FPによる貸金業法学習記録
貸金業における経営管理と情報管理

この記事は、CFPが2025年11月16日実施の貸金業務取扱主任者を目指すために、自身の勉強記録として残すブログです。
※本記事は筆者の学習記録であり、その内容の正確性には万全を期しておりますが、法令改正等により変更される可能性があります。実際の業務や判断においては、必ず最新の法令や専門家の助言を確認してください。
貸金業者の適切な業務運営を確保するための措置
貸金業者は、その業務を適切に運営するために、様々な措置を講じることが義務付けられている。具体的には、資金需要者などに関する情報の適正な取り扱い、業務を第三者に委託する場合の的確な遂行を確保しなければならない。これは、貸金業法第12条の2第2項に規定される内容である。
信用情報機関から提供された情報の利用制限
貸金業者は、信用情報に関する機関から提供された情報について、厳格な利用制限を遵守する必要がある。個人である資金需要者等の借入金返済能力に関する情報は、資金需要者等の返済能力の調査以外の目的で利用してはならない。これは、貸金業法第12条の4第2項に定められている。この措置は、個人のプライバシー保護と、情報が不適切な目的で利用されることを防ぐために重要である。
業務委託における監督体制
貸金業者が業務を第三者に委託する場合、単に業務を任せるだけでは不十分である。貸金業法第12条の2第2項及び第3項に基づき、業務委託先の実施状況を定期的に、または必要に応じて確認し、その業務が的確に遂行されているかを検証しなければならない。もし不備が見つかった場合は、改善を促すなど、受託者に対する必要かつ適切な監督を行うための措置を講じる必要がある。
委託先選定と緊急時対応
貸金業者は、業務を外部に委託する際、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行できる能力を持つ者を選定するための措置を講じる必要がある。
また、委託先が業務を適切に行えなくなった場合、資金需要者等の保護に支障が生じないよう、他の適切な第三者に速やかに委託し直すなどの措置を講じなければならない。
さらに、貸金業の健全かつ適切な運営と、資金需要者等の保護のため、必要に応じて委託契約の変更や解除を行うなどの措置も求められている。
なお、この外部委託には、契約がなくても実質的に外部委託と見なされるケースや、業務が海外で行われるケースも含まれる。
コンプライアンスの重視と実践
貸金業者の経営管理において、コンプライアンスは極めて重要な要素である。貸金業者が策定する倫理規定やコンプライアンスマニュアルといった行動規範は、定期的にまたは必要に応じて見直しを行う必要がある。特に、業績評価や人事考課においては、収益目標(ノルマ)に偏ることなく、コンプライアンスを重視しているかに留意するものとされている。これは、不適切な融資や顧客対応を防ぎ、健全な業務運営を維持するために不可欠である。
顧客情報管理の実効性確保
貸金業者の監督にあたり、監督当局は顧客などの情報管理について、内部管理部門における定期的な点検や内部監査を通じ、その実施状況を把握・検証しているかに留意するものとされている。その結果、情報管理体制に不備があれば、態勢の見直しを行うなど、顧客等に関する情報管理の実効性が確保されているかを確認する。これは、顧客情報の漏洩や不正利用を防止し、顧客からの信頼を維持するために、貸金業者に求められる重要な管理項目である。
また、外部委託先で情報漏洩事故が発生した場合、適切に対応が行われ、速やかに委託元に報告される体制になっているかについても確認が行われる。
再委託先への監督
業務が二段階以上にわたって委託(再委託)された場合でも、貸金業者は責任を免れない。貸金業者自身が再委託先の事業者に対して直接監督を行う、または外部委託先が再委託先の事業者を適切に監督するよう、貸金業者自身が外部委託先に対する監督を行わせる措置を講じる必要がある。これにより、委託チェーン全体での適切な業務遂行と情報管理が確保される。