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NISAでインデックス投資 vs アクティブ投資!あなたに合うのはどっち?

「NISAで投資信託を始めたいけど、『インデックスファンド』と『アクティブファンド』ってどう違うの?」「結局、どっちを選べば効率的に資産を増やせるんだろう?」
NISAの「つみたて投資枠」や「成長投資枠」で投資信託を選ぶ際、多くの方が直面する選択がインデックス投資とアクティブ投資のどちらを選ぶかです。どちらも資産を増やすための運用手法ですが、そのアプローチ、コスト、そして期待されるリターンには大きな違いがあります。
この記事では、投資信託の運用手法の違いに焦点を当て、インデックス投資とアクティブ投資のそれぞれのメリット・デメリット、そして選び方を深掘りします。あなたの投資スタイルや目標に合うのはどちらなのか、賢いNISAの銘柄選びに役立つ情報を提供します。
投資信託の2つの運用手法:インデックスとアクティブ

投資信託は、運用手法によって大きく「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に分けられます。
インデックス投資(インデックスファンド)
インデックス投資とは、特定の株価指数(インデックス)に連動した運用成果を目指す手法です。例えば、日経平均株価、S&P500、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)などがインデックスです。
【特徴】
・市場平均を目指す: 指数に組み入れられている銘柄を、その指数と同じ比率で機械的に組み込みます。
・低コスト: 銘柄選定や売買の頻度が少ないため、運用にかかるコスト(信託報酬)が非常に低い傾向にあります。
・分散効果: 指数に連動するため、必然的に多くの銘柄に分散投資されます。
【メリット】
・手数料が安い: 長期運用でこの差は非常に大きくなります。
・初心者でも始めやすい: 銘柄選定に悩む必要がなく、手軽に市場全体へ投資できます。
・市場の長期的な成長を取り込める: 歴史的に見ると、市場全体は長期的に成長する傾向があるため、その恩恵を享受できます。
【デメリット】
・市場平均以上のリターンは狙えない: あくまで市場平均に連動するため、それを大きく上回るリターンは期待できません。
・市場が下落すれば、同じように下落する: 市場全体が不調な時期には、インデックスファンドも同様に値下がりします。
アクティブ投資(アクティブファンド)
アクティブ投資とは、インデックス(市場平均)を上回る運用成果を目指す手法です。ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が、独自の調査や分析に基づき、割安な銘柄を選んだり、成長が期待できる企業に積極的に投資したりします。
【特徴】
・市場平均を超えるリターンを目指す: プロの銘柄選定や投資判断が重要になります。
・比較的高コスト: 専門家の人件費や調査費用がかかるため、運用にかかるコスト(信託報酬)がインデックスファンドよりも高い傾向にあります。
・分散効果はファンドによる: 集中投資を行うファンドもあれば、分散性が高いファンドもあります。
【メリット】
・市場平均を上回るリターンを狙える: プロの運用手腕が光れば、インデックスファンドよりも高いリターンを得られる可能性があります。
・特定のテーマに投資できる: AI、再生可能エネルギーなど、特定の成長テーマに特化したファンドを選べます。
【デメリット】
・手数料が高い: 高い手数料がリターンを圧迫する可能性があります。
・市場平均に劣る場合もある: 実際には、多くのファンドが長期的にインデックスファンドのパフォーマンスを上回ることが難しいというデータもあります。プロの運用でも必ず市場平均を上回るとは限りません。
・ファンド選びが難しい: どのファンドが優れた運用をしてくれるかを見極めるのが難しいです。
NISAでインデックス投資 vs アクティブ投資:徹底比較

