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NISAで教育資金を準備!ジュニアNISA廃止後の新NISA活用法

2023年末をもってジュニアNISAの新規投資が終了し、お子さんの教育資金を非課税で準備する方法に悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか。しかし、ご安心ください。新たに始まった新NISAは、親御さんの名義で活用することで、ジュニアNISAに代わる、いやそれ以上の頼れる教育資金準備ツールとなり得ます。
この記事では、ジュニアNISA廃止後の教育資金準備に特化し、新NISAをどう活用すべきかを具体的に解説します。NISAの非課税メリットを最大限に活かし、お子さんの未来のための学費を効率的に準備する方法を提案します。
ジュニアNISA廃止後の教育資金準備:課題と新NISAへの期待

ジュニアNISAは、未成年者向けの非課税投資制度として教育資金準備に活用されてきましたが、2023年末で新規投資が終了しました。これに伴い、親御さんの間では「次にどうすればいいのか」という新たな課題が生まれています。
ジュニアNISA廃止後の課題
・非課税で子ども名義での投資ができない: 子ども自身が口座名義人となる非課税制度はなくなりました。
・資金拘束がない非課税制度の必要性: 学資保険のように途中で引き出しにくい制度ではなく、必要な時に柔軟に引き出せる非課税制度へのニーズは依然として高いです。
新NISAへの期待:教育資金準備の新たな主役
2024年に始まった新NISAは、親御さん自身の名義で利用する制度ですが、その特徴から教育資金準備の新たな主役として大きな期待が寄せられています。
・非課税期間が無期限: 大学入学までの約18年間(お子さんの年齢による)を非課税で運用できる期間として活用できます。
・非課税保有限度額1,800万円: 生涯で使える大きな非課税枠を、教育資金準備に充てられます。
・売却後の枠復活: 教育資金として使った枠は翌年以降に復活するため、教育資金準備後に自身の老後資金などのために再活用できます。
・柔軟な資金引き出し: ジュニアNISAのような資金拘束がなく、必要な時にいつでも引き出しが可能です。
新NISAで教育資金を準備する具体的な活用法

新NISAの特性を最大限に活かして、教育資金を効率的に準備するための具体的な方法を見ていきましょう。
「つみたて投資枠」をメインに活用する
教育資金は、特定の時期(高校・大学入学時など)にまとまった金額が必要になるため、リスクを抑えつつ着実に増やす「つみたて投資枠」(年間120万円まで)がメインの活用法となります。
・長期・積立・分散投資を徹底: お子さんが小さいうちから、毎月コツコツと自動積立を行いましょう。積立期間が長ければ長いほど、ドルコスト平均法(購入時期を分散して高値掴みのリスクを抑える方法)の恩恵と複利効果を最大限に享受できます。
長期・積立・分散投資について、詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
長期・積立・分散投資とは?資産運用の王道で不安を解消し、賢く増やす方法
・低コストのインデックスファンドを選ぶ: 信託報酬(運用コスト)が低い全世界株式インデックスファンドやS&P500連動型ファンドがおすすめです。これ1本で世界中の株式に分散投資できるため、リスクを抑えながら安定的な成長が期待できます。教育資金は特定の時期に確実に必要な資金なので、広範囲に分散された商品を選びましょう。
NISAでインデックスファンドとアクティファンドのどちらが良いか迷ったら、以下の記事を参考にしてください。
NISAでインデックス投資 vs アクティブ投資!あなたに合うのはどっち?
・無理のない積立額を設定: 教育資金の目標額(例:大学入学までに500万円)から逆算し、毎月無理なく続けられる金額を設定します。例えば、お子さんが0歳から大学入学までの18年間で500万円を貯めるなら、年率3%運用で月々約1.9万円の積立が必要です。家計を圧迫しない範囲で積立額を設定し、継続することが何よりも重要です。ボーナス月に増額設定ができる金融機関もあります。
「成長投資枠」は補完的に活用する
年間240万円の「成長投資枠」は、つみたて投資枠の補完として活用できます。
・教育資金専用の「サテライト」: つみたて投資枠では選べない、特定のテーマに特化した投資信託や、高配当株などを組み入れることも可能です。ただし、教育資金は特定の時期に確実に必要な資金なので、リスクの高い個別株に集中しすぎないよう注意し、全体のポートフォリオバランスを考慮しましょう。
・バランス型ファンドの活用: 株式と債券など複数の資産に分散されたバランス型ファンドを成長投資枠で活用するのも良いでしょう。リバランスの手間が省けるものもあります。
必要な時期に応じた「出口戦略」を計画する
お子さんが進学する時期が近づいたら、NISA口座の資産を計画的に現金化する準備を始めましょう。
・段階的な売却: 必要な時期の1〜2年前から、少しずつ資産を売却していく「段階的な売却」を検討しましょう。これにより、市場の急な変動によるリスクを分散させることができます。
・リスクの低い商品への移行: 進学時期が近づき、必要となる資金が明確になったら、保有している資産をより価格変動リスクの低い預貯金などに移し替えることも検討しましょう。
ジュニアNISAとの違いと新NISAのメリット再確認

ジュニアNISAは未成年者名義で運用できましたが、資金が原則18歳まで引き出せない「資金拘束」というデメリットがありました。新NISA(親名義)にはこの資金拘束がありません。
新NISAで教育資金を準備するメリット
・資金の柔軟性: 必要な時にいつでも引き出しが可能なので、急な教育費(塾代、留学費用など)にも対応しやすいです。
・親の非課税枠を有効活用: 親自身の老後資金準備と並行して、一つのNISA口座で効率的に資産形成できます。
・生涯非課税枠の再利用: 教育資金として使った非課税枠は翌年以降に復活するため、教育費のピークが過ぎた後に、自身の老後資金のためにその枠を再活用できます。
まとめ:NISAで子どもの未来を切り拓く!
ジュニアNISAの廃止後も、新NISAは子どもの学費という大きな目標を非課税で効率的に準備するための、頼れる制度です。非課税期間が無期限である新NISAを活用すれば、子どもの成長とともに資産も着実に育てていくことができます。
学費の目安を把握し、無理のない積立額で、低コストの投資信託を中心に長期・積立・分散投資を継続すること。そして、将来の資金ニーズに合わせた出口戦略をイメージすることが重要です。
今日からNISAを活用して、お子さんの未来への投資をスタートさせ、安心して夢を追いかけられる環境を整えていきましょう!
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。