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iDeCoの口座移換手数料はいくら?金融機関乗り換えの注意点

「金融機関を乗り換える手続きって、どうすればいいの?」
iDeCo(個人型確定拠出年金)の運用を続けていると、手数料の安い金融機関や、より魅力的な運用商品を提供する金融機関に乗り換えたいと考える方がいるかもしれません。iDeCoは、一度開設した金融機関から別の金融機関へ「運営管理機関変更(口座移換)」という手続きで乗り換えることが可能です。
この記事では、iDeCoの金融機関乗り換えにかかる口座移換手数料の有無と金額を解説します。また、移換手続きの詳細と注意点、そして移換先の金融機関選びのポイントまで。あなたのiDeCo資産をより効率的に運用するためのヒントを提案します。
iDeCoの口座移換手数料はいくら?

iDeCoの金融機関乗り換えにかかる手数料は、主に以下の3つです。
運営管理機関変更時(初回のみ発生する手数料)
・移換元の金融機関に支払う手数料:
金額: 金融機関によって異なりますが、1,100円程度が一般的です。移換元の口座資産から自動的に差し引かれます。
・国民年金基金連合会に支払う手数料:
金額: 移換元の運営管理機関に支払う手数料とは別に、国民年金基金連合会に2,829円の手数料(加入・移換時手数料)が発生します。これも初回のみの費用です。
継続的に発生する手数料(移換後も毎月かかる手数料)
・口座管理手数料:
金額: 毎月発生する手数料で、金融機関(運営管理機関)によって無料の場合と有料の場合があります。
・国民年金基金連合会手数料:
金額: 月額105円
・事務委託先金融機関手数料:
金額: 月額66円
・合計: 毎月、運営管理機関手数料に加えて、合計171円程度(105円+66円)の基本手数料がかかります。
移換手数料は金融機関によって金額が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
移換手続きの詳細と注意点

iDeCoの金融機関を乗り換える手続きは、ご自身の資産形成に影響するため、慎重に行う必要があります。
移換手続きの詳細な流れ
1.移換先の金融機関を選ぶ:
手数料、運用商品のラインナップ、サポート体制などを比較検討し、乗り換え先の金融機関を決めます。
2.移換先の金融機関に申し込む:
選んだ金融機関のウェブサイトなどから、iDeCoの口座開設と「運営管理機関変更」の申し込みを行います。
3.必要書類の提出:
金融機関から送られてくる書類(運営管理機関変更届など)に記入し、本人確認書類など必要書類を添付して返送します。
4.手続きの完了:
移換手続きには、通常1〜2ヶ月程度の時間がかかります。手続きが完了すると、移換先の金融機関から通知が届き、運用が開始されます。
移換手続き時の注意点
1.手続きのタイミング:
iDeCoの運営管理機関変更は、年に1回しかできません。また、年内に掛金を拠出している場合は、その年の変更はできないため、翌年以降の手続きとなります。
2.運用が停止される期間:
移換手続き中は、一時的に資産の運用が停止され、「非運用期間」が発生します。この期間は、市場の変動による資産の増減がないため、売買のタイミングを間違えると、損失につながる可能性もあります。
3.移換手数料の確認:
移換元の金融機関と移換先の金融機関、両方にかかる手数料を事前に確認し、乗り換えるメリットが手数料を上回るか検討しましょう。
4.運用商品の見直しが必要な場合:
移換先の金融機関が、現在保有している運用商品を取り扱っていない場合、その商品を売却して現金化するか、別の商品にスイッチングする必要があります。
移換先の金融機関選びのポイント

移換先の金融機関を選ぶ際は、以下のポイントを重視しましょう。
手数料が安いか
・口座管理手数料: 毎月かかる手数料が無料の金融機関(運営管理機関)を選ぶのが基本です。長期運用では、この手数料の差が大きな金額になります。ただし、手数料無料としている金融機関でも、あくまでも運営管理機関の手数料が無料なだけで、国民年金基金連合会手数料(月額105円)と事務委託先金融機関手数料(月額66円)は最低限かかりますので注意してください。
・運用商品の信託報酬: 移換先の金融機関が提供する投資信託の信託報酬(運用商品の手数料)が低いかどうかも、長期的なリターンに影響するため重要です。
運用商品のラインナップが充実しているか
・低コストのインデックスファンド: 移換先の金融機関に、全世界株式やS&P500など、低コストで質の高いインデックスファンドが豊富に揃っているかを確認しましょう。
・元本確保型商品の有無: 定期預金や保険といった、元本確保型商品が必要な場合は、その選択肢も確認します。
サポート体制が充実しているか
・コールセンターの対応: 疑問が生じた際に、電話やチャットで気軽に問い合わせできるか。
・ウェブサイトの使いやすさ: 運用状況を確認するマイページや、各種手続きを行うウェブサイトが、初心者にも分かりやすいか。
まとめ:iDeCoの口座移換は「コスト」と「商品」で賢く選ぶ
iDeCoの口座移換は、手数料や手続きに注意が必要ですが、より有利な条件の金融機関へ乗り換えることで、あなたのiDeCo資産を効率的に増やすことができます。
・移換手数料の金額を事前に確認し、乗り換えるメリットが手数料を上回るか検討しましょう。
・手数料の安さ、運用商品のラインナップ、サポート体制を比較し、あなたに合った金融機関を選びましょう。
・移換手続き中は運用が停止される期間があることや、運用商品の見直しが必要になる可能性があることなど、注意点を理解した上で、計画的に手続きを進めましょう。
iDeCoの金融機関選びを最適化し、あなたの老後資金を最大限に育てていきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。