナー
- ファイナンシャルプランナーについて
- プライバシーポリシー
- ブログ
- ポートフォリオ
- ライティングについて
- ライフプラン
- 仮想通貨
- 住宅ローン
- 個人年金保険
- 公的年金制度
- 医療保険
- 地震保険
- 外貨建保険
- 学資保険
- 家計管理
- 就業不能保険
- 投資リスクなどへの対策
- 損害保険
- 新聞コラム実績
- 日常賠償責任保険
- 時事ネタ
- 火災保険
- 生命保険
- 監修実績
- 相続
- 確定拠出年金
- 社会保障
- 税金(一般的な内容)
- 自動車保険
- 資産運用
- 資産運用
- 金投資



