自動車保険
ファミリーバイク特約のメリットと仕組み|家族が乗る原付も補償?

自動車保険には、車を所有していなくても原付を運転する機会がある人に役立つ特約があります。それがファミリーバイク特約です。本記事では、仕組みやメリット、注意点を分かりやすく解説します。
ファミリーバイク特約とは?補償範囲と仕組みを解説

ファミリーバイク特約とは、自動車保険に付帯できる特約で、原付による事故の対人賠償・対物賠償などを補償する仕組みです。ここでいう原付は、制度改正により次のとおり整理されています(令和7年4月1日施行)。
・二輪(内燃機関):従来の50cc以下に加え、50cc超〜125cc以下かつ最高出力4.0kW以下の車両も原付として原付免許で運転可能。
・二輪(内燃機関以外=電動等):原付一種は定格出力0.60kW以下、原付二種は定格出力1.00kW以下が上限。
・(注)側車付・三輪等は別基準が適用されるため、該当する場合は最新の行政資料で確認すること。
補償対象者は契約者本人、配偶者、同居の家族まで含まれます。また補償対象の車両は、所有している原付だけでなく、借りた原付も対象となります。
ファミリーバイク特約に加入する3つのメリット

ファミリーバイク特約に加入する最大のメリットは、コストパフォーマンスの高さにあります。
・メリット1:保険料が安い
個別に原付の任意保険に入るよりも、特約として付帯する方が安価なことがほとんどです。
・メリット2:家族全員が補償対象
契約者だけでなく、配偶者や同居の家族まで補償されるため、家族で複数台の原付を利用している場合に非常に有効です。
・メリット3:対人・対物賠償が手厚い
自動車保険の補償額がそのまま適用されるため、万が一の事故でも高額な賠償責任にしっかり備えられます。
補償対象外となるケースと注意点

便利ですが、ファミリーバイク特約には補償対象外となるケースもあります。
・補償されないケース:125ccを超えるバイクでの事故、業務での利用、契約車両での事故など。
・注意点:特約は自動車保険に付帯するため、自動車保険を解約すると特約も失効します。
人身傷害補償と自損事故補償の違い

ファミリーバイク特約を付けるときは、付帯する人身傷害補償や自損事故補償の違いも理解しておくことが大切です。
・人身傷害補償は、自分や同乗者のケガの治療費や休業損害を実際の損害額に基づいて幅広くカバーします。
・自損事故補償は、単独事故や相手に賠償請求できない事故での補償ですが、限度額が低めに設定されています。
等級制度への影響(ノーカウント事故)

通常の自動車事故では事故有係数によって等級が下がり翌年の保険料が上がりますが、ファミリーバイク特約による事故はノーカウント事故に分類されるため、自動車保険の等級には影響しません。これは家計に優しいポイントといえます。
まとめ|ファミリーバイク特約の活用ポイント
ファミリーバイク特約は、原付を運転する可能性がある家族がいる場合に、低コストで手厚い補償を得られる非常に有効な特約です。
ただし、補償対象外の条件や、契約する自動車保険を解約すると特約も同時に失効する点には注意が必要です。制度の見直しで原付の範囲が拡大しているため、保険に加入する前に最新の定義を確認しておくと安心です。
出典
・警察庁:一般原動機付自転車の車両区分の見直しについて
・国土交通省:一般原動機付自転車について
・金融庁:保険会社向けの総合的な監督指針
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。