がん保険
がん保険の給付金に税金はかかる?確定申告と医療費控除の注意点

がん保険は、がんと診断された際にまとまったお金を受け取れる心強い保障です。しかし、この給付金が収入とみなされ、税金の対象になるのではないかと不安に思う方もいるかもしれません。
この記事では、がん保険の給付金に税金がかかるのか、その仕組みを解説します。給付金が非課税である理由、そして医療費控除を申告する際の給付金の取り扱いまで。がん保険の給付金に関する税金の知識を身につけ、安心して給付金を受け取るためのヒントを提案します。
がん保険の給付金は「非課税」が原則

結論から言うと、がん保険から受け取った給付金は、原則として所得税・住民税の対象とならない「非課税所得」です。
非課税である理由
所得ではない:
がん保険の給付金は、がんにかかったことによる経済的損失を補填するためのものであり、給与や事業所得のような「所得」には該当しません。
税法上の規定:
所得税法には、医療保険の給付金が非課税所得であると明確に規定されています。
参考:所得税法施行令第30条第1号
非課税となる主な給付金
がん保険の給付金で、非課税となる主な給付金は以下の通りです。
がん診断一時金:
がんと診断された際に支払われる給付金。
入院給付金:
がんによる入院日数に応じて支払われる給付金。
手術給付金:
手術を受けた場合に支払われる給付金。
抗がん剤治療給付金:
通院での抗がん剤治療費用をカバーする給付金。
先進医療給付金:
先進医療にかかる技術料を補償する給付金。
がん保険の給付金を受け取った際の注意点

がん保険の給付金は非課税ですが、いくつか注意すべき点があります。
確定申告は不要だが、医療費控除との関係に注意
確定申告:
給付金は非課税所得であるため、原則として確定申告をする必要はありません。
医療費控除:
・1年間に支払った医療費が一定の金額を超えた場合、所得から控除され、税金が軽減される制度です。
・控除額の基準は、年間10万円です。ただし、年収200万円未満の人は、総所得金額等の5%が基準となります。
参考:国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
給付金の扱い:
・医療費控除を申告する際、給付金を受け取った場合は、その金額を医療費から差し引いて計算する必要があります。
【補足】: 保険金などで補填される金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。引ききれない金額が生じた場合であっても、他の医療費からは差し引きません。
注意点:
給付金を申告せずに医療費控除を受けると、税務上の問題となる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ:給付金は非課税だが、医療費控除との関係に注意
がん保険から受け取った給付金は、原則として非課税所得です。
・給付金は所得ではない:
治療費や生活費を補填する目的のため、所得とはみなされません。
・医療費控除:
医療費控除を申告する際には、給付金の金額を医療費から差し引いて計算する必要があります。
・税務知識:
がん保険の給付金に関する税金の知識を身につけておくことで、安心して給付金を受け取れます。
この記事を参考に、がん保険の税制メリットを最大限に活かし、家計の負担を軽くしてください。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。