iDeCo
iDeCoの法改正2025!制度変更のポイントとあなたのiDeCoはどうなる?

「私のiDeCo、今後の変更でどう影響するんだろう…?」
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金準備のための重要な制度ですが、近年、より使いやすく、より多くの人が老後資金を準備できるよう、法改正が頻繁に行われています。特に、2025年以降にも予定されている制度変更は、これからiDeCoを始める方にとっても、すでにiDeCoを運用している方にとっても、非常に重要なポイントとなります。
この記事では、iDeCoに関する最新の法改正情報(2025年以降の主な変更点)を詳しく解説します。これらの制度変更がiDeCoの加入者や受給者に与える具体的な影響を掘り下げ、今後のiDeCoの展望まで、あなたのiDeCo運用と老後資金計画に役立つ情報を提供します。
iDeCoに関する最新の法改正情報(2025年以降の主な変更点)

iDeCoは、2022年5月の加入可能年齢拡大、2024年12月の企業年金加入者の掛金上限引き上げなど、近年活発に制度改正が行われてきました。そして、2025年度の税制改正大綱で、さらに大きな変更が予定されています。
掛金上限額の大幅な引き上げ(2025年度税制改正大綱・予定)
現在、最も注目されているのが、iDeCoの掛金上限額の引き上げです。これが実現すれば、より多くの所得控除メリットを享受しながら、老後資金を効率的に準備できるようになります。
・会社員(企業年金なしの場合):
現在の月額2.3万円から月額6.2万円への大幅な引き上げが検討されています。これは、約2.7倍の増額となり、多くの会社員にとってiDeCoの魅力が飛躍的に高まります。
・会社員(企業年金ありの場合):
企業型DCやDB(確定給付企業年金)などの企業年金に加入している会社員の場合も、iDeCoと企業年金掛金の合計が月額5.5万円という現行の上限を見直し、月額6.2万円まで引き上げられる予定です。
・自営業者(第1号被保険者):
国民年金基金との合算で、現在の月額6.8万円から月額7.5万円への引き上げが検討されています。
【重要】 これらの掛金上限額の変更は、2025年度税制改正大綱に盛り込まれた「予定」です。国会審議を経て法案が成立することで確定しますので、今後の政府の発表にご注意ください。
加入可能年齢の拡大(2025年度税制改正大綱・予定)
現在、iDeCoに掛金を拠出できる期間は20歳以上65歳未満までですが、これも拡大が検討されています。
・70歳未満まで延長(予定):
2025年度税制改正大綱では、iDeCoの加入可能年齢が70歳未満まで引き上げられることが検討されています。
これにより、60歳以降も働く方や、より長く老後資金を準備したい方がiDeCoを活用できるようになり、老後への備えの選択肢がさらに広がります。
受け取り時のルール変更(2026年1月・予定)
・退職所得控除の「10年ルール」:
iDeCoを一時金で受け取る際に適用される退職所得控除の計算において、他の退職金などとの合算期間に関する「5年ルール」が、2026年1月から「10年」に変更される予定です。これにより、退職金とiDeCoの一時金をそれぞれ税制優遇された形で受け取りやすくなり、税負担をさらに軽減できる可能性が高まります。
制度変更がiDeCo加入者や受給者に与える影響

これらの制度変更は、iDeCoの運用や老後資金計画に大きな影響を与えます。
これからiDeCoを始める人への影響
・より大きな節税メリット: 特に会社員(企業年金なし)の方は、掛金上限の大幅引き上げにより、現役時代の所得税・住民税の軽減効果が格段に大きくなります。
・老後資金準備の加速: より多くの掛金を非課税で拠出できるようになるため、老後資金の目標達成を早めやすくなります。
・働く期間の延長に対応: 70歳まで拠出可能になれば、長寿化や定年延長の社会情勢に対応し、より長く資産形成を続けられます。
すでにiDeCoを運用している人への影響
・掛金増額のチャンス: すでにiDeCoに加入している方も、掛金上限が引き上げられれば、掛金を増額して老後資金のラストスパートをかけることができます。
・柔軟な受け取り計画: 受け取り開始年齢が75歳まで延長されることで、公的年金との兼ね合いや、退職所得控除の活用をより戦略的に計画できるようになります。退職所得控除の10年ルールも、より多くの人が非課税でiDeCo資産を受け取る助けになります。
注意点
・上限額はあくまで「上限」: 掛金上限が引き上げられても、無理のない範囲で拠出することが大前提です。家計を圧迫しないよう注意しましょう。
・制度変更の把握: 税制改正は複雑です。正確な情報は、必ず国民年金基金連合会やiDeCo口座を開設している金融機関の公式発表、国税庁の情報を確認しましょう。
今後のiDeCoの展望:さらなる老後資金準備の柱へ

これらの法改正は、iDeCoが日本の老後資金準備において、今後ますます重要な役割を担っていくことを示唆しています。
「自助努力」の重要性の高まり
公的年金制度の持続可能性への懸念が高まる中、iDeCoのような「自助努力」による資産形成制度の重要性はさらに増していくでしょう。国もiDeCoをより活用しやすい制度へと進化させ、国民の老後資金準備を後押しする姿勢が明確です。
資産寿命の延長と多様なライフスタイルへの対応
・長寿化社会への対応: 加入可能年齢や受給開始年齢の延長は、人生100年時代や、リタイア後も長く活動する多様なライフスタイルに対応するものです。
・柔軟な資産活用: 掛金上限の引き上げは、退職金制度がない、あるいは退職金が少ない人々にとって、「自分で作る退職金」としてiDeCoを活用する道をさらに広げます。
iDeCoは、単なる節税ツールではなく、税制優遇を活用しながら「自分自身の力で老後資金を形成する」という意識を高めるための、社会全体のインフラとしての役割がさらに強まることが期待されます。
まとめ:iDeCoの法改正で、あなたの老後資金計画をアップデートしよう
iDeCoは、2025年以降も掛金上限額の大幅引き上げや加入可能年齢の拡大など、重要な制度変更が予定されています。
・最新情報を把握し、ご自身のiDeCoを最適化するチャンスと捉えましょう。
・掛金増額や長期運用継続の検討により、税制メリットを最大限に活かし、老後資金を効率的に増やしていきましょう。
・受け取り時の税制変更も考慮し、将来の受け取り方を戦略的に計画することが重要です。
これらの制度変更を理解し、あなたのiDeCo運用と老後資金計画をアップデートすることで、より安心で豊かなセカンドライフを着実に築いていけるでしょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。