就業不能保険
精神疾患でも加入できる?就業不能保険の条件・審査・選び方を徹底解説

本記事では、精神疾患を持つ方向けに「どこがハードルになりやすいか」「どう準備すれば通りやすいか」に焦点を当て、専門的なFP視点から実践的なアドバイスをお届けします。精神疾患でも備えを諦めず、自分に合った就業不能保険を見つけるお手伝いをします。
精神疾患と就業不能保険の関係

精神疾患(例:うつ病、パニック障害、双極性障害など)があると、「就業不能」の原因として頻度が高まる一方で、その保障対象として認めてもらえるかどうかが加入の鍵となります。保険会社は「労働不能の原因として精神疾患をどう捉えるか」によって対応が異なり、病歴の詳細や治療経過が重要評価材料となります。
加入条件の現状と制限されやすいポイント

精神疾患を持つ場合、加入条件において制限されやすいポイントは以下の通りです。
・告知義務の重要性:精神疾患の既往がある場合、正直な告知が必須です。隠すと後で給付が受けられなくなる可能性があります。
・病歴の長さと再発リスク:過去5年以内の入院歴や再発回数が多いと加入が難しくなる傾向があります。
・現在の治療状況:通院・服薬中の場合、保険会社によって「待機期間」や「免責期間」が設けられることがあります。
・保険会社ごとの差異:各社の約款条項により、精神疾患を保障対象に含めるか否かが異なります。
精神疾患を保障するプランの例

・精神疾患特約付きプラン
・給付金額が柔軟に選択できるタイプ
・所得補償型
これらを比較する際は、「精神疾患を原因とした就業不能にも対応可能か」という視点が重要です。
加入審査を通過するための準備

・医師の診断書や通院記録の整理
・治療状況の安定証明
・診療情報提供書の活用
・家族歴やストレス因子の整理
免責期間や給付期間の違い

・免責期間:保険金が支払われるまでの待機期間。短いほど早く給付されますが、保険料は高め。
・給付期間:「最長2年」「5年」「65歳まで」など。精神疾患は長期化する場合もあるため期間設定が重要です。
・FP提案例:短期型と長期型を併用し、コストと安心を両立する方法。
実際の給付事例と体験談

ケースAさん(30代・女性):うつ病で2ヶ月休職し、免責1ヶ月後から給付開始。再度給付を受けた経験もあり保障の大切さを実感。
ケースBさん(40代・男性):6ヶ月以上症状安定を証明し、正確な告知で加入。給付時の対応にも満足。
加入前に確認すべきこと

・告知義務の範囲を理解しているか
・治療記録・診断書を整理しているか
・免責期間・給付期間が自分のリスクに合っているか
・給付条件や免責条項の確認
・FP事例に基づいた加入時期・プラン選定ができているか
まとめ
精神疾患があっても就業不能保険は備えを諦めさせるものではありません。正確な告知、治療状況の整理、条件選びの工夫、FPや主治医との連携により、自分に合った保障は見つけられます。生活の安定につながる備えを、今こそ見直してみましょう。
参考資料/リンク
・厚生労働省:令和5年(2023年)患者調査 – 精神疾患の推計患者数(入院・外来別)
令和5年時点では、精神疾患全体の推計患者数は最新値で、外来患者が大半を占めています。現状把握に最も適した一次情報です。
・厚生労働省:令和2年(2020年)患者調査 – 精神疾患を有する総患者数の推移
令和2年時点では約614.8万人と報告され、入院患者数は約28.8万人、外来患者数は約586.1万人でした。令和5年データと比較することで増減傾向がわかります。
・金融庁:保険監督指針(令和7年7月)に見る「就業不能保険」の位置付け
金融庁の最新の監督指針において、就業不能保険が「第三分野の個人保険」に分類されていることを明記しています。制度的な位置づけや監督方針を理解するのに役立ちます。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。