がん保険
がん治療費はいくらかかる?手術・抗がん剤の費用と備え方

がんと診断された場合、最も不安なことの一つが「治療費」ではないでしょうか。公的医療保険には高額療養費制度がありますが、それでも自己負担額が多額になったり、公的医療保険の対象外となる費用が発生したりするため、家計に大きな負担となる可能性があります。
この記事では、がんの主な治療法とその費用相場を解説します。公的医療保険でカバーできない費用を明確にし、がん保険が果たす役割を掘り下げます。がんと向き合う上で、お金の心配を減らすための賢い備え方を提案します。
がん治療費が高額になる理由

がん治療費が高額になる主な理由は、治療が長期にわたることと、高額な治療法があるためです。
がんの治療法と費用相場
・手術: がんの部位や進行度によって異なりますが、比較的費用がかかる治療法です。
・放射線治療: 陽子線治療や重粒子線治療など、高度な技術を用いる治療法は、高額な費用がかかります。
・抗がん剤治療: 抗がん剤治療は、入院だけでなく通院での治療が中心となるケースが増えています。治療期間が長期にわたるため、費用が積み重なっていきます。
治療費の自己負担額の平均
厚生労働省の「医療給付実態調査(令和5年度)」によると、がんによる入院費用の平均は以下の通りです(健康保険適用前)。
・胃の悪性新生物<腫瘍>: 約69.7万円
・結腸の悪性新生物<腫瘍>: 約68.6万円
・乳房の悪性新生物<腫瘍>: 約62.6万円
・悪性リンパ腫: 約135万円
・白血病: 約190万円
出典:厚生労働省「医療給付実態調査(令和5年度)」第3表
公的医療保険の限界と、がん保険の役割

公的医療保険は、がんの治療費をカバーしてくれますが、その保障には限界があります。
公的医療保険の限界
・先進医療費: 厚生労働大臣が承認した先進医療の技術料は、公的医療保険の対象外となり、全額自己負担です。
・差額ベッド代: 入院中に個室などを選んだ場合の費用です。
・入院中の雑費: 入院中の食事代や、日用品などの雑費です。
がん保険が果たす役割
がん保険は、この公的医療保険では賄えない費用をカバーする役割を担います。
・診断一時金: がんと診断された際に、まとまったお金を一時金として受け取れます。
がん診断一時金について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
がん診断一時金はいくら必要?相場と金額の決め方を解説
・抗がん剤治療給付金: 通院での抗がん剤治療費用をカバーします。
・先進医療給付金: 先進医療の技術料を保険金額の範囲内で保障します。保険金額は保険会社によって異なりますが、1,000~2,000万円が一般的です。
先進医療給付金については、以下の記事をご覧ください。
なぜ必要?医療保険の「先進医療特約」が果たす役割
がん治療に備えるための保険選びのポイント

がん治療に備えるための保険は、以下のポイントを考慮して選びましょう。
1.診断一時金の金額:
がん診断一時金は、治療費だけでなく、仕事を休んだ間の生活費にも充当できます。ご自身の貯蓄額や収入状況を考慮して、金額を決めましょう。
2.抗がん剤治療への備え:
近年、がん治療は通院が中心となるケースが増えています。通院での抗がん剤治療給付金がある保険を選びましょう。
3.先進医療特約:
先進医療の技術料は高額になる可能性があるため、先進医療特約を付加することを検討しましょう。
まとめ:がん治療に備えるための保険選び
がんと診断された場合、治療費だけでなく、仕事を休んだ間の生活費など、お金の心配は尽きません。
・公的医療保険を土台に、がん保険でカバーできない費用を補うという考え方で備えましょう。
・診断一時金、抗がん剤治療給付金、先進医療特約など、複数の給付金を組み合わせることで、万全の備えができます。
・ご自身のライフプランや、がんへの備え方について検討し、最適な選択をしましょう。
この記事が、ご自身やご家族のがん治療費への備えを検討する際の参考になれば幸いです。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。