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NISAにリバランスは必要?売却せず新規買付で資産配分を調整する方法を解説

リバランスとは、値動きによって崩れた資産配分を、当初決めた比率に戻すことです。
NISAで注意したいのは、売却して買い直す方法だと年間投資枠を消費し、売却分の生涯の枠が戻るのも翌年になる点にあります。このためNISAでは、売却せずに新規買付で少ない資産を買い増す方法が基本になります。
また、バランス型ファンド1本で運用している場合など、そもそもリバランスが不要なケースがあるのも事実です。
この記事では、リバランスの基本、NISAならではの注意点、売却しない調整方法までを、金融庁・国税庁の情報をもとに解説します。
リバランスとは|崩れた資産配分を元の比率に戻すこと

リバランスは、運用を続けるなかで欠かせない「配分の手入れ」です。
まず、なぜ必要なのかを数字で確認します。
放置すると想定よりリスクが高くなる
たとえば株式50%・債券50%(各100万円)で始めた運用で、株式が140万円に値上がりしたとします。
債券が100万円のままなら、配分は株式約58%・債券約42%となり、当初よりリスクを取りすぎた状態です。この崩れを放置すると、下落局面で想定以上の損失を受ける可能性があるため、配分を元に戻す手入れがリバランスと呼ばれます。
NISAでの「売却リバランス」に伴う3つのコスト

課税口座と同じ感覚で「値上がりした資産を売って、値下がりした資産を買う」を行うと、NISAでは見えにくいコストが発生する点に注意が必要です。
順に確認しましょう。
コスト1|買い直しは年間投資枠を消費する
売却した資金で別の資産を買い直すと、その買付はその年の年間投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)を新たに消費します。
積立を続けながら売却リバランスを行うと、年の後半に枠が足りなくなるおそれもある仕組みです。
コスト2|売却した枠(簿価分)が戻るのは翌年
金融庁の資料によると、売却した商品の簿価(取得価額)分の非課税保有限度額は、翌年以降に再利用できるとされています。
裏を返せば、売却した年のうちは生涯の枠が戻らないということです。
コスト3|含み損の売却は損失が確定し、損益通算もできない
値下がりした資産を売却すると損失が確定します。
国税庁のタックスアンサーでは、NISA口座の損失は「ないもの」とみなされ、他の口座の利益との損益通算や繰越控除ができないとされています。含み損の資産を組み替える場合は、この点も含めて慎重に考えたいところです。
出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト よくある質問」、国税庁「No.1535 NISA制度」
NISAで資産配分を調整する3つの方法

NISAの枠の仕組みに沿った調整方法は、次の3つです。
売却を伴わない方法から順に検討していきます。
方法1|新規買付で少ない資産を買い増す(基本)
比率が下がった資産を、新たな資金で買い増して配分を戻す方法です。
先ほどの例(株式140万円・債券100万円)なら、債券を40万円買い増せば株式140万円・債券140万円となり、売却せずに50%・50%へ戻せます。売却がないため枠のロスも損失確定もなく、NISAと相性のよいやり方といえます。
方法2|毎月の積立配分を変更する
積立投資を続けている場合に使えるのが、毎月の積立額の配分を変えるやり方です。
比率の下がった資産への積立額を増やせば、まとまった資金がなくても少しずつ配分を戻せます。
方法3|売却して買い直す(年間枠の残りと相談)
まとまった乖離を一度に直したい場合は、売却して買い直す方法も選択肢に入ります。
その際は、その年の年間投資枠の残りで買い直せるか、含み損の売却にならないかの確認が先決です。
そもそもリバランスが不要なケース

運用の中身によっては、リバランスを考える必要自体がありません。
バランス型ファンド1本で運用している
複数の資産に分散投資するバランス型ファンドは、ファンドの中で自動的にリバランスが行われます。
1本で運用している場合、自分で配分を調整する作業は基本的に不要です。
全世界株式など1本のみで運用している
全世界株式型のような1本のみの運用では、複数資産の比率という意味でのリバランスはそもそも発生しません。
調整すべき「配分」が存在しないため、積立を淡々と続けることが手入れの中心になります。
頻度とタイミングの考え方

リバランスの頻度は、多ければよいというものでもない点が実務のポイントです。
年に1回など時期を決めて配分を確認し、崩れが目立つときだけ調整する方法が、手間とコストの面で現実的といえます。短期間の値動きに反応して調整を繰り返すと、年間投資枠の消費や高値づかみにつながりやすいため、どっしり構える姿勢が向いています。
まとめ|NISAは「売って直す」より「買って直す」
NISAのリバランスに関するポイントは次のとおりです。
・リバランスは崩れた資産配分を当初の比率に戻すこと。放置すると想定よりリスクが高くなる
・NISAの売却リバランスは年間投資枠を消費し、枠(簿価分)が戻るのは翌年
・含み損の売却は損失が確定し、NISAでは損益通算もできない
・基本は新規買付・積立配分の変更で調整する「売却しないリバランス」
・バランス型ファンド1本・全世界株式1本の運用ならリバランス自体が不要
・頻度は年1回など時期を決めて。頻繁な調整はかえってコストになる
NISAのリバランスは「売って直す」より「買って直す」が基本になります。
年1回の配分チェックを習慣にして、枠を無駄にしない形で長期の資産形成を続けていきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司による執筆です。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムでご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズにお調べいただけるでしょう。



