FP資格取得のためのポイント
FP資格講座:不動産所得と損益通算の注意点を解説

ファイナンシャル・プランナー(FP)の学習において、不動産所得は重要なテーマです。特に、不動産所得が赤字になった場合の損益通算のルールは、FP試験でも頻出の論点です。ここでは、不動産所得の基本と、損益通算を行う際の注意点を解説します。
不動産所得とは?
不動産所得とは、土地や建物などの不動産を貸し付けることで得られる所得のことです。
不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費
この不動産所得がマイナス(赤字)になった場合、他の所得(給与所得や事業所得など)と相殺することで、所得税の負担を軽減できることがあります。この仕組みを損益通算といいます。
損益通算の基本ルールと注意点
不動産所得は、原則として他の所得との損益通算が認められています。しかし、いくつか例外的なルールがあるため、FPとして正確に理解しておく必要があります。
・借入金利息の扱い
不動産所得を得るための借入金利息は、原則として全額が必要経費にできます。しかし、不動産所得が赤字で、その赤字の要因が土地等を取得するために要した借入金の利子である場合、その利子相当額は損益通算の対象とならないという制限があります。
・借入金が土地と建物で区分されていない場合
借入金が土地と建物で区分されていない場合、納税者にとって有利になるように計算ができます。具体的には、まず建物に充てられ、次に土地の取得に充てられたものとして計算します。
・別荘の損失は損益通算できない
生活に通常必要でない資産である「別荘」の貸付による不動産所得の赤字は、他の所得と損益通算することはできません。また、別荘の売却で譲渡損失が生じた場合も、原則として損益通算の対象とはなりません。
まとめ:FPが知っておくべきポイント
不動産所得の損益通算は、不動産を保有するお客様の節税対策として非常に重要な知識です。
・不動産所得の赤字は、原則として他の所得と損益通算できる。
・土地取得の借入金利子は、損益通算の対象にならない場合がある。
・別荘の損失は、損益通算できない。
・借入金が区分されていない場合、建物が優先される。
これらのルールを正確に理解しておくことが、お客様のライフプランをサポートする上で不可欠です。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
金子賢司へのライティング・監修依頼はこちらから。ポートフォリオもご確認ください。