資産運用
資産運用の勉強は何から始める?初心者が最短で知識を身につける方法

この記事では、資産運用初心者が効率的に学ぶための具体的なステップと、知っておくべき基礎知識について解説していきます。
資産運用を始める前に知っておくべき大原則

資産運用の学習を始める前に、必ず押さえておきたい原則があります。この原則を理解せずに投資を始めてしまうと、詐欺被害に遭ったり、想定外の損失を被ったりするリスクが高まってしまいます。
「絶対に儲かる」商品は存在しない
「楽して確実に増える」という商品は、この世に存在しません。そのような謳い文句で勧誘してくる業者は、詐欺である可能性を疑うべきでしょう。
金融庁のNISA特設サイトでは、金融商品には「安全性」「収益性」「流動性」の3つの特性があり、3つすべてが優れた金融商品は存在しないと明記されています。高いリターンが期待できる商品には、それに見合ったリスクが伴うものです。
出典:金融庁「資産形成の基本:NISA特設ウェブサイト」
このリスクを取った見返りとして大きな収益を得られる可能性が生まれることを「リスクプレミアム」と呼びます。資産運用においては、リスクとリターンの関係を正しく理解することが第一歩となるでしょう。
無登録業者との取引は危険
金融商品取引業を行うには、金融庁(財務局)への登録が法律で義務付けられています。無登録で金融商品取引業を行うことは違法であり、そうした業者との取引は被害に遭うリスクが高いといえます。
金融庁によると、無登録業者との取引では「預けた資金の出金拒否」「法外な手数料の請求」「突然連絡が取れなくなる」といったトラブルが多発しているとのことです。
投資を検討する際は、その業者が金融庁の登録業者一覧に掲載されているかどうかを必ず確認してください。
出典:金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」
資産運用の勉強は「実践しながら学ぶ」のが効率的

「十分に勉強してから始めよう」という姿勢は大切ですが、実際には少額で実践しながら学んでいく方法が最も効率的といえます。
座学だけでは知識が定着しにくい理由
本やネット記事を読むだけでは、どうしても「他人事」として情報を受け取りがちになります。実際に自分のお金を投じることで初めて、「なぜこの商品は値下がりしたのか」「経済ニュースが相場にどう影響するのか」といった疑問が具体的に浮かび上がってきます。
その疑問を一つずつ調べていく過程で、知識は確実に自分のものになっていくはずです。
少額から始められる投資信託がおすすめ
初心者が資産運用を学ぶ入り口として、投資信託は適した選択肢となります。金融庁の資料によれば、投資信託とは「多くの投資家から集めたお金を様々な資産で運用する仕組みの商品」と定義されています。
投資信託の利点は以下のとおりです。
・専門家が複数の株式や債券に分散投資を行うため、個別銘柄選びの知識がなくても始められる
・証券会社によっては100円から購入できるため、失敗しても生活に支障が出にくい
・投資信託の仕組みを学ぶ過程で、株式や債券といった基礎的な金融商品の知識も自然と身につく
出典:金融庁「資産形成の基本:NISA特設ウェブサイト」
「長期・積立・分散」投資の基本を理解する

資産運用の学習において、最も重要な概念の一つが「長期・積立・分散」投資という考え方です。この3つを組み合わせることで、投資のリスクを抑えながら資産形成を目指せます。
長期投資のメリット
長期投資とは、短期的な売買を繰り返すのではなく、10年、20年といった長い期間にわたって金融商品を保有し続ける方法を指します。
金融庁の資料では、長期投資のメリットとして「複利の効果」が挙げられています。複利とは、投資で得た収益を元本に加えて再投資することで得られる利益のことです。長期間にわたって複利効果を活用すれば、資産が雪だるま式に増えていく可能性があります。
積立投資で購入タイミングの悩みを解消
積立投資とは、「あらかじめ決まった金額」を「定期的に」投資する方法を意味します。
価格が高いときには少ない口数を、価格が安いときには多い口数を購入することになるため、結果として平均購入単価を抑える効果が期待できるのです。この手法は「ドル・コスト平均法」とも呼ばれています。
また、購入のタイミングを自動化できるため、「いつ買えばいいのか」という悩みから解放される点もメリットとして挙げられるでしょう。
分散投資でリスクを軽減する
分散投資は、値動きの異なる複数の資産(国内外の株式、債券、不動産など)に投資することで、価格変動のリスクを抑える手法となります。
投資の世界には「1つのカゴに卵を盛るな」という格言があります。すべての卵を1つのカゴに入れておくと、そのカゴを落としたときに全部割れてしまう可能性がある一方、複数のカゴに分けておけば被害を最小限に抑えられるという考え方です。
出典:金融庁「資産形成の基本:NISA特設ウェブサイト」
企業型確定拠出年金(DC)を活用した学習

