iDeCo
iDeCoの掛金で家計改善!無理なく節約するコツと捻出術

iDeCo(個人型確定拠出年金)の税制メリットは魅力的ですが、「毎月の掛金をどこから出せばいいのか」と悩む方も少なくありません。特に、日々の生活費で手一杯だと感じている場合、iDeCoへの拠出は家計の負担に思えるかもしれません。
しかし、iDeCoの掛金捻出は、実は家計全体を改善する絶好のチャンスでもあります。この記事では、iDeCo掛金を無理なく捻出するための家計改善や節約術に焦点を当てて解説します。家計簿のつけ方、効果的な固定費の見直しから、節約で浮いたお金をiDeCoに回す「先取り投資」の習慣化、そして夫婦で協力する家計改善のヒントまで、あなたの家計を改善し、賢くiDeCoを活用するための具体的な方法を提案します。
iDeCo掛金捻出のための家計改善3ステップ

毎月のiDeCo掛金を無理なく捻出するには、以下の3つのステップで家計を見直すのが効果的です。
ステップ1:現在の家計状況を「見える化」する
まず、自分の家計がどうなっているかを正確に把握することが重要です。
1.収入と支出をすべて把握する: 毎月の手取り収入と、すべての支出(固定費、変動費)を具体的に書き出してみましょう。家計簿アプリ、スプレッドシート、あるいは手書きの家計簿でも構いません。少なくとも1〜2ヶ月分は記録してみてください。
2.「何にいくら使っているか」を分類する: 書き出した支出を「食費」「通信費」「交通費」「娯楽費」などの費目に分類し、それぞれにいくら使っているかを把握します。これにより、無駄遣いの傾向や、削減できる可能性がある項目が見えてきます。
3.「生活防衛資金」の状況を確認する: 万が一の事態に備え、生活費の半年~1年分はすぐに引き出せる「生活防衛資金」を預貯金で確保しておくことが大切です。iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、この生活防衛資金でiDeCoの掛金を出すのは避けましょう。
ステップ2:支出を「固定費」と「変動費」に分けて見直す
家計の「見える化」ができたら、いよいよ支出の見直しです。より効果的なのは「固定費」から見直すことです。
効果絶大!「固定費」の見直し術
固定費は一度見直せば、毎月継続的に節約効果が得られるため、iDeCoの掛金を捻出する上で非常に効果的です。
通信費(スマホ、インターネット):
・格安SIMへの乗り換え: 大手キャリアから格安SIMに乗り換えるだけで、月数千円~1万円以上の節約になることも珍しくありません。年間で数万円のiDeCo掛金を捻出できます。
・光回線の見直し: プロバイダや料金プランを見直したり、スマホとのセット割引を活用したりしましょう。
保険料:
・保障内容の適正化: 現在加入している生命保険、医療保険、自動車保険などが本当に必要な保障内容か、過剰な保障はないかを見直しましょう。ライフステージの変化(結婚、出産、住宅購入など)に合わせて、不要になった特約を外したり、割安な掛け捨て型に切り替えたりすることで、月数千円の節約が可能です。
・保険会社の比較: ネット型保険など、保険料が割安な選択肢も検討しましょう。
サブスクリプションサービス:
定期的な見直し: 継続的に利用していない動画配信サービスや音楽配信サービス、フィットネスジムの会費などがないか、定期的に見直して解約しましょう。月数百円〜数千円でも、積み重なればiDeCoの掛金に充てられる額になります。
住居費:
家賃・住宅ローンの見直し: 可能であれば、家賃の安い物件への引っ越しを検討したり、住宅ローンの借り換えを検討したりすることも、大きな節約につながります。
車の維持費:
利用頻度の見直し: 利用頻度が低い場合は、カーシェアや公共交通機関への切り替えも検討しましょう。自動車保険料やガソリン代、駐車場代などの節約につながります。
日々の意識で差が出る!「変動費」の節約術
変動費は日々の意識が重要です。無理なく続けられる範囲で、具体的な節約行動を取り入れましょう。
食費:
・自炊の頻度を増やす: 外食や惣菜の頻度を減らし、自炊を増やすことで食費を大きく削減できます。
・週に一度のまとめ買い: 無駄買いを防ぎ、計画的に食材を使い切る習慣をつけましょう。
・節約レシピの活用: 安価な食材を使ったレシピを取り入れる。
交通費:
・徒歩や自転車の活用: 近距離移動は徒歩や自転車に切り替える。
・定期券の見直し: 働き方に応じて定期券の区間や種類を見直す。
娯楽費・交際費:
・予算を決める: 毎月使える上限額を設定し、使いすぎを防ぎます。
・クーポンや割引の活用: 映画やレジャー、飲食などでクーポンを積極的に利用しましょう。
・自宅での楽しみを見つける: お金のかからない趣味や過ごし方を見つける。
ステップ3:節約で浮いたお金をiDeCoに回す「先取り投資」の習慣化
家計の見直しで浮いたお金は、目的なく使ってしまっては意味がありません。iDeCoの掛金に回すための仕組みを作り、「先取り投資」を習慣化しましょう。
自動積立を活用する
・給料日に自動で引落とし: 節約で浮いたお金をiDeCoの毎月の自動積立額に上乗せして設定しましょう。給料日に自動で引き落とされるように設定すれば、手元にお金が残る前に投資に回せるため、無駄遣いを防げます。
・一度設定すれば手間なし: 一度設定してしまえば、あとは自動でiDeCoの積立が進んでいくため、忙しい方でも手間なく継続できます。
ボーナス設定も活用する
夏や冬のボーナスなど、まとまった収入があった月に、通常の積立額に加えて追加でiDeCoに拠出する「ボーナス設定」ができる金融機関もあります。これにより、年間掛金上限額を効率的に使い切ることも可能です。
「見える化」でモチベーションを維持する
・節約額をiDeCoに直結させる: 毎月いくら節約できたかを把握し、その分をiDeCoの積立に回せたことを実感すると、モチベーションが維持しやすくなります。
・iDeCoの運用実績を確認する: 定期的にiDeCoの運用実績(評価額や損益)を確認し、資産が増えていく過程を実感することで、節約や積立継続のモチベーションが高まります。
夫婦で協力する家計改善のヒント

