医療保険
医療保険とは?種類や選び方を初心者向けにわかりやすく解説

医療保険は、病気やケガで入院・手術をした際の費用をカバーするための保険です。公的な健康保険制度があるから大丈夫、と考える方もいるかもしれませんが、公的保険だけでは賄えない費用も多くあります。
この記事では、医療保険の基本的な役割から、「定期型」と「終身型」といった種類、そして入院給付金、手術給付金などの保障内容まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。ご自身のライフステージや家計の状況に合わせた、失敗しない医療保険の選び方を提案します。
医療保険の基本:公的医療保険との違いと民間医療保険の役割

日本の医療制度は、公的な健康保険と、任意で加入する民間医療保険の二本柱で成り立っています。
公的医療保険の仕組みと限界
仕組み:
・誰もが加入する公的な健康保険(健康保険組合、国民健康保険など)は、病気やケガの治療費の自己負担割合を原則3割に抑えてくれます。年齢や所得によって1割、2割、3割の区分があります。
・2022年10月からは、一定以上の所得がある75歳以上の方は、自己負担割合が2割に変更されています。
・さらに、ひと月の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される「高額療養費制度」もあります。
金融広報委員会 公的医療保険の「高額療養費制度」って何?
限界:
・しかし、公的医療保険には限界があります。差額ベッド代(個室代)や先進医療の技術料など、高額になりがちな費用は対象外です。
・また、入院中の食事代は、公的医療保険が大部分を負担しますが、1食あたり510円(2025年4月から)の標準負担額は自己負担となります。
民間医療保険の役割

民間医療保険は、この公的医療保険では賄えない自己負担分をカバーするのが主な役割です。
・自己負担額の軽減:公的医療保険の自己負担分や、入院中の雑費などを、医療保険の給付金で補えます。
・高額な治療費への備え:先進医療特約などを付加することで、公的医療保険の対象外となる高額な治療費に備えられます。
医療保険の種類:定期型と終身型の違いとメリット・デメリット
民間医療保険には、大きく分けて「定期型」と「終身型」の2種類があります。
定期型:必要な期間だけ備える
特徴:
保障期間が10年、20年、60歳までなど、決められている保険です。
メリット:
・保険料が割安: 終身型に比べて保険料が安く、家計への負担が少ないです。
・必要な期間だけ備えられる: 子どもが独立するまでなど、特定の期間だけ手厚い保障が必要な場合に適しています。
デメリット:
・保障の終了: 満期を迎えると保障がなくなります。
・更新時の保険料上昇: 更新型の場合、満期を迎え更新すると、保険料が上がります。
終身型:一生涯の安心を確保
特徴:
保障が一生涯続く保険です。
メリット:
・一生涯の保障: 何歳で入院・手術をしても、保障が続きます。
・保険料が一定: 契約時の保険料が一生涯変わらないため、老後の保険料負担が心配ありません。
デメリット:
保険料が割高: 定期型に比べて保険料が高くなります。
医療保険の保障内容:入院給付金、手術給付金、特約の種類

医療保険の保障内容は、主に以下の3つの項目で構成されています。
1.入院給付金:
病気やケガで入院した場合に、入院日数に応じて支払われる給付金です。1日あたり5,000円、10,000円といった形で設定します。
2.手術給付金:
手術を受けた場合に、まとまった金額が支払われる給付金です。入院給付金日額の10倍、20倍といった形で設定されます。
3.特約:
・主契約に付加して、保障内容を充実させるオプションです。
・先進医療特約: 公的医療保険の対象外である先進医療の技術料を補償。
・三大疾病特約: がん、急性心筋梗塞、脳卒中といった三大疾病に特化した保障。
・女性疾病特約: 女性特有の病気に備える保障。
失敗しない選び方:ライフステージ、家計の状況に合わせた選び方

医療保険を選ぶ際は、ご自身のライフステージや家計の状況に合わせて、必要な保障を見極めることが重要です。
20代・30代:
若いうちは医療保険の必要性が低いと考える方もいますが、将来の病気リスクに備えるなら、保険料が安い終身型への加入がおすすめです。ただし、個人の経済状況や価値観によって、必ずしも終身型が良いとは限りません。
40代・50代:
・病気のリスクが高まるため、三大疾病特約や先進医療特約など、保障を充実させることを検討しましょう。
・若いうちに定期型に加入していた場合、更新時の保険料上昇に備えて、終身型への見直しも検討しましょう。
まとめ:医療保険で備えるべきこと
医療保険は、公的医療保険だけでは賄いきれない医療費に備えるための、非常に重要な備えです。
・定期型と終身型、それぞれのメリット・デメリットを理解し、あなたに合った保障期間を選びましょう。
・入院給付金や手術給付金など、保障内容を正しく把握し、不要な特約を外して保険料を安くしましょう。
・ライフステージの変化に合わせて、定期的に保険を見直すことが大切です。
この記事を参考に、あなたに最適な医療保険を選び、安心して日々の生活を送りましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。