自動車保険
車両盗難された時の保険活用ガイド|盗難時の補償内容と正しい手続き方法

車両盗難は突然発生しうるリスクです。この記事では、盗難直後の初期対応、補償の可否、支払基準(車両保険金額)を整理し、泣き寝入りを避けるための実務フローを解説します。
車両盗難された時の正しい対処法|初期対応の3つのステップ

初動は捜査と保険金請求の双方に直結します。以下の3つのステップを速やかに実行しましょう。
・ステップ1:警察へ連絡する
まず盗難届を提出し、受理番号を取得します。受理番号は保険金請求に必須です。
・ステップ2:保険会社へ連絡する
受理番号と盗難状況を伝え、契約内容に基づく補償の可否や必要書類を確認します。
・ステップ3:証拠を確保する
車検証や鍵の保管状況、駐車場所、ドライブレコーダー映像など、当時の状況を記録します。
車両盗難で保険金が出るケースと出ないケース

補償を受けられるのは、車両保険に盗難補償が含まれ、かつ警察へ盗難届を提出している場合です。契約に免責金額が設定されていると、その分が差し引かれます。以下は支払対象外となり得る例です。
・鍵のつけっぱなし等の重大な過失が認められる場合
・契約に盗難補償が付帯していない場合
車両盗難で受け取れる保険金の仕組み

盗難は原則全損扱いとなり、支払の基準は契約時に設定した車両保険金額(協定保険価額)です。修理不能・未発見など全損に該当すれば、車両保険金額(から免責金額を差引)を限度に支払われます。
なお、車両保険金額は型式や登録年月に応じて選べる範囲が決まっており、年数の経過に伴い見直されます。発見され修理可能な場合は、修理費用が支払限度(車両保険金額)内で補償されます。
車両盗難件数の最新データと推移

最新の公的統計では、2023年の自動車盗の認知件数は5,762件(2022年5,734件、+28件)で「微増」。2024年は6,080件(前年比+318件)と増加しています。都道府県別では2024年は愛知・埼玉・千葉・茨城・神奈川が上位です。
なお、近年は鍵を使用しない盗難手口(リレーアタック等)が増加傾向にあり、従来型盗難と比べても割合が高まっています。
出典:警察庁(2025年3月公表資料)/警察庁(2024年3月公表資料)
日常的にできる車両盗難防止策

被害を減らす鍵は「狙われにくい環境づくり」です。複数の対策を重層化しましょう。
・ハンドルロック/タイヤロックなど物理対策を併用する
・夜間は明るい場所や監視カメラのある駐車場に駐車する
・施錠・窓閉めを声出し確認で習慣化する
・GPS追跡装置を装着し、発見可能性を高める
・スマートキーは電波遮断ケースで保管し、リレーアタックを防止する
まとめ|車両盗難の備えと初期対応のポイント
被害に遭ったら、盗難届の提出と受理番号の確保、保険会社への速やかな連絡、状況証拠の保存が鉄則です。平時から車両保険金額と補償範囲・免責を確認し、防犯対策を重ねて備えましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。