火災保険
火災保険の途中解約、どうすればいい?返戻金と手続きの疑問を解消!

「火災保険を途中で解約したいけど、返戻金はあるの?」「住宅ローンに影響は出ない?」──こうした疑問を抱く方は少なくありません。
火災保険は途中解約が可能ですが、返戻金の有無や金額は契約内容によって異なります。そして、手続きにも注意が必要です。さらに、制度改正や住宅ローンとの関係を理解していないと、思わぬ損失やトラブルにつながることもあります。
この記事では、火災保険を解約する際に知っておきたいポイントを整理し、安心して判断できるようわかりやすく解説します。
火災保険って、いつでも解約できるの?

火災保険は契約期間中でも途中解約が可能です。解約手続きの方法には、電話、インターネット、代理店への連絡など、さまざまな方法があります。保険証券番号や契約日が必要になるので、事前に準備しておきましょう。
完了まで1〜2週間程度かかる場合があるため、余裕を持って進めることが大切です。
また、2022年10月以降は最長契約期間が10年から5年に短縮され、長期割引が縮小されました。2024年10月には全国平均13%の値上げや、水災補償における地域別5段階料率が導入されています。
解約をして他社で再加入する場合、これらの制度改正の影響から、値上がりする可能性がある点にも注意が必要です。
参考:損害保険料率算出機構:火災保険参考純率改定のご案内
「返戻金なし」って本当?お金が戻るケース・戻らないケース

火災保険を契約期間中に途中解約すると、解約返戻金がもどってくる場合があります。火災保険における解約返戻金とは、保険契約を解約した際に契約者に戻るお金のことです。 火災保険を解約したときに返戻金があるかどうかは、契約方法や残り期間によって異なります。
返戻金があるケース
・長期契約で一括払いをしており、未経過分の保険料が残っている場合
・残り期間が1ヶ月以上ある場合
返戻金がないケース
・月払い契約で当月分をすでに支払っている場合
・残り期間が1ヶ月未満の場合(例:5年契約を4年11ヶ月を経過後に解約しても返戻金なし)
・契約条件で短期率が定められており、返戻金が生じないとされている場合
短期率とは、契約を途中解約する際に「未経過期間に応じて返戻金の割合を定めるもの」です。残り期間分が単純に全額戻るわけではなく、あらかじめ設定された返戻率に基づいて返戻金が計算されます。
【返戻金の計算例】
5年契約で保険料12万円を一括で支払った場合、2年経過後に解約すると残りの3年分(7.2万円)がそのまま戻るわけではありません。
例えば、保険会社の短期率表で「2年経過時点の返戻率=39%」とされている場合、返戻金は「12万円 × 39% = 約4.7万円」となります。
※この計算例は説明用の仮想例です。実際の返戻率は保険会社や契約内容によって異なります。正確な金額は契約先の保険会社にご確認ください。
解約で後悔しないために!見落としがちな3つの注意点

火災保険を解約する際は、以下の点を押さえておくことが重要です。
・住宅ローン契約との関係
金融機関は火災保険加入を融資の条件としています。特に「質権設定」を求められる場合があり、これは火災保険金を金融機関が住宅ローン返済に充当できる権利です。勝手に解約すると契約違反となるリスクがあるため、注意が必要です。フラット35では火災保険加入が必須ですが、保険会社は自由に選べます。
・補償の空白を避ける
引っ越しや住居売却では、旧居を退去するときの火災保険の解約と、新居の火災保険の新規加入を切れ目なく行う必要があります。なお、持ち家から持ち家への引っ越しなら、今加入している保険の内容を引き継ぐことが可能です。ただし、住所(物件所在地)や、面積が変わるため、基本的に保険内容の大幅な見直しが必要になるため注意が必要です。
また、持ち家から賃貸、賃貸から持ち家に引っ越す場合、原則、現在加入している火災保険を引き継ぐことはできないため、引っ越しを機に解約することになります。
・返戻金の入金時期
返戻金が発生する場合でも、実際の入金には1〜2週間程度かかるのが一般的です。資金計画に余裕を持って対応しましょう。
解約のベストタイミング

解約を検討する際におすすめのタイミング
・引っ越し: 退去日を解約日にする
・見直し: 前契約の解約日と新契約の保険契約始期日を合わせ、補償が途切れないようにする
・売却: 不動産引き渡し完了日を解約日にする
よくある解約理由と対応策
・引っ越し: 住所変更手続きで継続できる場合もあります。
・保険料が高い: 補償内容を見直すことで保険料を調整できる可能性があります。
・補償が不要: 補償を部分的に削除(水災不担保など)して対応することもできます。
水災不担保・・・火災保険の補償内容から「水災」補償を外すこと。この場合、保険料は抑えられますが、水災で建物や家財に損害が出た場合でも、補償が受けられなくなります。
解約を避けるべきケース
・住宅売却の引き渡し前:引き渡し前に、火事や自然災害で損害を受けると、補償が受けられないため。
・新しい保険契約の引き受けの可否が分かる前:物件によっては、保険会社が引き受けを拒否することもあるため、新しい火災保険に加入できるかどうか、事前に確認をしておきましょう。
・大規模な自然災害警報が発令されている最中:自然災害によるリスクが高い期間は、保険会社が引き受けをしないことがあります。
まとめ:途中解約は可能だが慎重に
火災保険は途中解約できますが、解約するタイミングを誤ると、補償が受けられない可能性があります。物件の売却や引っ越しなど、解約をする原因ごとの解約日の違いを理解しておくことが大切です。
また、引っ越しの場合、持ち家から持ち家への引っ越しであれば、現在の火災保険を引き継ぐことも可能です。賃貸から持ち家あるいは持ち家から賃貸への引っ越しは、火災保険の引き継ぎはできません。いずれにしても、引っ越しの場合、補償の空白をつくらないことが大切です。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。