医療保険
新社会人向け医療保険の選び方|知っておきたい公的医療保険との違い

社会人になって初めて自分の収入を得るようになると、家計管理や将来の備えを考える機会が増えます。中でも「医療保険」は、万が一の病気やケガに備える上で重要な選択肢です。しかし、会社員は公的な健康保険に加入しているため、民間医療保険の必要性について迷ってしまう方もいるでしょう。
この記事では、新社会人向けの医療保険の選び方を解説します。公的医療保険の基礎知識を改めて確認し、若いうちの医療費リスクを明確に。そして、新社会人におすすめの保険タイプや選び方まで。新社会人ならではの視点から、賢い医療保険戦略を提案します。
新社会人の医療保険加入率と公的医療保険の基礎知識

まず、新社会人の医療保険加入状況を確認し、公的医療保険について改めておさらいしましょう。
新社会人の医療保険加入率
生命保険文化センターの2022年度調査によると、20代の生命保険加入率は男性46.4%、女性57.1%となっています。
公益財団法人 生命保険文化センター 生命保険に加入している人はどれくらい?
公的医療保険の基礎知識

会社の健康保険:
・会社員は、勤務先の健康保険(健康保険組合や協会けんぽ)に加入します。
・医療費の自己負担割合は、原則3割です。
高額療養費制度:
・ひと月に支払った医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。
・これにより、高額な医療費の負担は軽減されます。
高額療養費制度については、以下の記事も参考にしてください。
生命保険の「高額医療費」への備え:公的医療保険の限界
公的医療保険と民間の医療保険については、以下の記事が参考になります。
公的医療保険と民間医療保険の違いは?賢く備えるポイント
若いうちの医療費リスクと民間医療保険の役割

公的医療保険は非常に心強い制度ですが、若いうちの医療費リスクはそれだけではカバーできない部分があります。
医療費自己負担額と貯金の枯渇リスク
公的医療保険の対象外費用:
差額ベッド代(個室代)や先進医療の技術料は、公的医療保険の対象外です。
入院中の食事代:
入院中の食事代は、公的医療保険が大部分を負担し、2025年4月1日からは1食あたり510円程度の標準負担額のみが自己負担となります。
貯金の枯渇リスク:
新社会人は、まだ十分な貯蓄がない場合が多いです。万が一、長期入院や高額な治療が必要になった場合、貯金が尽きてしまい、生活に困窮してしまうリスクがあります。
病気による収入減リスク
収入の途絶:
入院や手術、療養によって仕事を休まなければならない場合、その間の収入が途絶えてしまいます。
医療保険の役割:
医療保険の給付金は、この働けない期間の収入減を補うための、重要な収入源となります。
新社会人におすすめの医療保険タイプと選び方

新社会人におすすめの医療保険は、保険料を抑えつつ、将来も安心できる保障を選ぶことです。
おすすめの保険タイプ:終身医療保険
終身医療保険:
特徴: 契約時の保険料が一生涯変わらないため、若いうちに加入すれば、保険料が安価なまま、一生涯の保障を確保できます。
定期型医療保険:
特徴: 一定期間のみ保障される保険です。
デメリット: 更新時に保険料が上がるため、将来的には家計の負担が大きくなる可能性があります。
医療保険の終身型と定期型の違いについては、以下の記事を参考にしてください。
定期型と終身型、どっちがいい?医療保険の種類と特徴を比較
賢い医療保険の選び方

保障内容の厳選:
入院給付金日額を5,000円など、少額に抑えたり、不要な特約を外したりして、保険料を安くしましょう。
先進医療特約の付加:
公的医療保険の対象外で、数百万円かかる先進医療費に備えるため、先進医療特約は付加を検討しましょう。保険料が安価なため、家計の負担も少ないです。
保険会社の比較:
複数の保険会社のウェブサイトで、保険料の見積もりや比較を行いましょう。
まとめ:新社会人は「早く」「安く」始めて将来に備える
新社会人にとって、医療保険は「まだ早い」ものではありません。
若いうちの加入:
若いうちに医療保険に加入すれば、保険料が安価なまま、一生涯の保障を確保できます。
保障内容の厳選:
保険料を抑えつつ、先進医療特約など、本当に必要な保障だけを確保しましょう。
公的医療保険との違い:
公的医療保険では賄えない費用があることを理解し、民間医療保険で補うという考え方で備えましょう。
新社会人としてのスタートに合わせて、医療保険の必要性を検討し、必要に応じて適切な保障を準備することをおすすめします。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。