火災保険
知らないと損!「気軽に加入できる保険」で損しないための賢い選び方

自動車保険や火災保険も、ディーラーやガソリンスタンド、カー用品店などで申し込みができるようになりました。
さらに、LINEなどのSNSを通じても、月額数百円といった低価格で手軽に加入できる保険が多数登場しています。
これにより、気軽に「もしも」に備えられるようになった一方で、知らず知らずのうちに「無駄」や「不足」といった落とし穴にはまってしまうケースも増えています。
意外と知らない!?保険の「重複」で損をするケース

「万が一のことがあったら、保険金がダブルでもらえるんでしょ!?」
実は、これは大きな誤解です。保険の種類によっては、重複加入が文字通り「無駄」になってしまうことがあります。
生命保険はダブルでもらえるけれど、損害保険はもらえない!
ここが最も重要なポイントです。生命保険は、複数の保険に加入していれば、それぞれから保険金を受け取ることができます。しかし、損害保険は、実際の損害額を補填する目的の保険なので、たとえ複数の保険に加入していても、受け取れる保険金の総額は実際の損害額までです。
たとえば、火災で家屋が2,000万円の損害を受けた場合、2,000万円の火災保険に2つ加入していても、受け取れるのは合計で2,000万円までです。
もし誤って重複して受け取ってしまった場合は、後で判明した際に返還を求められます。つまり、損害保険の重複は、支払う保険料がただ無駄になるだけなのです。
最たる例は自転車保険です。すでに加入している火災保険や自動車保険の特約で個人賠償責任保険が付帯しているのに、別途自転車保険に加入してしまい、補償が重複しているケースが散見されます。
「重複」で無駄にするなら、賢い選択肢も!
もし、現在の保険でカバーできそうなリスクに対して、さらに月数百円の保険を検討しているのであれば、一度立ち止まって考えてみましょう。
無駄な保険料を払い続けるくらいなら、その数百円を少しリスクのある運用商品にコツコツ積み立てる方が、将来的にはるかに大きなメリットを得られる可能性があります。
特に要注意!火災保険で「まさかの補償不足」に陥るケース

火災保険は「家が火事になったときの保険」と思われがちですが、その実態は大きく異なります。
補償内容をしっかりと精査せずに加入すると、肝心な時に補償が受けられないという事態になりかねません。
火事だけじゃない!火災保険の「本当」の役割
実は、建物が全焼するような火災は非常に稀なケースです。実際に保険金が給付される事例として多いのは、凍結による水漏れや、強風で物が飛んできて建物に損害を与えるケースなどです。
にもかかわらず、「とりあえず火事の時だけ補償されればいい」と考えて加入し、必要な補償が欠けているケースが後を絶ちません。
例えば、水害が多い地域にもかかわらず、水害の補償を対象外にしているといった安易な自己判断は非常に危険です。
賃貸アパートの火災保険はココが重要!「借家人賠償責任保険」の落とし穴
賃貸アパートに住む人が加入する火災保険には、特に注意が必要です。
自分で見直して保険料を安くしたつもりが、最も重要な「借家人賠償責任保険」に加入し忘れてしまうケースが散見されます。
賃貸アパートの保険の本来の主要な目的は、入居者自身の家財を補償することよりも、むしろ「借りている部屋に損害を与えてしまった際に、大家さんに対して負う賠償責任」をカバーすることにあります。
大家さんが火災保険への加入を強く求めるのは、この「借家人賠償責任」の部分が重要だからなのです。
この補償をなくして保険料が安くなったと喜んでいる場合ではありません。
もしこの補償のない火災保険に加入していることが大家さんに知られれば、改めて加入を促されたり、場合によっては怒られて退去を求められる可能性もあります。
まとめ:保険選びは「自己責任」!後悔しないための賢いチェックポイント
インターネットやSNSなどを通じて気軽に保険に加入できるようになったことは、確かに利便性が向上しました。
しかし、その手軽さゆえに、内容を熟知しないまま加入してしまうと、既存の保険との重複で保険料が無駄になったり、肝心な補償が足りないといった事態を招く可能性があります。
保険は、万が一の事態に備えるための大切なものです。後悔しないためにも、加入前には必ず以下の点をチェックしましょう。
・既存の保険契約との補償内容の重複がないか
・自分のライフスタイルやリスクに合わせた必要な補償が網羅されているか
・保険契約の内容(特に支払い条件や免責事項)をしっかり理解しているか
お金に関する相談はファイナンシャルプランナーの金子賢司まで。日本FP協会の「CFP®認定者検索システム」、またはJ-FLEC(金融経済教育推進機構)のサイトの、J-FLEC認定アドバイザー検索で検索することも可能です。北海道エリアに絞って検索していただくと容易に検索できます。