iDeCo
iDeCoの年末調整と確定申告|払込証明書が届く時期と、天引きの人・忘れた人の手続き

iDeCoの掛金は、支払った全額が小規模企業共済等掛金控除の対象です。
控除を受けるには、国民年金基金連合会から届く払込証明書を、年末調整か確定申告で添付するか提示します。
ただし、給与から天引きされる「事業主払込」の人は、会社が掛金を差し引いた給与額で毎月の源泉徴収税額を計算するため、自分で申告する必要はありません。
この記事で取り上げるのは、令和8年分の払込証明書が届く時期と、年末調整・確定申告での手続き、控除を忘れたときの対応です。
国税庁やiDeCo公式サイトなどの情報をもとに紹介します。
天引きか自分で払うかで、年末調整の手続きが変わる
iDeCoの掛金の払い方には、給与から天引きされる「事業主払込」と、自分の口座から引き落とされる「個人払込」があり、年末調整で申告が必要なのは個人払込の人です。
天引き(事業主払込)の人は申告しなくてよい
事業主払込の会社員は、会社が毎月の給与計算でiDeCoの掛金を差し引いてから、源泉徴収税額を計算します。
そのため、払込証明書は発行されず、年末調整も会社が把握している掛金の額をもとに行われます。
出典:国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
自分で払う(個人払込)の人は、年末調整か確定申告で申告する
個人払込の人に届くのが、国民年金基金連合会が発行する「小規模企業共済等掛金払込証明書」です。
会社員は年末調整で、自営業者など年末調整を受けない人は確定申告で、この証明書を添付するか提示して控除を受けます。
控除できる金額は、その年に支払った掛金の全額です。
課税所得がない人は、控除の効果を受けられない
専業主婦(夫)など国民年金の第3号被保険者もiDeCoに加入できますが、掛金の所得控除のメリットは、課税所得がなければ受けられません。
年末調整や確定申告で申告しても税金が戻らない場合があるため、加入前に自分の課税所得を確かめておくと判断しやすくなります。
出典:国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
払込証明書が届く時期と、記載される金額|令和8年分
令和8年分の払込証明書は4回に分けて発行され、1回目のはがきの発送予定日は2026年10月23日です。
証明書は4回に分けて届く
松井証券の案内では、令和8年分のはがきの発送予定日を、1回目が10月23日、2回目が11月25日、3回目が12月22日、4回目が2027年1月22日としています。
その年に初めて掛金を払ったのが10月なら2回目、11月なら3回目、12月なら4回目の証明書が対象です。
前回の発行から払込額と予定額の合計に変更があった人にも、2回目以降の証明書が発行されます。
出典:松井証券「iDeCoの『小規模企業共済等掛金払込証明書』の発行について(令和8年分)」
1回目の証明書は、年末までの予定額を含めた金額
1回目の証明書に書かれるのは、1〜9月に払い込んだ金額と、10〜12月の払込予定額です。
年末までの見込みを含んだ金額のため、10月以降の掛金を待たずに、この証明書で年末調整を済ませられます。
また、電子データは2026年10月21日から順次発行され、マイナポータルと「e-私書箱」「iDeCoオンライン手続きサービス」を連携すると、スマートフォンやパソコンで受け取れます。
出典:松井証券「iDeCoの『小規模企業共済等掛金払込証明書』の発行について(令和8年分)」
国税庁によると、マイナポータル連携でこのデータを一括取得すれば、年末調整の控除申告書や確定申告書に自動入力できる仕組みです。
12月分の掛金は翌年の控除になる
個人払込の掛金は翌月26日(金融機関の休業日は翌営業日)に口座から引き落とされ、その年の1〜12月に納付した掛金の合計額が控除の対象になります。
そのため、12月分の掛金は翌年1月の引落しとなり、翌年の控除に入る計算です。
出典:国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
証明書をなくしたときは再発行を
証明書をなくした場合は再発行を依頼できますが、書面での手続きが必要で、発行までに2週間程度かかります。
勤務先の年末調整の締め切りに間に合わなくても、確定申告で控除を受けられます。
出典:松井証券「iDeCoの『小規模企業共済等掛金払込証明書』の発行について(令和8年分)」
出典:国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
年末調整と確定申告での書き方
個人払込の会社員は年末調整の保険料控除申告書、自営業者などは確定申告書を使い、掛金を書く欄はどちらも「小規模企業共済等掛金控除」です。
会社員は保険料控除申告書に書き、証明書を添付する
年末調整では、勤務先に出す「給与所得者の保険料控除申告書」の小規模企業共済等掛金控除の欄に、iDeCoの掛金額を書きます。
そのうえで、払込証明書を申告書に添付するか、提出するときに提示します。
1回目の証明書には年末までの予定額が含まれるため、書く金額は、証明書に記載された実績額と予定額の合計です。
自営業者は確定申告で申告する
私自身も個人事業主のため、iDeCoの掛金控除は毎年の確定申告で申告しています。
確定申告の期間は、原則としてその年の翌年2月16日から3月15日までです。
申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄に掛金額を書き、払込証明書を添付するか提示します。
控除を忘れたときの手続き|還付申告と更正の請求
年末調整で控除を忘れた会社員は還付申告、確定申告で控除を書き漏らした人は更正の請求で、いずれも5年以内なら控除を受け直すことが可能です。
年末調整で忘れた会社員は還付申告
年末調整でiDeCoの控除を申告し忘れた会社員は、還付申告で控除を受けられます。
還付申告を出せるのは、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間です。
令和8年分であれば、2027年1月1日から申告できます。
確定申告で書き漏らした人は更正の請求
すでに確定申告をした人が控除を書き漏らした場合は、更正の請求書を税務署長に出す手続きになります。
更正の請求ができるのは、原則として法定申告期限から5年以内です。
ただし、所得控除を加えても最終的な税額が変わらない場合は、更正の請求はできません。
まとめ:iDeCoの控除は、天引きか個人払込かを確かめてから手続きする
iDeCoの掛金控除は払い方によって手続きが変わり、天引きなら会社に任せられ、個人払込なら年末調整か確定申告で払込証明書を使って申告します。
押さえておきたい点は、次のとおりです。
・天引き(事業主払込):会社が毎月の給与計算で控除するため、証明書は届かず申告も不要
・個人払込:国民年金基金連合会の払込証明書を、年末調整か確定申告で添付・提示
・証明書の時期(令和8年分):はがきの発送予定日は10月23日、11月25日、12月22日、2027年1月22日の4回
・1回目の証明書:10〜12月の予定額を含むため、年末調整に使える
・12月分の掛金(個人払込):翌年1月の引落しのため、翌年の控除
・忘れたとき:会社員は還付申告(翌年1月1日から5年間)、確定申告をした人は更正の請求(法定申告期限から5年以内)
まず自分の掛金が天引きか個人払込かを確かめ、個人払込なら10月下旬以降に届く払込証明書を年末調整か確定申告で使うことが、控除を受け漏らさないための基本になると考えています。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。
当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。
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