医療保険
医療保険を解約する前に確認したい3つの点|乗り換えで損をしないために

医療保険を解約すると、その時点で保障はなくなります。
生命保険文化センターは、新しい保険の契約が成立してから解約手続きを行うなど、慎重に対応することが必要だとしています。
医療保険は掛け捨て型が多く、解約返戻金はほとんどないか、あってもわずかなため、解約や乗り換えの判断では、損得よりも保障の空白と再加入のしやすさが大切です。
この記事では、医療保険を解約する前に確認したい点と、乗り換えで損をしやすいケースを、商品を売る立場とは離れた視点で解説します。
医療保険を解約するとどうなるか

解約を検討する前に、何が起こるのかを、保障・再加入・返戻金の3つの面から確認します。
とりわけ、解約した瞬間から保障が途切れる点は見落とせません。
解約した時点で保障がなくなる
医療保険を解約すると、その時点で入院や手術への備えがなくなります。
新しい保険への切り替えを考えている場合でも、加入手続きの途中で入院や手術が必要になれば、その費用は自己負担になります。
再加入は年齢と健康状態で不利になりやすい
いったん解約した後に入り直そうとすると、契約する年齢が上がっているため、保険料が以前より高くなることがあります。
健康状態によっては、新しい保険に加入できなかったり、保障の一部に制限が付いたりする場合もあります。
医療保険は掛け捨てが多く返戻金は期待しにくい
医療保険は、解約返戻金のない掛け捨て型が主流で、解約してもまとまったお金が戻ることはほとんどありません。
一方、解約返戻金のある貯蓄型の医療保険では、加入から短期間での解約は払い込んだ保険料を下回り、元本割れになりやすい点に注意が必要です。
解約する前に確認したい3つの点

解約を決める前に、保障の空白・減額・公的保障の3点を確認すると、後悔を避けやすくなります。
なかでも、保障の空白を作らないことが最も大切です。
新しい保険が成立してから解約する
乗り換えを考えている場合は、新しい保険の契約が成立したことを確認してから、今の保険を解約することが基本です。
生命保険文化センターも、解約した保険はもとに戻せないため、新しい契約の成立後に解約手続きを行うなど慎重な対応が必要だとしています。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険の見直し方法と留意点」
解約ではなく減額で保険料を下げられないか
保険料の負担が重い場合、解約する前に、保障を減らして保険料を下げる「減額」という方法を検討できます。
入院給付金の日額を下げたり、使っていない特約を解約したりすることで、保障を一部残したまま負担を軽くできる場合があります。
解約すると保障がすべてなくなりますが、減額なら必要な部分の保障を続けられるため、まず減額で足りないかを考えることが大切です。
公的保障でどこまで賄えるかを確認する
日本の公的医療保険には、1か月の医療費の自己負担が一定額を超えると払い戻される高額療養費制度があります。
解約を考える際は、こうした公的保障でどこまで賄えるかを踏まえ、民間の医療保険で上乗せすべき部分を見極めることが大切です。
乗り換えで損をしやすいケース

乗り換えには、健康状態・予定利率・転換という3つの落とし穴があります。
相談の現場でも、新しい商品が出るたびに乗り換えて、かえって保障や家計が不安定になる例が見られます。
健康状態の悪化で新しい保険に入れない
今の保険を解約する前提で話を進めても、健康状態によっては新しい保険の加入を断られることがあります。
その場合、古い保険も解約してしまうと、どちらの保障もない状態になりかねないため、加入の可否が確定するまで今の契約は残しておくことが欠かせません。
予定利率の高い古い契約を手放してしまう
古い時期に加入した保険は、契約時の予定利率が高く、今の商品より条件が良い場合があります。
新しさや保険料の安さだけで乗り換えると、有利な契約を手放してしまうこともあるため、今の契約の内容を確認したうえで比べることが大切です。
転換は予定利率が下がると保険料が上がる
今の契約の積立部分を新しい契約に引き継ぐ「転換」という方法もありますが、これには注意点があります。
生命保険文化センターによると、転換時の予定利率が元の契約の予定利率より下がる場合、保険の種類によっては保険料が上がることがあります。転換は今の契約を下取りに出す形で、もとの契約は原則として消滅するため、内容をよく確認して判断することが大切です。
まとめ:解約の前に保障の空白と代替手段を確認する
医療保険の解約は、実行するとその時点で保障がなくなり、再加入は年齢や健康状態で不利になりやすい判断です。
掛け捨て型が多い医療保険では、解約の損得よりも、保障の空白を作らないことと、再び入り直せるかどうかを重く見ることが大切になります。
・乗り換える場合は、新しい保険の成立を確認してから今の保険を解約する
・保険料が重いときは、解約の前に減額で下げられないかを検討する
・高額療養費制度など公的保障で賄える範囲を踏まえて、必要な保障を見極める
・古い契約は予定利率が高い場合があり、転換や乗り換えで手放すと不利になることがある
医療保険の解約は、保険料の負担だけで決めず、保障の空白を作らないこと、減額など解約以外の方法、公的保障で賄える範囲を確認したうえで判断することが、後悔を避ける進め方になります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆した内容です。
当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。
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