iDeCo
iDeCoで投資信託を選ぶなら「バランス型ファンド」がおすすめ?

iDeCo(個人型確定拠出年金)で老後資金を効率的に増やすには、複数の資産に分散投資することが重要です。しかし、複数の投資信託を組み合わせてポートフォリオを組んだり、定期的に見直したりする手間を避けたいと考える方もいるかもしれません。そんな方にとって魅力的なのが、「バランス型ファンド」です。
この記事では、iDeCoの運用商品としてバランス型ファンドを選ぶべきかについて解説します。バランス型ファンドのメリット(自動リバランス、分散投資)、iDeCoの運用商品としての適性、そして株式比率、地域分散、信託報酬といった比較ポイントまで。あなたのiDeCo運用をよりシンプルに、そして着実に進めるためのヒントを提案します。
バランス型ファンドのメリット:iDeCo運用をシンプルに

バランス型ファンドとは、株式、債券、不動産(REIT)など、複数の異なる資産クラスをあらかじめ組み合わせて運用してくれる投資信託です。このファンド一つを選ぶだけで、自動的に分散投資が実現します。
手間いらずの「自動リバランス」
・リバランスとは?:
ポートフォリオは、時間の経過とともに値上がりした資産の割合が増え、当初設定した資産配分が崩れていくことがあります。このバランスを元に戻す作業を「リバランス」と呼びます。
・自動リバランスの仕組み:
バランス型ファンドの多くは、このリバランスをファンド側が自動で行ってくれます。これにより、あなたが市場の動向を常にチェックしたり、売買をしたりする手間を省くことができます。
投資の基本「分散投資」を手軽に実現
・複数の資産クラスに分散:
バランス型ファンドは、株式や債券、国内外の不動産など、異なる値動きをする複数の資産に分散投資します。これにより、特定の資産が不調な時でも、他の資産がカバーする効果が期待でき、ポートフォリオ全体のリスクを抑えられます。
・地域分散も可能:
ファンドによっては、国内資産だけでなく、先進国や新興国の資産にも分散投資しているため、地域分散の効果も得られます。
iDeCoの運用商品としての適性

バランス型ファンドは、iDeCoの運用商品として非常に高い適性を持っています。
長期運用で真価を発揮
iDeCoは原則60歳まで引き出せない長期運用が前提です。バランス型ファンドは、短期的な市場の変動を乗り越えて、時間をかけてじっくりと資産を育てる運用に適しています。
初心者でも安心して始めやすい
自分で複数の運用商品を選んだり、資産配分を考えたりする知識や手間がなくても、バランス型ファンド一つを選ぶだけで、分散投資されたポートフォリオを構築できます。これは、iDeCoをこれから始める初心者の方にとって大きなメリットです。
運用コストに注意
バランス型ファンドは複数の資産を組み込んでいるため、一般的に、特定の指数に連動する単一のインデックスファンドよりも、わずかに信託報酬(運用コスト)が高い傾向にあります。ただし、自分で複数の投資信託を組み合わせてリバランスを行う手間を考えると、バランス型ファンドのコストは十分に許容できる範囲であると言えます。
バランス型ファンドの比較ポイント

バランス型ファンドは、商品によって資産配分や特徴が異なります。以下のポイントを比較して、あなたに最適なファンドを選びましょう。
株式比率:リスク許容度とリターンを左右する
株式比率が高いファンド:
・特徴: リスクは高いですが、その分高いリターンが期待できます。
・向いている人: 老後まで期間が長く、リスクを積極的に取れる20代・30代の方。
株式比率が低いファンド:
・特徴: リスクは低いですが、リターンも穏やかになります。
・向いている人: 老後まで期間が短く、元本割れを避けたい50代の方や、リスクを極力避けたい初心者の方。
ターゲットイヤー型ファンド:
投資家の年齢が上がるにつれて自動的に株式比率を下げてくれるファンドもあります。これは、年齢に応じた資産配分の見直しを自動で行ってくれるため、手間をかけたくない方におすすめです。
地域分散:投資先は「全世界」か「日本」か
全世界に分散するファンド:
・特徴: 国内だけでなく、先進国や新興国の株式・債券にも広く分散投資します。
・メリット: 世界全体の経済成長を取り込むことが期待でき、特定の国に依存するリスクを軽減できます。
国内に特化したファンド:
・特徴: 日本国内の株式や債券のみに投資します。
・メリット: 為替リスクの影響を受けません。
・注意点: 国内経済の動向に大きく影響されるため、国際分散ができないリスクがあります。
信託報酬:長期運用ではコストの低さが重要
信託報酬(運用コスト)の確認:
・似たような資産配分や投資対象のファンドであれば、信託報酬が低いファンドを選びましょう。
・iDeCoは長期運用なので、わずかな信託報酬の差が、最終的な資産額に大きな差を生みます。
まとめ:バランス型ファンドでiDeCo運用をシンプルに、そして着実に
バランス型ファンドは、iDeCoの運用において、「手間をかけずに分散投資を行いたい」、「リスクとリターンのバランスを取りたい」と考える方にとって、非常に有効な選択肢です。
・自動リバランスと手軽な分散投資というメリットがあります。
・株式比率、地域分散、信託報酬を比較し、ご自身に最適なファンドを選びましょう。
・長期運用が前提のiDeCoと相性が良く、初心者でも安心して老後資金準備を始められます。
バランス型ファンドを賢く活用し、あなたのiDeCo運用をよりシンプルに、そして着実に進めていきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。