学資保険
親が亡くなった場合の学資保険はどうなる?払込免除と契約者変更のポイント

払込免除の仕組み

学資保険には、多くの場合「契約者(保険料を払う人)が死亡した場合、以後の保険料支払いが免除される」制度があります。これを保険料払込免除特約と呼びます。
払込免除が適用される条件は保険会社や契約内容によって異なりますが、一般的には以下のようなケースが対象です。
・契約者が死亡した場合
・所定の高度障害状態になった場合
この制度が適用されると、その後の保険料の支払いは不要になりますが、契約は継続され、満期時には予定通り学資金や祝い金が受け取れます。つまり、子どもの教育資金計画が中断されることなく確保できる仕組みです。
特にシングルマザーが学資保険を契約している場合、万が一のときに払込免除が適用されれば、残された子どもは経済的負担なく契約を維持できます。シングルマザーにとっては、この特約の有無が将来の教育資金の安定に直結するため、契約時の確認は必須です。
免除適用には「保険会社への速やかな連絡」が必要なので、死亡後できるだけ早く保険会社に通知することをおすすめします。
契約者変更の手続き

契約者が亡くなった場合、保険契約を維持するために契約者の名義変更が必要です。払込免除特約がある場合でも、名義変更を行わないと保険金受取人や各種連絡先が不明確になり、将来の受け取りに支障が出る可能性があります。
契約者変更の一般的な流れは以下の通りです。
1.保険会社へ連絡し、必要書類を取り寄せる
2.被保険者(子ども)の親族から新契約者を決める
多くは残っている親や祖父母が該当
3.必要書類を提出
・死亡診断書または除籍謄本
・新契約者の身分証明書
・保険証券
特に、学資保険の契約者を祖父母に変更するケースは珍しくありません。片親が既に亡くなっているシングルマザー家庭や、両親がともに契約者になれない場合に、祖父母が契約を引き継ぐことで、保険を途中解約せず維持できるのです。
契約者変更後は、新しい契約者が保険金や満期金の受取権を持つため、受取人の設定も確認し、必要に応じて変更しておくことが重要です。
FPからのアドバイス
・学資保険の契約内容(払込免除の有無、受取人設定)を定期的に確認する
・契約者死亡後は早めに保険会社へ連絡し、払込免除申請と契約者変更手続きを同時に進める
・シングルマザーの場合は払込免除の条件を契約時に必ず確認しておく
・契約者変更は祖父母が引き継ぐことも可能で、その場合も受取人設定を最新化する
・保険証券や契約内容は家族がわかる場所に保管しておく
まとめ
親が亡くなった場合でも、学資保険は払込免除制度により保険料の負担なく継続できるケースが多く、子どもの将来資金を守る仕組みが整っています。特にシングルマザー家庭や祖父母が契約者になる場合など、家庭の事情に応じた制度活用が可能です。
ただし、契約者変更の手続きを怠ると、将来の受取に不利益が生じる可能性があるため、速やかな対応が必要です。家族で契約内容を共有し、いざという時の流れを理解しておくことが安心につながります。
参考文献
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。