自動車保険
JAFで代車は借りられる?代車費用特約との違いと修理中の移動手段を解説

事故や故障で車が修理に入ると、その間の移動手段に困ります。
JAFのロードサービスはけん引・搬送や応急処置が中心で、修理中の代車費用そのものを補償するサービスは含まれていません。修理期間中の代車費用に備えるには、自動車保険の「代車費用特約(レンタカー費用特約)」を付けるか、相手のいる事故なら相手方の賠償に請求するのが基本です。
この記事では、JAFで代車が借りられるのかという疑問に答えたうえで、代車費用特約の仕組み、特約が必要な人・不要な人の見極め方を、JAFや公的機関の情報をもとに整理します。
JAFのロードサービスに「代車費用の補償」は含まれない

「JAF 代車」という検索が多いように、JAF会員なら代車を借りられると考える方は少なくありません。
しかし、JAFのロードサービスの内容を確認すると、代車費用を補償する仕組みはないことがわかります。
JAFのロードサービスの中身
JAFのロードサービスは、会員であればバッテリー上がり・パンク・キー閉じこみ・燃料切れ・事故や故障でのけん引搬送などを無料で受けられるサービスです。
けん引は20kmまで無料で、超過分は1kmごとに830円がかかります。あくまで「その場のトラブル対応」と「車の搬送」が中心で、修理中の代車費用は対象になっていません。
レンタカーの「紹介」はあるが費用補償ではない
JAFにはロードサービス要請時の付帯サービスとして、会員優待が使えるレンタカー会社や宿泊施設を紹介する仕組みがあります。
ただし、これは割引が使える事業者の案内であって、代車やレンタカーの費用そのものを負担してくれるわけではありません。修理中の代車費用を賄いたい場合は、別の手段を用意しておくことが必要です。
修理中の代車費用を賄う3つの方法

車の修理期間中に代車が必要になった場合、費用の出どころは主に3つあります。
どの方法が使えるかは、事故の状況(相手がいるか)や加入している保険の内容によって変わります。
方法1:自分の自動車保険の「代車費用特約」を使う
加入している自動車保険に代車費用特約(レンタカー費用特約)を付けていれば、車両保険の対象となる事故で修理する間、代車費用が支払われます。
相手のいない単独事故でも、車両保険と特約でカバーできるのが利点です。
方法2:相手のいる事故なら相手方の対物賠償に請求する
相手がいる事故で自分の過失が小さい場合は、相手方の対物賠償保険から代車費用(代車料)を受け取れることがあります。
自分の特約を使う前に、まず相手方への請求ができないかを確認するのが基本です。相手方から代車費用が支払われれば、自分の保険の等級に影響しません。ただし、認められる代車のグレードや日数には一般的な相場があり、必要かつ相当な範囲に限られる点は理解しておく必要があります。
方法3:レンタカーやカーシェアを実費で借りる
特約がなく相手方請求もできない場合は、レンタカーやカーシェアを自費で借りることになります。
短期間であれば、特約を付け続ける保険料より実費のほうが安く済むケースもあります。
代車費用特約の仕組みと注意点

代車費用特約は、修理や事故で車が使えない間のレンタカー代などを補償する特約です。
補償の範囲や条件には、加入前に知っておきたい注意点があります。
1日あたりの上限額と支払日数の上限がある
代車費用特約は、1日あたりの支払上限額と、支払われる日数の上限が設定されているのが一般的です。
上限額・上限日数は保険会社や商品によって異なるため、契約前に補償の条件を確認しておくことが欠かせません。実際に借りたレンタカーの料金が1日あたりの上限を超えた場合、差額は自己負担になります。
車両保険とセットが加入条件になることが多い
代車費用特約は、車両保険に加入していることを前提とする商品が多いのが実情です。
車両保険を外すと代車費用特約も付けられなくなるため、車両保険の要否とあわせた検討が欠かせません。車両保険をやめる判断をする際は、代車費用特約も同時に失う点に注意しましょう。
使えるのは車両保険の対象事故が基本
代車費用特約が使えるのは、原則として車両保険の対象となる事故で車が修理・全損になった場合に限られます。
単なる経年劣化による故障や、車検・点検で車を預ける間の代車には使えないのが一般的です。どのような場合に支払われるのかは、約款で対象事故を確認しておくとよいでしょう。
代車費用特約が必要な人・不要な人

代車費用特約を付けるかどうかは、車を使う頻度や代替手段の有無で判断すると無理がありません。
保険料を払って特約を付けるより、実費で対応したほうが合理的な場合もあります。
特約の必要性が高いケース
・車が生活や通勤に不可欠で、1日でも車がないと困る
・公共交通機関が乏しい地域に住んでいる
・自家用車が1台のみで、代わりに使える車がない
・仕事で車を使い、代車がないと収入に影響する
こうした状況では、修理期間中の移動手段を確保できないと生活や仕事に支障が出るため、特約を付けておく意味があります。
特約の必要性が低いケース
・家族が別の車を所有しており、一時的に借りられる
・公共交通機関が発達した地域に住んでいる
・車の使用頻度が低く、数日なら車がなくても困らない
・レンタカー代を自費で払える預貯金がある
代車費用特約は、保険料に対して受け取る補償が限定的になりやすい特約です。
数年に一度あるかどうかの修理のために保険料を払い続けるより、必要なときに実費で借りたほうが総額を抑えられるケースは少なくありません。事故の頻度と特約保険料、レンタカーの実費を比べて判断することが大切でしょう。
JAFと自動車保険は役割が違う

JAFと自動車保険のロードサービス・特約は、補い合う関係にあります。
役割の違いを理解しておくと、重複を避けつつ必要な備えを選べます。
JAFは「人」に、自動車保険は「車」にかかる
JAFは会員本人に対するサービスのため、マイカーだけでなくレンタカーや他人の車に乗っているときのトラブルにも対応し、年間の利用回数に制限がありません。
一方、自動車保険のロードサービスや代車費用特約は、契約した車を対象とする補償です。緊急時の現場対応・搬送はJAF、修理期間中の代車費用は自動車保険の特約、と役割を分けて考えると整理しやすくなります。
まとめ|JAFに代車補償はない。修理中の代車は特約か相手方請求か実費で
JAFで代車が借りられるかという疑問への答えを整理します。
・JAFのロードサービスはけん引・応急処置が中心で、代車費用の補償はない
・修理中の代車費用は①自分の代車費用特約 ②相手方の対物賠償 ③実費のいずれかで賄う
・相手のいる事故は、自分の特約より先に相手方への請求を検討する
・代車費用特約は日額・日数に上限があり、車両保険とセットが条件のことが多い
・車を使う頻度が低い・代替手段がある人は、特約より実費のほうが安く済む場合がある
代車費用特約は「付ければ安心」ではなく、車の使い方と代替手段を踏まえて要否を判断する特約です。
緊急対応はJAF、修理中の代車は特約か相手方請求か実費、という役割分担を理解しておくと、重複したコストを避けながら必要な備えを選べるでしょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司による執筆です。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムでご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズにお調べいただけるでしょう。