家族がいる場合、夫婦や家族で協力して家計改善に取り組むことで、より大きな効果が期待できます。
1.家計の目標を共有する: iDeCoでの老後資金準備や、節約で浮いたお金で何をしたいのか(旅行、貯蓄など)という目標を夫婦で共有しましょう。共通の目標があれば、協力しやすくなります。
2.役割分担を決める: 「夫は通信費と保険の見直し、妻は食費とサブスクの見直し」など、それぞれ得意な分野や負担が少ない範囲で役割分担を決めると、スムーズに進みます。
3.定期的に話し合う機会を設ける: 月に一度など、定期的に家計の状況やiDeCoの積立状況について話し合う機会を設けましょう。お互いの頑張りを認め合い、改善点があれば建設的に話し合うことが大切です。
4.互いの支出を尊重する: 節約は大切ですが、お互いの価値観を尊重し、趣味や楽しみを完全に制限しないようにしましょう。無理な節約はストレスにつながり、長続きしません。
まとめ:iDeCo掛金捻出は「家計改善」のチャンス!
iDeCoの掛金捻出は、家計に余裕を生み出し、資産形成を加速させるための絶好の機会です。
・まず、家計を「見える化」し、特に「固定費」を徹底的に見直しましょう。
・節約で浮いたお金は、目的意識を持ってiDeCoへ「先取り投資」する習慣をつけましょう。
・夫婦や家族がいる場合は、協力し合うことで、より大きな効果が期待できます。
無理のない範囲でこれらの家計改善術を実践し、iDeCoの強力な税制メリットを最大限に活用することで、あなたの老後資金を確実に形成し、将来の安心を築いていきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。