医療保険
歯の治療と医療保険|インプラントや矯正治療は保障される?

「歯医者さんにかかる医療費って、医療保険でカバーできるの?」「インプラントや矯正治療は高額だけど、保険の対象になる?」
歯の治療は、虫歯の治療からインプラントや矯正治療まで、多岐にわたります。インプラントや矯正治療は特に高額な費用がかかるため、医療保険で備えたいと考える方も多いでしょう。しかし、すべての歯科治療が医療保険の対象となるわけではありません。
この記事では、歯の治療費と医療保険の関係を解説します。公的医療保険の適用範囲を明確にし、民間医療保険の保障内容、そしてインプラントや矯正治療が保障されるのかまで。後悔しないための賢い保険選びのヒントを提案します。
歯科治療費の仕組み:公的医療保険の適用範囲

歯の治療は、その内容によって公的医療保険の適用範囲が異なります。
公的医療保険の対象となる治療
一般的な歯科治療:
・虫歯の治療や抜歯、歯周病の治療など、一般的な歯科治療は公的医療保険の対象です。
・治療費の自己負担割合は、原則3割となります。
差し歯や入れ歯:
保険適用となる素材(銀歯など)を使った差し歯や入れ歯は、公的医療保険の対象です。
インプラント:
原則として公的医療保険の対象外ですが、例外として、病気や事故で顎の骨が広範囲に欠損している場合や、先天性欠如歯が6本以上ある場合などに限り、保険適用となる場合があります。
矯正治療:
原則として公的医療保険の対象外ですが、例外として、顎変形症の手術前・手術後の治療や、厚生労働省が定める59の先天性疾患による不正咬合に対する治療等は、公的医療保険の対象となります。
公的医療保険の対象外となる治療
インプラント:
一般的なインプラント治療は、公的医療保険の対象外で、全額自己負担となります。
矯正治療:
一般的な矯正治療は、基本的に公的医療保険の対象外です。
ホワイトニング:
歯を白くするホワイトニングは、美容目的の治療であり、公的医療保険の対象外です。
保険適用治療を受けられる医療機関の制限
・保険適用のインプラント治療は、歯科または歯科口腔外科を標榜している保険医療機関で、特定の条件(経験3年以上の常勤歯科医師が2名以上など)を満たす施設でのみ可能です。
・保険適用の矯正治療は、厚生労働省指定の「顎口腔機能診断施設」でのみ受けられます。
民間医療保険の保障:インプラントや矯正治療は対象外

民間医療保険は、入院や手術の費用を保障する保険です。インプラントや矯正治療は、原則として医療保険の保障対象外となります。
民間医療保険の保障対象
・病気やケガによる入院・手術:
病気やケガで、入院・手術をした際の費用を保障します。
・歯科治療の保障:
病気やケガが原因で歯科治療が必要になった場合は、給付金が支払われるケースがあります。
例:
・事故で歯を折って、手術が必要になった場合。
・顎の骨折で入院・手術が必要になった場合。
インプラントや矯正治療が保障されない理由
理由:
・インプラントや矯正治療は、病気やケガが原因で治療が必要になるわけではないためです。
・民間医療保険は、入院や手術を伴う医療行為を保障の対象としており、通院による歯科治療は基本的に対象外となります。
まとめ:歯の治療は「公的」と「民間」を分けて考える
歯の治療は、その内容によって公的医療保険の適用範囲が異なります。
・一般的な歯科治療:
虫歯の治療や抜歯など、一般的な歯科治療は公的医療保険の対象です。
・インプラントや矯正治療:
一般的なインプラントや矯正治療は、公的医療保険の対象外で、民間医療保険も保障対象外です。
民間医療保険の活用:
民間医療保険は、病気やケガが原因で歯科治療が必要になった場合に、給付金が支払われる可能性があります。
この記事を参考に、公的医療保険と民間医療保険の保障内容を正しく理解し、賢く保険を活用しましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。