iDeCo
iDeCoの加入年齢、最新動向と活用のヒント

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を準備するための重要な制度です。しかし、何歳から何歳まで加入できるのか、そしてその年齢要件が今後どう変わっていくのかは、iDeCoを始めるタイミングや老後資金計画に大きな影響を与えます。近年、制度改正が活発に行われており、最新情報を把握しておくことが重要です。
この記事では、iDeCoの加入可能年齢に関する過去の変更点や決定済みの改正を解説します。そして、若年層がiDeCoを始めるべき理由や、加入年齢の上限拡大をどう活用すべきかまで、あなたのiDeCo運用と老後資金計画に役立つヒントを提案します。
iDeCoの加入可能年齢に関する最新動向

iDeCoの加入可能年齢は、近年改正が行われ、さらに今後の拡大も決定しています。
加入可能年齢の上限拡大が決定
現行制度(2022年5月改正):
2022年5月より、iDeCoに掛金を拠出できる年齢の上限が「60歳未満」から「65歳未満」に拡大されました。
2025年度税制改正大綱で決定:
・加入年齢の上限が「70歳未満」まで引き上げられることが決定済みです。
・この改正は、人生100年時代や、高年齢者の就業確保措置を背景としたものです。これが実現すれば、より長くiDeCoを活用して老後資金を準備できるようになり、老後への備えの選択肢がさらに広がります。
最低年齢の引き下げに関する議論
iDeCoに加入できる最低年齢は現在「20歳」です。この最低年齢を引き下げるという具体的な議論は、現在のところ確認されていません。
若年層がiDeCoを始めるべき理由

iDeCoの加入年齢が20歳からであること、そして運用期間が長く取れることは、特に若い世代にとって非常に有利な条件です。
「時間」を味方につける複利効果
iDeCo最大のメリットの一つは、運用益が非課税になることです。この非課税メリットを最も活かせるのが、時間をかけた長期運用です。
・複利の効果: 運用で得た利益を再投資することで、利益が利益を生む「複利の効果」が最大限に発揮されます。早く始めるほど、この複利の恩恵を長く享受できます。
シミュレーション例(年率5%で運用の場合):
・25歳から月1万円を35年間積立: 最終資産額 約1,136万円
・35歳から月1万円を25年間積立: 最終資産額 約596万円 たった10年の開始時期の差で、最終的な資産額に約540万円もの差が生まれる可能性があります。
金融庁 つみたてシミュレーターで試算
掛金の所得控除メリットを長く享受
iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、所得税と住民税が安くなります。20歳からiDeCoを始めれば、働いている期間(20歳から65歳未満、または70歳未満まで拡大決定済み)を通して、毎年この節税メリットを享受できます。 早く始めるほど、累積の節税額は大きくなります。
加入年齢の最新動向を活かす方法

加入年齢が65歳未満、そして今後は70歳未満まで拡大されることは、すべての年代にとってiDeCoの活用方法を再考するきっかけとなります。
50代、60代からでも遅くない老後資金準備
・50代、60代からiDeCoを始めても、税制メリット(掛金所得控除)を享受しつつ、老後までの残り期間で資産を増やすことが可能です。
・70歳未満まで加入可能になれば、より長くiDeCoを活用し、老後資金のラストスパートをかけるチャンスが生まれます。
最新の掛金上限額を活用
iDeCoの掛金上限額も、以下のように見直しが進んでいます。
2024年12月の制度改正:
公務員や、確定給付企業年金に加入している会社員の場合、iDeCo掛金上限が月1.2万円から月2万円に引き上げられています。
2025年度税制改正大綱で決定:
・企業年金のない会社員の場合、現在の月2.3万円から月6.2万円に大幅引き上げが決定しています。
・自営業者(第1号被保険者)の場合、現在の月6.8万円から月7.5万円に引き上げが決定しています。
これらの上限額を活用し、より多くの掛金を拠出することで、所得控除のメリットを最大限に享受し、老後資金を効率的に増やすことができます。
まとめ:iDeCoの加入年齢の最新動向を活かそう
iDeCoの加入可能年齢は、近年拡大され、今後もさらに引き上げが決定しています。これは、人生100年時代において、より多くの人がiDeCoを活用して老後資金を準備できるよう、制度が柔軟に対応している証拠です。
・若年層(20代): iDeCoの加入可能年齢である20歳になったら、「時間」を味方につける複利効果を最大限に活かすため、無理のない少額からでも早く始めることをおすすめします。
・中高年層(50代、60代): 加入可能年齢が65歳未満まで拡大されたことで、より長くiDeCoを活用できるようになりました。今後の70歳未満への拡大も視野に入れ、老後資金準備のラストスパートをかけるチャンスと捉えましょう。
iDeCoの加入年齢に関する最新動向を把握し、あなたのライフプランに合わせた最適なタイミングでiDeCoを始めてみませんか。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。