火災保険
火災保険の支払件数と金額【最新データで見る自然災害の実態】

近年、台風や豪雨、雪害などの自然災害による被害が全国各地で増えています。「自宅が被害を受けたとき、火災保険はどれくらい支払われるのだろう」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、損害保険料率算出機構の最新統計(2023年度)をもとに、火災保険の支払件数と金額の実態をわかりやすく解説します。
※本記事のデータは、損害保険料率算出機構が2024年に公表した「火災保険・地震保険の概況」に掲載された2023年度統計に基づくものです。
火災保険の年間支払件数と金額

火災保険は火災のみならず、台風や豪雨、雪害など幅広い自然災害に対応しています。2023年度の住宅物件の支払いは合計607,028件・2,763億円となりました。事故種別ごとの内訳は以下の通りです。
・火災・破裂・爆発:7,717件、399億円
・落雷:50,446件、178億円
・自然災害(風災・ひょう災):140,529件、682億円
・自然災害(雪災):48,008件、254億円
・自然災害(水災):7,642件、323億円
・水濡れ:56,161件、411億円
・その他(水濡れ以外):296,525件、518億円
・合計:607,028件、2,763億円(事故種別ごと保険金額は四捨五入しているため、それぞれ合計すると2,765億円となってしまいます。ご了承ください。)
自然災害関連だけで196,179件・1,259億円となり、全体の支払の過半を占めています。
災害の種類別で見る保険金の支払状況
火災・爆発などの支払件数は全体のごく一部であり、件数・金額ともに風災・ひょう災が突出しています。雪災や水濡れも件数は多く、水災は少件数でも一件あたりの支払額が大きい点が特徴です。その他(水濡れ以外)も盗難・物体落下など多様なリスクをカバーしています。
支払額の推移と自然災害の増加傾向

2018年度の台風21号では1兆678億円、2019年度の台風19号では5,826億円もの保険金が支払われました。
大規模災害が発生する年度には、火災保険全体の収支が赤字に転落するほどの影響が生じます。
2023年度は突出した巨額災害こそありませんでしたが、台風や豪雨の影響で風災・ひょう災を中心に多額の支払いが生じています。近年の気候変動によって、災害リスクが長期的に増加している傾向は明らかです。
まとめ:最新データから見る火災保険の役割
火災保険の支払は、火災・破裂・爆発よりも風災・ひょう災や水災など自然災害関連の方が件数・金額ともに多くを占めています。特に水災は一件あたりの支払額が大きいことが特徴で、過去には兆円規模の支払いが発生した年度もありました。
さらに保険料率は地域や建物構造によって大きく差があり、自然災害リスクの高さが料率に反映されています。2021年の制度改定で契約期間は最長5年に短縮され、リスクの変化が保険料に反映されやすくなった点も押さえておくべきポイントです。
火災保険は火災だけではなく、増加する自然災害から生活を守るための重要な備えです。契約時には風災・水災補償の範囲や免責条件を確認し、地域のハザードマップを参考に立地や建物特性に応じた補償を選ぶことが求められます。
出典
損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況(2024年度公表/2023年度統計)」
金融庁「損害保険会社における水災リスク等への対応に関する資料」
※各統計の数値は、定期的に更新されますので、詳しくは最新の統計をご確認ください。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。