生命保険
終身保険のメリット・デメリット徹底比較!貯蓄型保険の賢い活用術

終身保険は、万が一の事態に備えながら、解約した際に「解約返戻金」というまとまったお金が戻ってくる、貯蓄性も兼ね備えた生命保険です。一生涯の安心を得られる一方で、保険料の高さなど、定期保険とは異なる特徴があります。
この記事では、終身保険の基本的な仕組みから、貯蓄性があることのメリット・デメリットを詳しく解説します。そして、定期保険との徹底比較を通じて、終身保険がどのような目的で活用できるのか、その賢い活用術を提案します。
終身保険の仕組み:一生涯の保障と解約返戻金

終身保険とは、「保障が一生涯続く」生命保険です。いつ亡くなっても保険金が支払われるため、葬儀費用や遺族の生活費など、老後のリスクに備えることができます。
貯蓄性がある「解約返戻金」
・解約返戻金とは: 終身保険は、途中で解約した際に、それまでの払込保険料に応じてまとまったお金が戻ってくる「解約返戻金」があります。
・貯蓄機能: 払込期間を終えれば、解約返戻金が払込保険料の総額を上回る商品が多いですが、商品設計や契約条件、経済情勢によっては必ずしも上回るとは限らない点に注意が必要です。これにより、終身保険は保障機能だけでなく、老後資金や教育資金などの貯蓄手段としても活用できます。
終身保険の主な特徴
・保障期間: 一生涯
・保険料: 円建ての一般的な終身保険であれば、契約時の保険料が一生涯変わりません。ただし、外貨建て終身保険では為替変動により円換算での保険料が変動する場合があります。
・解約返戻金: ある
終身保険のメリット・デメリットを定期保険と比較

終身保険の特徴を、保険料が安価な「定期保険」と比較することで、それぞれの強みと弱みがより明確になります。
終身保険のメリット
1.一生涯の安心: 死亡保障が一生涯続くため、何歳で亡くなっても保険金が支払われます。
2.保険料が一定: 契約時の保険料が一生涯変わらないため、老後の家計が苦しくなっても、保険料の負担が急に増える心配がありません。
3.貯蓄性がある: 解約返戻金や、満期保険金(養老保険の場合)があるため、保障を確保しながら資産形成も行えます。
終身保険のデメリット
1.保険料が割高: 定期保険に比べて、保険料が2倍〜3倍になるなど、月々の負担が大きくなります。
2.短期間の解約は損: 払込期間中に解約すると、解約返戻金が払込保険料の総額を下回り、元本割れする可能性が高くなります。
3.インフレリスク: 支払う保険料や将来の保険金額が固定されるため、物価が上昇するインフレが進むと、保険金の価値が実質的に目減りするリスクがあります。
終身保険の賢い活用事例

終身保険は、その貯蓄性と一生涯保障という特性を活かし、様々な目的で活用できます。
死亡保障として活用
葬儀費用や老後の生活費: 保障額を少額に設定し、葬儀費用など、老後に必要となる資金を確保します。
貯蓄・資産形成として活用
教育資金: 子どもの教育資金が必要な時期に合わせて解約することで、解約返戻金を教育資金に充てられます。
老後資金: 払い込みを終え、解約返戻金が払込保険料を上回る時期(一般的に60歳以降)に解約することで、老後資金として活用できます。
iDeCoやNISAとの運用効率の違い:
・終身保険: 契約時に決められた予定利率(近年は低水準)で運用されるため、リターンが安定している反面、iDeCoやNISAといった自分で運用商品を選べる制度に比べて、運用効率は低い場合があります。
・iDeCo/NISA: 投資信託などで運用するため、元本割れのリスクがある一方で、市場の成長とともに大きなリターンが期待できます。また、iDeCoは掛金が所得控除になるなど、税制優遇の質が異なります。(生命保険料控除は年間控除額に上限があり、保険料全額が控除対象にならない場合があります。)
相続対策として活用
・非課税枠を活用: 終身保険は、死亡保険金に「500万円 × 法定相続人の数」という相続税の非課税枠が適用されます。
・納税資金の準備: 遺された家族が相続税を現金で納付できるよう、保険金で納税資金を準備します。
まとめ:終身保険は「保障」と「貯蓄」を賢く両立する
終身保険は、一生涯の保障と貯蓄性という、定期保険にはない大きなメリットを持っています。
・一生涯の安心を得られる一方で、保険料が割高になるというデメリットも理解しましょう。
・死亡保障、貯蓄、相続対策など、ご自身の目的を明確にし、賢く活用しましょう。
・終身保険は途中で解約すると損をするリスクがあるため、長期で継続できる保険料設定にすることが大切です。
この記事を参考に、終身保険を賢く活用し、あなたのライフプランに合わせた最適な備えをしていきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。