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NISAで積立投資を続けるコツ!市場の暴落時も慌てないメンタル術

新NISAの非課税メリットを最大限に活かすには、長期的な積立投資を継続することが何よりも重要です。しかし、市場は常に変動し、時には予期せぬ暴落に見舞われることもあります。そんな時、「売却してしまおうか」「積立をやめようか」と不安になり、感情的な判断をしてしまいがちです。
この記事では、NISAで積立投資を成功させるための「継続性」に焦点を当てます。市場変動時にも慌てないための心理的な対応策や、積立投資を途中でやめずに続けるためのモチベーション維持の方法を解説。あなたのNISA運用を、精神的にも安定して続けていくためのヒントを提案します。
なぜ市場の暴落時に「慌てない」ことが重要なのか?

市場の暴落時に慌ててしまうのは、人間の自然な心理です。しかし、そこで感情的な判断を下すことは、長期的な資産形成において致命的な失敗につながることがよくあります。
「安値売り」の回避
市場が暴落した時に売却してしまうのは、文字通り「安値で売る」ことになります。その後市場が回復した場合、本来得られたはずの利益を取りこぼすだけでなく、損失を確定させてしまうことになります。NISAは損益通算ができないため、確定した損失は税制上メリットを生みません。
「ドルコスト平均法」の恩恵を最大限に
積立投資は、毎月定額を投資することで、市場が高い時には少なく、安い時には多く購入する「ドルコスト平均法」の恩恵を受けます。市場が暴落し、株価が安くなった時こそ、同じ金額でより多くの口数(株数)を購入できる「買い場」なのです。ここで積立をやめてしまうと、この最大のチャンスを逃してしまいます。
複利効果の継続
NISAの非課税期間は無期限です。暴落時でも積立を続けることで、非課税で複利効果を享受し続ける期間を途切らせずに済みます。時間を味方につけることの重要性は、投資の基本中の基本です。
市場の暴落時も慌てないための「メンタル術」

感情に流されず、冷静に投資を続けるための具体的なメンタル術をご紹介します。
「なぜ投資をしているのか」目標を再確認する
市場が荒れている時こそ、投資を始めた当初の「目的」を思い出しましょう。
・「老後資金のために〇〇万円貯める」
・「子どもの教育資金を〇〇万円準備する」
短期的な株価の変動ではなく、長期的な目標に目を向けることで、一時的な下落は通過点に過ぎない、と冷静に捉えられます。目標を紙に書いておくなど、いつでも確認できるようにしておきましょう。
過去の暴落と回復の歴史を知る
投資の歴史を振り返ると、市場は過去にも数々の暴落を経験してきました(リーマンショック、ITバブル崩壊、コロナショックなど)。そして、それらの暴落の後には、必ずと言っていいほど時間をかけて回復し、さらに成長してきました。
・「市場は下落しても、やがて回復する」という歴史的な事実を理解しておくことで、一時的な暴落への耐性がつきます。
・暴落のニュースが流れても、「これも歴史の一部だ」と冷静に受け止めることができるようになります。
ニュースや株価アプリを見すぎない
市場が大きく動いている時ほど、不安を煽るようなニュースやSNSの情報が増えがちです。株価アプリを頻繁にチェックすることも、精神的な負担を増やし、感情的な判断を誘発する原因となります。
・情報から距離を置く: 必要以上にネガティブな情報に触れないようにしましょう。
・自分の生活に集中する: 本業や趣味など、日々の生活に意識を向けることで、投資から一時的に離れて冷静さを取り戻せます。
・見る頻度を決める: 毎日見るのをやめ、週に1回、月に1回など、見る頻度を決めておくのも有効です。
「積立を継続する」または「買い増しのチャンス」と捉える
市場が下落している時期は、保有している資産の評価額は下がりますが、同じ金額でより多くの口数(株数)を購入できる「セール期間」でもあります。
・積立を継続: 設定した自動積立はそのまま継続しましょう。これが、安値で仕込む最大のチャンスです。
・余裕があれば「買い増し」: 生活防衛資金を確保した上で、もし手元に余剰資金があれば、追加で投資を行うことも検討できます。これは、将来の大きなリターンに繋がる可能性があります。
積立投資を続けるための「モチベーション維持」の方法

市場の暴落時だけでなく、平常時も積立投資を続けるモチベーションを維持するためのコツです。
成功している人の声に耳を傾ける
投資で成功している人の多くは、市場の暴落時にも積立を継続し、あるいは買い増しをしてきた人たちです。彼らの経験談やアドバイスに触れることで、不安を乗り越えるヒントが得られます。ただし、過度な成功体験談は現実離れしていることもあるので、冷静な視点を持つことも大切です。
定期的に「運用実績」をチェックし、成長を実感する
毎月コツコツ積み立てるだけでは、変化が見えにくく、飽きてしまうこともあるかもしれません。
・年に1回程度、運用実績をチェック: 評価益がどれくらい出ているか、目標にどれくらい近づいているかを確認しましょう。小さな成長を実感することで、モチベーションを維持できます。
・シミュレーションで未来を可視化: 「現在のペースで続ければ、将来いくらになるか」をNISAシミュレーションツールで確認してみましょう。具体的な目標達成への道筋が見えると、やる気が維持されます。
投資を「習慣」にする
歯磨きのように、意識しなくても自然と行える習慣にしてしまえば、モチベーションに左右されにくくなります。
・自動積立を活用: 給料日後に自動的に引き落とされるように設定すれば、手間なく継続できます。
・無理のない金額設定: どんな時でも継続できるよう、生活を圧迫しない金額を設定することが最も重要です。
ライフプラン全体で「保険」や「貯蓄」もバランスよく確保する
投資だけに依存せず、もしもの時のために預貯金や保険でリスクをヘッジしておくことも、精神的な安定につながります。
・生活防衛資金: 投資とは別に、最低でも生活費の3ヶ月~6ヶ月分(できれば1年分)を預貯金として確保しましょう。
・保険の見直し: 医療保険や生命保険などで、病気やケガ、万が一の事態に備えておくことで、「もしもの時も大丈夫」という安心感が生まれ、投資を冷静に続けられます。
まとめ:NISAの積立は「心の安定」が最大のコツ
NISAで積立投資を成功させる最大のコツは、市場の暴落時にも慌てず、冷静に投資を継続できる「心の安定」です。
・目標を明確に持ち、歴史から学ぶ
・情報から距離を置き、感情に流されない
・積立を継続する、あるいは「買い場」と捉える
・無理のない金額設定で、習慣として続ける
これらのメンタル術を実践することで、あなたは市場の波を乗りこなし、NISAの非課税メリットを最大限に活かして、着実に資産を増やしていけるでしょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。