勤務先に企業型確定拠出年金(DC)が導入されている場合、この制度は資産運用を学ぶ絶好の機会となるでしょう。
DCが学習環境として優れている理由
企業型DCでは、加入者専用のウェブサイトが用意されており、eラーニングやマニュアル、運用商品の解説などが充実しています。これらの教材は、金融機関が投資初心者向けに作成したものであり、基礎から体系的に学べる内容になっている場合がほとんどです。
さらに、DCでは掛金が事業主によって拠出されるケースも多く、自分の懐を痛めずに投資の実践経験を積めるという利点もあります。制度の仕組みを調べる過程で、税制優遇や運用商品の選び方といった知識も自然と身についていくはずです。
経済ニュースで「世の中の動き」を把握する

資産運用を始めたら、経済ニュースを定期的にチェックする習慣をつけることをおすすめします。
なぜ経済ニュースが重要なのか
金融商品の価格は、経済情勢や政治動向、企業業績など、さまざまな要因によって変動します。日々の経済ニュースを追うことで、これらの要因がどのように市場に影響を与えるのかという「経済のストーリー」が見えてくるようになります。
例えば「日経平均が大幅下落」というニュースを見たとき、それが一時的な調整なのか、大きなトレンド転換の兆候なのかを判断できるようになれば、投資判断の精度も高まっていくでしょう。
初心者におすすめの情報源
経済情報を得るためのおすすめの情報源として、以下が挙げられます。
・日本経済新聞:経済・金融に関する幅広い情報を網羅
・ワールドビジネスサテライト(テレビ東京系列):夜のニュース番組で、その日の経済動向を解説
・モーニングサテライト(テレビ東京系列):朝の番組で、海外市場の動きや当日の注目点を把握できる
最初は専門用語が多くて理解しにくいかもしれませんが、1年ほど継続して視聴すれば、経済の流れがつかめるようになり、むしろ楽しく感じられるようになるものです。
身近な企業への興味から投資を学ぶ

資産運用を学ぶ別のアプローチとして、「自分が興味のある企業の株式を保有してみる」という方法もあります。
身近な企業から始めるメリット
普段利用している飲食店やスーパー、あるいは自分が働いている業界の企業など、身近な存在であれば、その企業のビジネスモデルや競合状況について一般の方よりも理解があるはずです。
こうした企業の株式を保有すると、決算発表や新商品のリリース、CMなどに対するアンテナが自然と高くなります。その過程で、企業分析や業界動向の見方といった知識が身についていくでしょう。
資産運用の勉強で押さえるべきポイントまとめ
資産運用を学び始める際の要点を整理します。
1.「絶対に儲かる」は存在しないことを理解する
甘い話には必ず裏があります。金融商品を勧められた際は、その業者が金融庁の登録を受けているかどうか、必ず確認してください。
2.少額から投資信託の積立投資を始める
実践を通じて学ぶのが最も効率的な方法となります。わからない用語や仕組みは、その都度調べていけば知識が定着していきます。
3.「長期・積立・分散」の原則を身につける
この3つの考え方は資産形成の基本です。焦らず、時間を味方につけた運用を心がけましょう。
4.経済ニュースを日常的にチェックする
継続することで、経済の動きが「ストーリー」として見えるようになります。日経新聞や経済テレビ番組を習慣化することをおすすめします。
5.興味のある企業から投資を学ぶのも有効
身近な企業の株式を保有することで、経済や投資への関心が自然と広がっていくでしょう。
資産運用は、一度にすべてを理解しようとする必要はありません。少しずつ知識を積み重ね、実践経験を通じて学んでいくことが成功への近道となります。焦らず、ご自身のペースで取り組んでみてください。
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