資産運用
資産運用の勉強は何から始める?【初心者向け】失敗しない基礎知識と始め方

このように悩んでいる方は多いのではないでしょうか? 資産運用は「お金の置き場所を自分で決めること」であり、預貯金や保険もその一部です。しかし、一般的には「投資」を指すことが多く、元本割れのリスクを伴うからこそ、事前にしっかりとした知識を身につけることが重要になります。
大前提:楽して増える「絶対」はありません

まず心に留めておいていただきたいのは、「楽して増え続ける商品」は絶対に存在しないということです。
運用商品の利回りは、それ相応の損失を被る可能性と表裏一体です。資産運用は、その価値の変動リスクを承知の上でお金を投じることで、そのリスクを取った見返りとして大きな収益を得るチャンスが生まれます。これをリスクプレミアムと言います。
つまり、資産を減らしてしまう可能性もあるからこそ、しっかりと勉強してからスタートしたいですよね。
資産運用は「実践しながら学ぶ」のが最適解

「勉強してから始める」という気持ちはとても大切ですが、私は「走りながら考える」、つまり実践しながら学んでいくのが一番効率的だと考えています。
まずは、ネット証券などで少額(100円や500円など)から積立投資を始めてみることをおすすめします。
なぜ「実践しながら」が良いのか?
漠然と本を読んだり情報収集をするだけでは、なかなか知識は定着しにくいものです。実際に投資を始めてみれば、わからないことが具体的に見えてきます。その「わからない」を一つずつ調べていく過程で、知識は格段に身につきます。
初めての資産運用におすすめは「投資信託」
「どんな商品を選べばいいか、とっかかりさえわからない…」という方には、まず投資信託からスタートするのが良いでしょう。
投資信託は、プロが複数の株式や債券などに分散して投資してくれるため、初心者でも比較的リスクを抑えて始めやすい商品です。投資信託について学ぶ中で、自然と株式や債券といった基本的な金融商品の知識も身についていきます。
企業型確定拠出年金(DC)も活用しよう

もしお勤めの会社に「企業型確定拠出年金(DC)」が導入されているのであれば、ぜひこの制度について詳しく調べてみてください。確定拠出年金専用のサイトでは、eラーニングやマニュアル、運用商品の仕組みなどが用意されており、運用をスタートするには非常に恵まれた環境です。
この制度を最大限に活用しない手はありません。
投資商品の種類は「最初は絞る」のが吉

「株や金、その他にも色々な運用商品があるのでは?」
はい、おっしゃる通りです。しかし、最初から株式、金、銀、原油など、あまりにも多くの種類に手を出してしまうと、結局難しく感じて挫折してしまう可能性が高まります。
まずは投資信託をきっかけに、「何が投資信託の値段(基準価額)に影響を与えるのか」といった基本をじっくりと身につけていくことをおすすめします。
日経新聞と経済番組で「世の中の動き」を掴む
資産運用を始めたら、ぜひ日経新聞と経済のテレビ番組を欠かさずにチェックする習慣をつけましょう。
最初は専門用語ばかりで理解できないかもしれませんが、長く見続けることで、経済情勢には必ずストーリーがあることに気づきます。
例えば、ヤフーニュースなどで「日経平均600円下落!景気減速懸念か!」といった見出しを見た時、普段から経済の流れを追っていれば、それが一時的なものなのか、大きなトレンド転換の兆候なのか、ある程度の判断ができるようになります。
経済の変動は、一見複雑に見えても、様々な金融商品が相互に影響し合っています。日経新聞やテレビ番組(例えば、夜のワールドビジネスサテライトや朝のモーニングサテライト)を1年ほど見続ける習慣を身につければ、大抵の情報は理解できるようになり、やがて経済が面白くてたまらなくなるはずです。
自分の「興味」から投資の世界を広げる

資産運用を始めるもう一つの切り口として、「自分の興味がある企業」の株式を応援する気持ちで保有し、そこから知識を広げていくのも良い方法です。
例えば、よく利用する喫茶店やスーパー、あるいは自分が勤めている業界の企業など、普段から身近な存在であれば、通常の人よりも知識や思い入れがあり、とっかかりやすいでしょう。企業のテレビCMや社会貢献活動などから、その企業の経営方針や社風を感じ取るのも面白いかもしれません。
資産運用の勉強は何から?まとめ

改めて、資産運用を始めるにあたっての勉強ステップをまとめます。
1.「絶対」に安全で儲かる商品はないことを理解する
甘い話には裏がある可能性が高いです。金融商品を勧められた際は、その会社が金融庁の登録を受けているか、販売資格があるかなどを必ず確認しましょう。
2.机上の理論よりも、まずは少額で「投資信託」から積立投資を始める
実践を通じて、わからない言葉や仕組みを一つずつ調べていく方が、効率的に知識が身につきます。
3.日経新聞、経済テレビ番組を日常に取り入れる
特に「ワールドビジネスサテライト」や「モーニングサテライト」は、経済の全体像を把握するのに役立ちます。継続することで、経済の動向が「ストーリー」として見えてきます。
4.自分の興味がある「個別株」から知識を深めるのも面白い
身近な企業や応援したい企業の株を保有することで、企業情報や業界の動向に自然と意識が向き、経済への興味が広がります。
資産運用は、一度にすべてを完璧に理解しようとせず、少しずつ知識を増やし、実践を繰り返すことが成功への近道です。焦らず、ご自身のペースで始めてみましょう。
ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
お金に関する相談はファイナンシャルプランナーの金子賢司まで。日本FP協会の「CFP®認定者検索システム」、またはJ-FLEC(金融経済教育推進機構)のサイトの、J-FLEC認定アドバイザー検索で検索することも可能です。北海道エリアに絞って検索していただくと容易に検索できます。