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旧NISAの非課税期間終了後はどうなる?課税口座への払い出しと売却の選び方を解説

旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)で保有している商品は、非課税期間が終わると自動的に課税口座(特定口座または一般口座)へ払い出されます。
払い出し後は「払い出し時の時価」が新しい取得価額になり、新NISAへの移管(ロールオーバー)はできないため、含み損のまま払い出されると実際には利益が出ていなくても課税されるケースがあります。
一般NISAの非課税期間は購入年から5年のため、2022年に購入した分は2026年末が満了です。
この記事では、非課税期間終了後の仕組みと、満了前に選べる「売却」「課税口座で保有継続」の選び方を、金融庁・国税庁の情報をもとに解説します。
旧NISAの非課税期間はいつまでか

旧NISAは2023年末で新規の買い付けが終了しましたが、すでに保有している商品は非課税期間が終わるまでそのまま持ち続けられます。
制度ごとの非課税期間と満了時期は次のとおりです。
・一般NISA:購入年から最長5年(2022年購入分は2026年末、2023年購入分は2027年末で全終了)
・つみたてNISA:購入年から最長20年(2018年購入分は2037年末、2023年購入分は2042年末まで)
一般NISAの満了は目前に迫っている一方、つみたてNISAの満了は2037年末以降のため、急いで対応が必要なのは一般NISA分といえます。
なお、旧NISAで保有している商品は、新NISAの非課税保有限度額1,800万円とは別枠での管理です。
新NISAへのロールオーバー(移管)はできない
旧一般NISAには、非課税期間終了時に翌年の非課税枠へ移す「ロールオーバー」の仕組みがありましたが、新NISAへのロールオーバーは制度上できません。
金融庁も、非課税期間終了後に2024年からのNISAに移管することはできないと明示しています。新NISAは非課税期間が無期限であり、ロールオーバーという考え方自体がなくなった形です。
非課税期間が終了すると課税口座へ自動的に払い出される

非課税期間が終了した商品は、手続きなしで自動的に課税口座へ払い出されます。
特定口座を開設していれば特定口座へ、開設していなければ一般口座への払い出しです。
払い出し後の利益や配当には20.315%が課税される
課税口座に移った後の売却益や配当金・分配金には、通常どおり20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)が課税されます。
非課税のまま運用を続けたい場合は、後述のとおり満了前の売却と新NISAでの買い直しを検討することになります。
取得価額は「払い出し時の時価」に変わる|含み損は特に注意

課税口座への払い出しで最も注意したいのが、取得価額の扱いです。
払い出された商品の取得価額は、当初の購入価格ではなく、非課税期間が終了する年末の時価に変わります。この仕組みにより、払い出し時点で含み益か含み損かによって、その後の税負担に差が生まれます。
含み益で払い出された場合|非課税期間中の値上がりは非課税のまま
100万円で購入した商品が、払い出し時に150万円になっていた場合、新しい取得価額は150万円です。
その後160万円で売却すると、課税されるのは150万円からの値上がり分10万円だけで、非課税期間中の値上がり50万円には税金がかかりません。含み益の状態で払い出されるケースでは、非課税の恩恵を受けたまま保有を続けられる形です。
含み損で払い出された場合|実際は損でも課税されることがある
一方、100万円で購入した商品が払い出し時に80万円へ値下がりしていた場合、新しい取得価額は80万円になります。
その後90万円まで回復して売却すると、実際には100万円で買って90万円で売った10万円の損失なのに、税務上は80万円との差額10万円が利益とみなされて課税されます。
含み損のまま払い出されると、本来の利益がなくても課税される可能性がある——これが旧NISAの出口で最も見落とされやすい注意点です。
NISA内の損失は損益通算できない(払い出し後は可能)
国税庁のタックスアンサーでは、NISA口座の売却で生じた損失は「ないもの」とみなされ、特定口座などの利益との損益通算や繰越控除ができないとされています。
一方、課税口座へ払い出された後に生じた損失は、通常どおり他の利益と損益通算が可能です。先ほどの例で80万円からさらに70万円に値下がりして売却した場合は、税務上10万円の損失として他の利益と相殺できます。
満了前に選べる2つの対応

非課税期間の満了を迎える前に取れる対応は、「満了前に売却する」か「課税口座で保有を続ける」かの2つです。
それぞれの特徴と向くケースを確認します。
選択肢1|満了前に売却して利益を非課税で確定する
非課税期間中に売却すれば、含み益はすべて非課税で受け取れます。
目標額に達している場合や、含み損の払い出しによる課税リスクを避けたい場合に向く方法です。ただし年末の売却は、受渡日が年内に収まるよう早めに注文する注意が必要になります。
選択肢2|課税口座へ払い出して保有を続ける
売却せずそのまま持ち続ける場合は、自動的に課税口座での保有に切り替わる流れです。
含み益の状態で払い出されるなら、非課税期間中の利益は確定済みのため、税制上の不利は生じにくいといえます。長期保有を続けたい商品や、売却を急ぐ理由がない場合の選択肢です。
新NISAで運用を続けたいなら「売却して買い直す」
旧NISAから新NISAへ商品を直接移すことはできないため、新NISAで同じ商品を非課税運用したい場合は、一度売却して新NISAの枠で買い直すことになります。
買い直しには新NISAの年間投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)を使うため、他の投資予定とのバランスも考えて判断するとよいでしょう。
判断前に確認しておきたい3つのポイント

どちらの対応を選ぶかは、次の3点を確認してから判断すると迷いにくくなります。
・満了時期:保有商品をいつ(どの年に)購入したか。金融機関のサイトで確認できる
・含み損益:払い出し時に含み益か含み損か。含み損なら満了前売却も含めて慎重に
・資金の使い道:近く使う予定があるか、長期保有を続けるか
特に含み損を抱えている場合は、払い出し後の課税リスクを理解したうえで、満了前に売却するか、回復を待って保有を続けるかを検討することが大切です。
判断に迷うときは、金融機関の窓口やファイナンシャルプランナーに相談する方法もあります。
まとめ|出口で差がつくのは「取得価額の付け替え」の理解
旧NISAの非課税期間終了後のポイントをまとめます。
・非課税期間は一般NISAが5年・つみたてNISAが20年(2022年の一般NISA購入分は2026年末満了)
・満了後は課税口座へ自動的に払い出され、その後の利益・配当に20.315%が課税される
・新NISAへのロールオーバー(移管)はできない
・取得価額は払い出し時の時価に変わり、含み損のままだと実際の利益がなくても課税されるケースがある
・NISA内の損失は損益通算できないが、払い出し後の損失は通算できる
・非課税で運用を続けたいなら、満了前に売却して新NISAで買い直す方法がある
旧NISAの出口で差がつくのは、払い出し時の含み損益と取得価額の付け替えを理解しているかどうかです。
満了時期と損益の状況を早めに確認し、売却か保有継続かを落ち着いて選べるよう準備しておきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司による執筆です。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムでご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズにお調べいただけるでしょう。



