火災保険
住宅ローンの利用時に火災保険は必須?銀行が加入を義務付ける理由と注意点

住宅ローンを組むとき、銀行から火災保険の加入を求められて「本当に必要なの?」「どの保険を選べばいいの?」と迷う方は少なくありません。制度改正や保険料の値上げなどもあり、不安を感じやすいテーマです。
本記事では、なぜ銀行が火災保険を必須とするのか、その背景と最新の制度変更、そして契約時に注意すべきポイントをわかりやすく整理します。この記事を読めば、無理のない契約を選ぶためのヒントが得られるはずです。
住宅ローン契約と火災保険の密接な関係

住宅ローンは、購入した住宅を担保にして融資を受ける仕組みです。火災や自然災害で住宅が損壊すると担保価値が下がるだけでなく、失う可能性もあるため、返済計画にも支障が出ます。
火災保険で修復・再建の資金を確保できれば、返済の継続性が高まり、家計のダメージも抑えられます。
特に木造住宅は延焼リスクが高く、鉄骨やRC住宅であっても風災・水災・雪災のリスクは残ります。そのため、住宅ローンを組む場合、火災保険の加入は欠かせません。
銀行が火災保険の加入を求める理由

銀行が火災保険を条件とするのは、融資した資金の回収リスクを軽減するためです。担保である住宅が災害で損壊すれば、返済が滞る可能性が高まります。火災保険によって修復費用や建て直し資金を保険金で補填できれば、金融機関も借主も安心です。
また、銀行は保険会社の指定まではしませんが、「加入必須」とするケースがほとんどで、もし未加入なら融資が実行されない可能性もあります。したがって、火災保険は事実上の必須条件といえます。
住宅ローンで火災保険を契約する際の注意点

火災保険の契約では、まず契約期間に注意が必要です。火災保険は契約期間を長く設定して、保険料をまとめて支払うと安くなる仕組みですが、2022年10月から最長契約期間が10年から5年へ短縮され、長期割引の恩恵は縮小しました。
そのため更新頻度が増し、保険料の総負担が高くなる可能性があります。
また、補償範囲は火災に限らず水災・風災など地域の環境に応じて検討することが大切です。例えば河川沿いや低地の住宅では水害補償が不可欠ですが、山間部では雪災補償の重要性が高まります。
保険金額の設定も重要です。近年では、再調達価額を基準に設定するのが一般的です。再調達価額は、建物の構造や延床面積から算出でき、建築業者に確認することも可能です。再建築費評価額より過小に設定することも可能な火災保険がありますが、その場合、万が一のことが起きたとき、修繕費が不足する可能性があります。
保険料を抑えたいからといって、過度に保険金額を下げることは避けましょう。
ただ、ネット保険の見積り機能などで基本的に建物の面積や、住居の所在地、構造などの必要な項目を入力すれば再調達価額が自動計算されるため、過度に心配する必要はありません。そして、必ず提示された再調達価額の範囲内で保険金額を設定してください。
さらに、築年数が古い住宅は保険料が割高になり、築浅住宅は割安になる傾向があります。支払方法についても、一括払いは総額が割安になる一方で、月払いは毎月の支払額を定額にできるため、家計管理がしやすくなるメリットがあります。
※再調達価額・・・保険の対象と同一の構造、質、用途、規模、型、能力のものを再築または再取得するのに必要な金額をいいます。
制度変更とその背景
契約期間の短縮は、自然災害の増加や保険会社の収支悪化が背景にあります。従来は10年契約で大幅な割引がありましたが、5年に短縮されたことで実質的に保険料が値上がりしたといえます。
また、近年では火災保険が値上がり傾向にあるため、10年更新よりも5年更新のほうが、頻繁に火災保険の値上げの影響を受けやすくなります。火災保険の2025年問題
2015年に10年契約を結んだ契約者は、2025年に一斉に更新を迎えます。これが「2025年問題」です。火災保険は値上がり傾向にあるため、更新時に高い保険料が適用されるため、家計に影響を与える可能性があります。少しでも保険料を抑えるために、更新の3ヶ月前から複数社で見積もりを取り、補償内容の見直しや免責金額の設定を検討しましょう。
火災保険の節約方法については、以下の記事を参考にしてください。
火災保険料の節約方法を解説!最新の制度改定と6つのポイント
最新の保険料動向
2024年10月には火災保険料が全国平均で13.0%引き上げられました。さらに水災リスクが地域ごとに5段階で細分化され、同じ建物でも所在地によって保険料が大きく異なるようになっています。特に河川沿いの住宅は高額になる傾向があるため、地域特性を踏まえた選択が求められます。
火災保険参考純率改定のご案内
地震保険の重要性
火災保険では地震による損害は補償されません。日本は地震大国であるため、地震保険を付帯することは非常に重要です。火災保険とセットでしか契約できないため、期間も火災保険と同様、最長5年と制限されています。
まとめ:住宅ローンを組むなら火災保険は必須
火災保険は、銀行の融資条件を満たすためだけでなく、住宅ローン契約者自身の生活を守るためにも不可欠です。2022年の契約期間短縮や2025年問題、2024年の保険料改定など、制度は大きく変化しています。更新が近づいたら早めに準備を始め、複数社で比較しながら自分に合った補償内容と支払方法を選ぶことで、無理のない保険料でしっかりと住まいを守ることができます。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。