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生命保険とNISA・iDeCoの組み合わせ:最強の老後資金作り

「保険も投資も、両方やると家計が苦しくならないか心配…」
老後資金の準備は、人生における最も重要なテーマの一つです。そのための手段として、生命保険と、NISA・iDeCoといった資産形成制度が挙げられます。しかし、どちらか一方を選ぶべきか、あるいは両方をどう組み合わせれば良いのか、悩んでしまう方も多いでしょう。
この記事では、生命保険を「守り」、NISA・iDeCoを「攻め」と位置づけ、それぞれの役割と組み合わせ方を解説します。それぞれの税制優遇と資産形成目標に合わせたバランス、そしてキャッシュフローを考慮した積立額と保険料の配分まで。後悔しないための賢い老後資金戦略を提案します。
生命保険は「守り」、NISA・iDeCoは「攻め」の役割

老後資金を準備する上で、生命保険とNISA・iDeCoは、それぞれ異なる役割を担います。
生命保険の「守り」の役割
特徴:
・万が一の事態(死亡、高度障害、入院など)に備え、まとまったお金を確保するのが生命保険です。
・保障に特化しており、資産形成の効率は高くない場合があります。
メリット:
・リスクヘッジ: 予期せぬ大きなリスクが起こった場合に、ご自身やご家族の生活を守るためのセーフティネットとなります。
・生命保険料控除: 支払った保険料に応じて、毎年の所得税や住民税が軽減されます。
・【最新情報】: 2025年度税制改正で、23歳未満の扶養親族がいる世帯を対象に、所得税の一般生命保険料控除が4万円から6万円に拡充されることが決定しました。これは、子育て世帯にとって重要な変更となります。
向いている人:
子育て世代や住宅ローンを抱えている家庭など、万が一の際に遺された家族が困らないように、大きな保障を確保したい人。
NISA・iDeCoの「攻め」の役割
特徴:
・運用益を非課税にすることで、資産を効率的に増やすことに特化しています。
・投資信託など、元本変動型の商品で運用するため、元本割れのリスクがあります。
メリット:
・新NISA制度: 2024年から制度が大幅に拡充され、無期限で非課税投資が可能に。生涯非課税保有限度額1,800万円という大きな枠が用意されています。
・iDeCo: 掛金全額所得控除と運用益非課税の二重のメリットがあります。
向いている人:
・リスクを許容できる人。
・老後資金を積極的に増やしたい人。
税制優遇と資産形成目標を考慮してバランスをとる
生命保険の「守り」とNISA・iDeCoの「攻め」をバランスよく組み合わせることで、老後資金を効率的に準備できます。
貯蓄・投資とのバランス
保障と資産形成を明確に分ける:
・必要な保障は、保険料が安価な掛け捨て型の生命保険で確保しましょう。
・浮いたお金は、iDeCoやNISAなどの非課税制度で資産形成に回しましょう。
・これにより、保障と貯蓄・投資を両立させ、家計への負担を減らせます。
貯蓄型保険の注意点:
終身保険や養老保険といった貯蓄性のある保険は、保障と貯蓄を両立させる一方で、保険料が割高で、iDeCoやNISAに比べて運用効率が低い場合があります。
iDeCoとNISAとのバランス
iDeCoとNISAは、それぞれの強みを活かして使い分けることが重要です。
iDeCo:
・老後資金の「コア」として、掛金全額所得控除という最大のメリットを活かし、確実に老後資金を積み立てます。
・原則60歳まで引き出せないため、途中で使ってしまう心配がありません。
・【最新情報】: 2024年12月からは、公務員や確定給付企業年金に加入している会社員のiDeCo掛金上限が月額1.2万円から2万円に引き上げられました。 また、2025年度税制改正では加入可能年齢が70歳未満まで拡大される予定です。
NISA:
・老後資金の「サテライト」として、資金の柔軟性を活かします。
・iDeCoの掛金上限を超える老後資金や、教育資金、住宅資金など、多目的に活用できます。
キャッシュフローを考慮した積立額と保険料の配分

保険料と積立額の配分を考える際は、家計の「キャッシュフロー」(お金の流れ)を考慮しましょう。
優先すべきは「生命保険」か「資産形成」か
ライフステージ別:
・子育て世代: 万が一のことがあった場合のリスクが最も大きいため、生命保険の保障を優先しましょう。
・子どもの独立後: 必要保障額が減るため、生命保険料を減らし、iDeCoやNISAの積立額を増やすことを検討しましょう。
リスク許容度別:
・リスクを抑えたい人: 保険料負担を抑えつつ、必要な保障を確保します。
・リスクを許容できる人: 保険料を抑え、iDeCoやNISAの積立額を増やすことを検討します。
積立額と保険料のバランス
保険料の目安:
生命保険の保険料は、手取り収入の5%〜10%程度が目安と言われます(あくまでも保障内容を重視してくださいね)。
積立額の目安:
iDeCoの掛金上限(月1.2万円〜6.8万円)や、NISAの年間投資枠(合計360万円)などを参考に、無理のない範囲で積立額を決めましょう。
まとめ:生命保険とNISA・iDeCoで「攻守兼備」の老後資金作り
生命保険とNISA・iDeCoは、どちらか一方を選ぶものではなく、それぞれの役割を理解し、「攻守兼備」のポートフォリオを組むことが重要です。
・生命保険で万が一のリスクに備える「守り」を固めましょう。
・NISA・iDeCoで老後資金を効率的に増やす「攻め」を実践しましょう。
・あなたのライフステージに合わせて、保険料と積立額の配分を調整し、老後資金を確実に形成していきましょう。
この記事を参考に、生命保険とNISA・iDeCoを賢く組み合わせ、安心して豊かな老後を築いていきましょう。
「配当金」という言葉に惑わされず、ご自身のライフプランや家計の状況に合わせて、「保険料と配当金のバランス」を考慮して、最適な保険タイプを選びましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。