生命保険
生命保険の「リビングニーズ特約」はなぜ重要?

「余命宣告されたら、生きている間に保険金を受け取れるって本当?」
生命保険は、万が一の際に遺された家族の生活を守るための保障です。しかし、保険金の使い道は、亡くなった後のことだけでなく、「生きている間の備え」としても活用できる特約があります。それが「リビングニーズ特約」です。この特約は、終末期を迎えた際の高額な医療費や、生活費に備える上で非常に重要な役割を果たします。
この記事では、生命保険のリビングニーズ特約の仕組みとメリットを解説します。適用条件(余命6ヶ月以内)と注意点を詳しく掘り下げ、終末期医療費への備えとして、この特約がなぜ重要なのかを提案します。
リビングニーズ特約の仕組みとメリット

リビングニーズ特約とは、生命保険の被保険者が、医師によって「余命6ヶ月以内」と診断された場合に、死亡保険金の一部または全部を、生きている間に受け取ることができる特約です。
リビングニーズ特約の仕組み
保険金の前払い:
・死亡保険金が支払われるタイミングは、通常、被保険者が亡くなった後です。
・リビングニーズ特約は、この死亡保険金を、亡くなる前に「前払い」してくれる仕組みです。
保険料は無料:
・多くの保険会社では、この特約を無料で付加することができます。
・ただし、特約を利用して保険金を受け取る際には、6ヶ月分の利息が差し引かれます。また、保険料払込期間中の場合は、6ヶ月分の保険料相当額も差し引かれます。
リビングニーズ特約のメリット
1.高額な終末期医療費への備え:
余命宣告された場合、延命治療や、緩和ケアなど、高額な医療費が必要になることがあります。リビングニーズ特約で受け取った保険金は、これらの医療費に充当できます。
2.残された時間を豊かに:
医療費だけでなく、家族との旅行や、趣味を楽しむなど、残された時間を自分らしく豊かに過ごすための資金として活用できます。
3.家族の負担軽減:
終末期にかかる費用を事前に確保しておくことで、遺された家族が金銭的な負担を負うことを防げます。
適用条件(余命6ヶ月以内)と注意点

リビングニーズ特約は、万が一の際に備える上で非常に役立ちますが、適用条件と注意点を理解しておくことが重要です。
適用条件と注意点
余命6ヶ月以内:
・医師から、被保険者の余命が6ヶ月以内であると診断された場合に適用されます。ただし、日本で一般に認められた医療による治療を行っても余命が6ヶ月以内と判断されることが条件です。
・場合によっては、診断書があっても支払われないと判断される可能性があるため、注意が必要です。
請求は一度限り:
リビングニーズ特約による保険金の請求は、一度しかできません。
保険金の減額:
・生前に保険金を受け取った場合、その金額分、将来遺族が受け取る死亡保険金は減額されます。
・例: 死亡保険金が5,000万円で、リビングニーズ特約で2,000万円を受け取った場合、遺族が受け取る死亡保険金は3,000万円になります。
回復した場合でも:
医師から診断された余命期間よりも長く生き続けたり、症状が落ち着いて安定したりした場合でも、受け取った生前給付金を返す必要はありません。
特約利用時の税金
受け取った保険金は非課税:
リビングニーズ特約で受け取った保険金は、所得税・相続税ともに非課税です。
注意点:
・受け取ったお金が死亡時に余っていた場合、その残りは相続財産として相続税の対象となります。
・また、リビングニーズ特約で受け取ったお金には、生命保険金の相続税非課税枠の適用はありません。
終末期医療費への備え

終末期医療費は、医療費だけでなく、介護費用、緩和ケア費用、差額ベッド代など、様々な費用がかかります。リビングニーズ特約は、これらの費用に備える上で非常に有効です。
終末期医療費の相場
在宅医療:
医師の訪問診療や、看護師の訪問看護など、在宅医療には費用がかかります。
緩和ケア:
終末期に痛みを和らげるための緩和ケアには、公的医療保険の対象外の費用がかかる場合があります。
差額ベッド代:
入院期間が長くなると、個室を利用する際の差額ベッド代が高額になります。
リビングニーズ特約の活用
医療費の確保:
リビングニーズ特約で受け取った保険金を、高額な終末期医療費や、緩和ケア費用に充当できます。
介護費用:
要介護状態になった場合に、介護費用を補うことができます。
生命保険の見直し:
リビングニーズ特約は、多くの保険会社で無料で付加できます。生命保険に加入する際は、リビングニーズ特約が付加されているか確認しましょう。
まとめ:リビングニーズ特約は「生きるための保険金」
リビングニーズ特約は、万が一の事態に備えるだけでなく、終末期を迎えた際の高額な医療費や、生活費に備える上で非常に重要な特約です。
・余命6ヶ月以内と診断された場合、死亡保険金を生きている間に受け取ることができます。
・終末期医療費への備えとして、また、残された時間を豊かに過ごすための資金として活用できます。
・多くの保険会社で無料で付加できるため、生命保険に加入する際は、リビングニーズ特約が付加されているか確認しましょう。
この記事を参考に、リビングニーズ特約の重要性を理解し、安心して日々の生活を送りましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。