医療保険
手術給付金の上乗せは必要?医療保険の保障内容を再検討

医療保険の保障内容を検討する際、入院日数に応じて支払われる「入院給付金」だけでなく、手術を受けた際に支払われる「手術給付金」も重要な要素です。この手術給付金を上乗せすべきか、あるいは、どのくらいの金額を設定すべきか、悩んでしまう方も多いでしょう。
この記事では、医療保険の手術給付金が支払われる条件を解説します。手術の種類に応じた給付倍率の仕組みを詳しく掘り下げ、手術給付金を上乗せするメリットと、保険料への影響まで。あなたの医療保険の保障内容を再検討するためのヒントを提案します。
手術給付金が支払われる条件と仕組み

手術給付金とは、病気やケガで手術を受けた場合に、まとまった金額が支払われる給付金です。医療保険の主契約に自動的にセットされているケースもあります。
給付金が支払われる条件
公的医療保険の対象手術:
・手術給付金が支払われるのは、公的医療保険の対象となる手術を受けた場合が一般的です。
・手術給付金の対象となる手術は、保険会社の約款に記載されている手術リストに基づきます。
・公的医療保険制度の対象となる約1,000種の手術を給付対象としているケースもあります。
支払い対象外となる手術:
・検査のための手術や、美容目的の手術、レーシック手術など、公的医療保険の対象とならない手術は、給付金支払いの対象外となるケースが多いです。
手術の種類に応じた給付倍率

手術給付金の金額は、手術の種類に応じて、「給付倍率」という形で設定されるのが一般的です。
給付倍率とは:
入院給付金日額の10倍、20倍、40倍といった形で設定されます。
例: 入院給付金日額1万円の医療保険に加入し、手術給付金の倍率が40倍の場合、40万円(1万円 × 40倍)の手術給付金が支払われます。
手術の種類:
手術の種類によって、給付倍率が異なる場合があります。
例:
・比較的小さな手術(白内障手術など):入院給付金日額の10倍〜20倍など
・大きな手術(がん手術など):入院給付金日額の40倍〜50倍など
手術給付金の金額が、入院給付金日額や手術の種類に応じてどう決まるか、契約内容をよく確認しましょう。
手術給付金を上乗せするメリットと、保険料への影響

手術給付金は、万が一の際の医療費負担を軽減する上で非常に役立ちます。
手術給付金を上乗せするメリット
1.高額な手術費用への備え:
がん手術や、心臓手術など、高額な費用がかかる手術に備えられます。
2.退院後の生活費に充当:
手術給付金は、退院後の療養期間中の生活費や、通院費、リハビリテーション費用など、自由に使うことができます。
3.短期入院に対応:
近年、入院日数が短期化しているため、入院給付金だけでは医療費が足りないケースもあります。手術給付金は、入院日数に関わらずまとまったお金が支払われるため、短期入院の費用に備えられます。
高額療養費制度との連携
高額療養費制度:
ひと月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。
制度対象外費用:
しかし、差額ベッド代や先進医療の技術料などは、この制度の対象外となるため、注意が必要です。
【補足】
手術給付金の給付倍率は、保険会社や商品によって異なるため、加入時には約款で具体的な内容を必ず確認しましょう。
保険料への影響
保険料が上乗せされる:
手術給付金を上乗せすると、その分、保険料が上乗せされます。
保険料と保障内容のバランス:
保険料の負担が家計を圧迫しないよう、保険料と保障内容のバランスを考えましょう。
まとめ:手術給付金は「万が一の手術」に備える
医療保険の手術給付金は、万が一の際の手術費用や、退院後の生活費に備える上で非常に重要な保障です。
・手術給付金が支払われる条件と、手術の種類に応じた給付倍率を正しく理解しましょう。
・手術給付金を上乗せすると、その分保険料が上がりますが、高額な手術費用や短期入院といったリスクに備えられるというメリットがあります。
・あなたのライフプランや、手術のリスクを考慮して、手術給付金の上乗せが必要かどうかを判断しましょう。
この記事を参考に、あなたに最適な医療保険を選び、安心して日々の生活を送りましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。