生命保険
定期保険のメリット・デメリット:掛け捨て型保険で効率的に保障を確保するコツ

「『掛け捨て』って聞くと、もったいない気がするけど、本当に定期保険で大丈夫?」
定期保険は、保険料の安さから「掛け捨て型」と呼ばれることが多く、特に子育て世代や住宅ローンを抱える家庭にとって、万が一の事態に備える上で非常に重要な役割を果たします。しかし、「掛け捨て」という言葉から、加入をためらう方もいるかもしれません。
この記事では、定期保険の基本的な仕組みから、保険料が割安であるメリット・デメリットを詳しく解説します。そして、必要な保障額と期間の決め方、更新型と全期型の違いまで、定期保険を賢く活用するためのポイントをご紹介します。
定期保険の仕組み:一定期間の保障と「掛け捨て」の理由

定期保険とは、一定の「保険期間」が決められている生命保険です。保険期間内に万が一のことがあった場合、保険金が支払われますが、満期を迎えると保障は終了します。
定期保険が「掛け捨て」と呼ばれる理由
・解約返戻金が少ない(またはない): 終身保険や養老保険のように、解約した際に支払った保険料が一定程度戻ってくる「解約返戻金」がほとんどありません。
・貯蓄性がない: 保険料は、保障のための費用に充てられるため、貯蓄機能はありません。
この「掛け捨て」という特性から、定期保険は「保険料が安い」という大きなメリットが生まれます。
必要な保障を必要な期間だけ確保
定期保険は、人生で最も保障が必要な時期に、その期間だけ手厚く備えるという考え方で活用されます。
・子どもの教育費: 子どもが幼い時期は、万が一のことがあった場合に必要となる教育費や生活費が多額になります。しかし、子どもが独立すれば、その必要性は減ります。
・住宅ローン: ローンを組んでから完済するまでの期間は、万が一の備えが不可欠です。ローンを完済すれば、その必要性はなくなります。
このように、ライフプランに応じて保障が必要な時期が明確な場合に、定期保険は非常に有効な選択肢となります。
保険料が割安であるメリットとデメリット

定期保険の「掛け捨て」という特性は、保険料の割安さというメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットも存在します。
メリット
・保険料が安い: 終身保険や養老保険に比べて、保険料が非常に安価です。同じ保障額でも、月々の負担を大きく抑えられます。
・家計に優しい: 保険料が安いため、家計を圧迫することなく、万が一の事態に備えられます。
・高い保障額を確保しやすい: 保険料が安いため、若い世代でも数千万円といった大きな保障額を確保しやすいです。
デメリット
・保障期間が満了すると終了: 満期を迎えると保障がなくなってしまいます。
・更新時の保険料上昇: 更新型の場合、保障期間が満期を迎え更新すると、保険料が上がります。
・解約返戻金がほとんどない: 貯蓄性がないため、解約してもお金が戻ってきません。
必要な保障額と期間の決め方

定期保険を契約する際には、保障額と保険期間をどのように決めるかが最も重要なポイントです。
必要な保障額の算出方法
必要な保障額は、以下の計算式で算出することができます。
必要な保障額 = 「万が一の際の支出」 − 「万が一の際の収入」
・支出の目安: 遺族の生活費、子どもの教育費、住宅ローン残高、葬儀費用など。
・収入の目安: 遺族年金、死亡退職金、配偶者の収入、現在の貯蓄など。
この計算から、過不足なく保障額を設定することが大切です。
保険期間の決め方
保険期間は、万が一の備えがいつまで必要かを考えて決めましょう。
・子育て世代: 「子どもが独立するまで」(例:10年、20年、60歳までなど)
・住宅ローンを抱える家庭: 「住宅ローンを完済するまで」の期間
・起業家など: 「事業が軌道に乗るまで」の期間
更新型と全期型の比較

定期保険には、保険期間の途中で保険料が変わる可能性がある「更新型」と、保険期間を通して保険料が変わらない「全期型」があります。
更新型:保険料は安いが、更新時に上昇
・特徴: 保険期間が短く(例:10年)、満期を迎えると自動的に更新されます。
・メリット:加入時の保険料が安い: 全期型に比べて、加入時の保険料が安いです。
・デメリット:更新時に保険料が上がる: 更新時の年齢で保険料が再計算されるため、一般的に保険料が上がります。
全期型:保険料は変わらないが、加入時は高め
・特徴: 契約した保険期間(例:60歳まで)を通して、保険料が変わらないタイプです。
・メリット:保険料が一定: 契約時の保険料が変わらないため、将来の家計計画が立てやすいです。
・デメリット:加入時の保険料は割高: 更新型に比べて、加入時の保険料は高くなります。
まとめ:定期保険は「目的」と「期間」で賢く選ぶ
定期保険は、「掛け捨て」という特性を理解し、必要な保障を、必要な期間だけ、安価に確保するための、非常に合理的な保険です。
・保障の目的を明確にし、必要な保障額と期間を計算しましょう。
・保険料の安さだけでなく、更新時の保険料上昇リスクも考慮し、更新型と全期型を比較しましょう。
この記事を参考に、あなたの家族に合った最適な定期保険を選び、安心して日々の生活を送りましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。