生命保険
生命保険の「特定疾病保障」:三大疾病以外も備える

「がん、心筋梗塞、脳卒中以外にも、備えておくべき病気ってある?」
生命保険や医療保険を検討する際、「特定疾病(とくていしっぺい)保障」という言葉を目にすることがあります。これは、保険会社が定める特定の病気にかかった場合に備えるための保障で、一般的に「がん」「心疾患」「脳血管疾患」といった三大疾病が主な対象となります。しかし、特定疾病の範囲はそれだけにとどまらず、その他の生活習慣病などにも備えることができる商品もあります。
この記事では、生命保険の特定疾病保障の定義と、保障の範囲を解説します。そして、特定疾病保障保険と特約の違いを比較し、どんな人が加入すべきかまで。幅広い病気のリスクに備えるための賢い保険選びのヒントを提案します。
特定疾病(三大疾病、生活習慣病など)の定義

特定疾病保障は、保険会社が定める特定の病気にかかった場合に、一時金や年金として保険金が支払われる保障です。具体的な病気の定義は、保険会社や商品によって異なります。
三大疾病の定義
三大疾病とは、日本人の死因の上位を占める「がん」「心疾患(急性心筋梗塞を含む)」「脳血管疾患(脳卒中を含む)」の3つの病気の総称です。
保障内容:
・がん: がんと診断された場合に給付金が支払われます。
・心疾患・脳血管疾患: これらの病気で入院したり、手術を受けたり、一定期間後遺症が残ったりした場合に給付金が支払われます。
注意点:
診断や給付の条件は、保険会社や商品によって異なります。
特定疾病保障の範囲(生活習慣病など)
三大疾病以外にも、特定疾病保障の対象となる病気は多岐にわたります。
・七大生活習慣病:
三大疾病に加えて、「高血圧性疾患」「糖尿病」「肝疾患(肝硬変を含む)」「腎疾患(慢性腎不全を含む)」の4つを含めた7つの病気です。
・八大疾病:
七大生活習慣病に「慢性膵炎」を加えた8つの病気です。ただし、保険会社によって対象疾病の範囲が異なる場合があります。
これらの保障を付加することで、がんだけでなく、より幅広い病気のリスクに備えることができます。
特定疾病保障保険と特約の違い

特定疾病への備え方には、主に「特約で付加」と「単体で保険を契約」の2つの方法があります。
特定疾病保障保険(単体で契約)
仕組み:
がん保険のように、特定疾病の保障に特化した保険を単体で契約する方法です。
メリット:
・保障内容が充実: 特定の病気に特化した、きめ細やかな保障内容を選べます。
・自由度が高い: 主契約の生命保険とは独立しているため、特定疾病保障保険だけを解約したり、見直したりできます。
デメリット:
・手続きの手間: 生命保険とは別に、新たな契約手続きが必要です。
・保険料が割高: 単体で契約するため、保険料が高くなる傾向があります。
特定疾病保障特約(特約として付加)
仕組み:
生命保険や医療保険の主契約に、特定疾病の保障を付加する方法です。
メリット:
・手続きが簡単: 主契約とまとめて契約できるため、手続きの手間が省けます。
・保険料が割安: 単体で契約するよりも、保険料が割安になる場合があります。
デメリット:
・保障内容が限定的: 単体で契約する特定疾病保障保険に比べて、保障内容がシンプルで、細かいニーズに対応できない場合があります。
・主契約に連動: 主契約の生命保険を解約すると、特定疾病保障特約も同時に消滅します。
どんな人が特定疾病保障に加入すべきか?

特定疾病保障は、以下のニーズを持つ方に特に加入をおすすめします。
1.三大疾病リスクに備えたい人:
日本人の死因の上位を占める三大疾病は、治療が長期化・高額化する傾向があります。医療保険だけでは賄いきれない費用に備えるために、必要性が高いです。
2.がんと診断された時の収入減に備えたい人:
がんの治療中は、仕事を休む必要があるため、収入が途絶えるリスクがあります。診断一時金があれば、その間の生活費や、治療費に充当できます。
3.より幅広い病気リスクに備えたい人:
三大疾病だけでなく、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクも考慮したい場合は、保障内容の広い特定疾病保障を検討しましょう。
4.貯蓄を減らしたくない人:
病気やケガで治療費がかかっても、貯蓄を切り崩さずに済むようにしたい人におすすめです。
まとめ:特定疾病保障は「目的」と「バランス」で選ぶ
生命保険の特定疾病保障は、三大疾病だけでなく、より幅広い病気のリスクに備えるための重要な保障です。
・特定疾病保障保険(単体)と特約で付加する方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
・ご自身の健康状態や、保障が必要な期間、保険料と保障内容のバランスを考えて、最適な選択をしましょう。
・特定疾病保障は、万が一の事態に備えるだけでなく、安心して日々の生活を送るための「心の安心」にもつながります。
この記事を参考に、あなたに最適な特定疾病保障を選び、安心して日々の生活を送りましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。