自動車保険
人身傷害保険は本当に必要?補償内容とメリットを徹底解説

自動車保険に加入していても、「どこまで補償されるのか」「人身傷害保険は本当に必要なのか」と不安に感じる方は少なくありません。特に、自分や同乗者のケガの補償は、万が一のときに生活へ大きく影響するため、しっかり理解しておくことが安心の第一歩です。
人身傷害保険の補償範囲

人身傷害保険は、事故によって被保険者本人や同乗者がケガを負った場合の治療費、休業損害、後遺障害による逸失利益、死亡時の逸失利益などを、実際の損害に基づき補償します。特徴的なのは「実際の損害額に応じて支払われる」という点で、慰謝料なども含めた経済的損失を広くカバーできることです。
補償対象としては以下が含まれます。
・事故による入通院費用(治療費、手術費、薬代など)
・休業損害(事故による収入減の補償)
・後遺障害による逸失利益(将来得られるはずだった収入分)
・死亡による逸失利益や葬儀費用
・家事従事者の休業損害(専業主婦・主夫も対象。ただし特約により補償制限あり)
なお、契約内容によっては「被保険自動車搭乗中のみ補償」の場合もあれば、「歩行中や他の車に搭乗中の事故も補償」となる場合もあります。補償範囲は契約内容によって異なるため、確認が必要です。
人身傷害保険に加入するメリット
最大のメリットは過失割合にかかわらず補償が受けられる点です。相手の保険会社との示談交渉が長引いても、自分の契約から先に補償を受けられるため、安心して治療に専念できます。
また、相手が無保険車だった場合でも人身傷害保険を付帯していれば、自分の保険会社から必要な治療費が支払われます。交渉が難航する間でも経済的不安を抱えずに済むのは大きな安心材料です。
人身傷害保険の必要性

交通事故は突然発生し、治療費や収入減が長期化することもあります。十分な補償がなければ、生活水準の低下につながりかねません。人身傷害保険は「自分や家族を守る備え」として重要な位置づけといえます。
特に以下のような方は必要性が高いと考えられます。
・自営業やフリーランスで休業補償がない方
・扶養家族が多い子育て世帯
・家事従事者の労働を補償したい家庭
・相手の保険に依存せず確実に補償を受けたい方
人身傷害保険と他の特約との違い

人身傷害保険と混同されやすい特約に「搭乗者傷害保険」と「無保険車傷害保険」があります。
・搭乗者傷害保険:入院や通院日数・部位に応じて定額支払。実際の損害額とは連動しない。
・無保険車傷害保険:相手が無保険や当て逃げで死亡または後遺障害を負った場合に補償。ただし死亡・後遺障害に限定され、回復見込みのあるケガ(治療費)は対象外。
例えば、相手が無保険で示談交渉が長引いても、人身傷害保険を付帯していれば治療費や生活費の補償を受けながら治療に専念できます。補償範囲の違いを理解しておくことで、安心度が大きく変わります。
人身傷害保険を付帯する際の選び方

人身傷害保険を選ぶ際には、補償範囲と補償額を慎重に検討することが大切です。
・「搭乗中のみ」か「日常生活中も対象」かを確認する
・補償額は最低3,000万円以上を目安にする
・家族構成や働き方に応じて設定を見直す
・他の傷害保険との重複を確認する
生活スタイルや家計状況に応じて、自分に合った補償内容を選ぶことが安心につながります。
まとめ
人身傷害保険は、事故の過失割合や相手の保険状況に左右されず、実際の損害額を補償してくれる心強い備えです。搭乗者傷害保険や無保険車傷害保険と組み合わせれば、より幅広いリスクに対応できます。
今すぐ以下の点を確認してみましょう。
・補償範囲(搭乗中のみか、日常生活中も対象か)
・補償金額(最低3,000万円以上が目安)
・無保険車傷害保険など特約の有無と制限内容
・ご自身の保険証券に記載された補償内容
保険証券を手元に取り出し、契約内容を確認してみることから始めましょう。
参考情報
金融庁|保険契約に関する説明資料(自動車保険関連を含む)
日本損害保険協会|自動車保険の基礎知識
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。