NISAでインデックスファンドとアクティブファンドを比較する際のポイントを項目ごとに見ていきましょう。
【目指すリターン】
・インデックスファンドは市場平均に連動することを目指します。
・アクティブファンドは市場平均を超えるリターンを目指します。
【運用コスト】
・インデックスファンドは低コストです(信託報酬0.1%〜0.5%程度が目安)。
・アクティブファンドは比較的高コストです(信託報酬0.5%〜2.0%程度に加え、購入時手数料がかかることもあります)。
【投資判断】
・インデックスファンドは機械的な運用が主です。
・アクティブファンドは専門家(ファンドマネージャー)による判断が重要です。
【向いている人】
・インデックスファンドは投資初心者、手間をかけたくない人、長期で着実に増やしたい人に向いています。
・アクティブファンドは投資経験者、積極的にリターンを狙いたい人、ファンド選びができる人に向いています。
【NISAでの活用枠】
・インデックスファンドは主につみたて投資枠で、成長投資枠でも利用可能です。
・アクティブファンドは主に成長投資枠で利用されますが、一部つみたて投資枠の対象となるものもあります。
【売買頻度】
・インデックスファンドは運用会社内の売買頻度が低い傾向にあります。
・アクティブファンドは運用会社内の売買頻が高い傾向にあります。
あなたに合うのはどっち?NISAでの選び方

あなたの投資スタイルや目標に合うのは、インデックス投資とアクティブ投資のどちらでしょうか。NISA口座での賢い選び方を提案します。
NISAでインデックス投資が向いている人
・投資初心者の方: 何から始めていいか分からない、投資の知識があまりない方でも、手軽に始められます。
・手間をかけずに「ほったらかし」で資産形成したい方: 銘柄選定や市場分析に時間をかけたくない方には最適です。
・コストを徹底的に抑えたい方: 低い信託報酬は、長期運用においてリターンを大きく左右する要因です。
・市場の長期的な成長を信じる方: 過去の歴史が示すように、市場全体は長期的に成長する傾向があると考えている方。
・主に「つみたて投資枠」を活用したい方: つみたて投資枠の対象商品は、基本的にインデックスファンドが中心です。
NISAでアクティブ投資が向いている人
・投資経験が豊富で、特定のファンド選びができる方: ファンドマネージャーの運用実績や哲学を理解し、見極める自信がある方。
・市場平均を上回るリターンを積極的に狙いたい方: 高いリターンを追求するために、ある程度のリスクやコストも許容できる方。
・特定のテーマや戦略に投資したい方: AIやクリーンエネルギーなど、特定の成長産業に特化したファンドに魅力を感じる方。
・主に「成長投資枠」を活用したい方: 成長投資枠では、インデックスファンドだけでなく、様々なアクティブファンドも選択肢に入ってきます。
NISAで賢く使い分ける戦略

新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用できるため、インデックス投資とアクティブ投資を組み合わせることも可能です。
1.「コア・サテライト戦略」で両者を活用:
・コア(核): まず「つみたて投資枠」で、低コストのインデックスファンド(全世界株式やS&P500など)を積み立て、安定的な資産の土台を築きましょう。これがポートフォリオの大部分を占める「コア」です。
・サテライト(衛星): その上で、「成長投資枠」を使い、アクティブファンドや高配当株、個別株など、より積極的なリターンを狙う部分(サテライト)を組み込みましょう。これにより、安定性を保ちつつ、ポートフォリオ全体のリターンを押し上げる可能性を探ることができます。
2.まずはインデックス投資から始める: 投資初心者は、まず「つみたて投資枠」でインデックスファンドの積立投資から始めることをおすすめします。投資に慣れてきて、市場やファンド選びの知識が深まった段階で、アクティブファンドや個別株への投資を検討すると良いでしょう。
まとめ:NISAはあなたの投資スタイルで選べる
NISAでの投資信託選びにおいて、インデックス投資とアクティブ投資はそれぞれ異なる特性を持っています。どちらが良い・悪いというわけではなく、あなたの投資経験、リスク許容度、そして投資目標に合致する方を選ぶことが何よりも重要です。
・インデックス投資: 手間なく、低コストで市場平均のリターンを目指したい方に最適です。
・アクティブ投資: プロの力を借りて市場平均超えを狙いたい、特定のテーマに投資したい方に最適です。
新NISAの柔軟な仕組みを活かし、あなた自身のスタイルに合ったファンドを選び、賢く資産形成を進めていきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。