がん保険
がん診断一時金は「複数回」もらえる?再発・転移に備える保険の選び方

がんは、一度治療が終わっても再発や転移のリスクがつきまとう病気です。そのため、診断一時金が1回限りしか受け取れないがん保険では、万が一の再発・転移に備えるには不十分な可能性があります。
この記事では、がん診断一時金が複数回受け取れるがん保険の仕組みを解説します。給付の条件や、がんの再発・転移リスクを詳しく掘り下げ、複数回給付型を選ぶべき人の特徴まで。再発や転移に備えた賢いがん保険の選び方を提案します。
診断一時金の仕組み:複数回給付型と1回限りタイプ

がん保険の診断一時金には、大きく分けて「1回限り」と「複数回給付型」の2種類があります。
1回限りタイプ:最初の診断のみを保障
特徴:
がんと診断された際に、一度だけ診断一時金が支払われます。
メリット:
保険料が複数回給付型よりも割安です。
デメリット:
がんの再発や転移で再度治療が必要になった場合、給付金を受け取れません。
複数回給付型:再発や転移にも備える
特徴:
がんの再発や転移、あるいは2度目のがんと診断された場合に、複数回にわたって診断一時金が支払われます。
メリット:
・再発・転移に備えられる: がんの再発・転移リスクが高い方でも安心して備えられます。
・治療が長期化しても安心: 治療が長期にわたる場合でも、その都度給付金が受け取れるため、家計の負担を軽減できます。
デメリット:
保険料が1回限りタイプよりも割高になります。保険料は、1回限りタイプと比べて10%〜30%程度割高になることが多いです。
診断一時金を複数回受け取るための条件と注意点

複数回給付型のがん保険でも、無条件で何回でも給付金を受け取れるわけではありません。
給付の条件と回数
給付条件:
2回目以降の診断一時金を受け取るには、前回の診断確定から1〜2年以上が経過していることが条件となることが多いです。
給付要件の多様性:
がんの「診断確定」のみで給付金を受け取れる商品もあれば、がんの治療を直接の目的として「入院」や「通院」をした場合に限って給付金を受け取れる商品もあります。
給付回数の上限:
多くの商品で、「5回まで」や「無制限」など、給付回数の上限が設定されています。
【給付例】
・1回目: 乳がんと診断(100万円給付)
・3年後: 乳がんの転移と診断(100万円給付)
・5年後: 大腸がんと診断(100万円給付)
再発・転移のリスクと備え
・再発・転移のリスク:
がんは、一度治療が終わっても、再発・転移するリスクがつきまといます。
・複数回給付型の必要性:
がんの再発・転移が心配な方や、治療が長期化する可能性がある病気に備えたい場合は、複数回給付型のがん保険を検討しましょう。
複数回給付型を選ぶべき人の特徴

複数回給付型のがん保険は、以下のようなニーズを持つ方に特におすすめです。
1.がんと再発・転移のリスクに備えたい人:
家族にがんの既往症がある方や、がんの再発・転移が特に心配な方。
2.治療が長期化しても家計の負担を減らしたい人:
診断一時金は、治療費だけでなく、仕事を休んだ間の生活費にも充当できます。
3.高齢になっても安心したい人:
がんのリスクは年齢とともに高まります。高齢になっても、再発・転移に備えたい方。
まとめ:がんに何度向き合っても、安心の備えを
がん診断一時金の「複数回給付型」は、再発や転移のリスクに備える上で非常に重要な保障です。
・1回限りタイプは保険料が安い一方、複数回給付型は再発や転移にも備えられます。
・2回目以降の給付金を受け取るには、前回の診断確定から1〜2年以上が経過していることが条件となるのが一般的です。
・ご自身のライフプランや、がんのリスクを考慮して、最適な診断一時金のタイプを選びましょう。
この記事が、がんのリスクに対してしっかりと備え、いざという時も安心して治療に向き合える保険選びの一助となれば幸いです。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。