火災保険
火災保険の水漏れ事例を徹底解説!あなたの家は大丈夫?

この記事では、実際に火災保険が適用された水漏れ事例を具体的にご紹介します。
ご自身の物件の火災保険がどの程度の範囲をカバーしているのか、水漏れによるリスクに備えられているかの参考にしてください。
※火災保険の補償範囲によっては、ご紹介する全てのケースで保険金が支払われるわけではありません。ご加入中の火災保険の約款を必ずご確認ください。
火災保険で補償される水漏れ事例
水漏れの原因は多岐にわたりますが、ここでは火災保険が適用されやすい代表的な事例をいくつかご紹介します。
枯葉づまりによる水漏れ
秋になり紅葉が美しい季節は、同時に落ち葉が増える季節でもあります。ご自宅であれば気づきやすいのですが、賃貸物件など管理が行き届きにくい場合、思わぬ水漏れにつながることがあります。
事例: 排水溝に枯葉が詰まり、排水管が破損。その結果、壁や天井にシミができたり、ひどい場合は屋根裏の断熱材まで損害が及ぶケースがあります。これらの修理費用も火災保険の補償対象となる場合があります。
洗濯機のホース外れによる水漏れ
日常生活で起こりうる、身近な水漏れ事故の一つです。
事例: 帰宅したら洗濯機のホースが外れており、部屋が水浸しになっていたというケース。賃貸アパートであれば、火災保険の「借家人賠償責任保険」などで対応できる場合があります。
ご自宅の場合、「不測かつ突発的な事故」として火災保険の補償対象となる可能性があります。ただし、ご自身の過失が大きいと判断される場合、保険金が支払われないこともあります。
まずはご加入の保険会社にご相談ください。
凍結による水漏れ
冬の寒い時期に増加する水漏れ事故です。
事例: 給排水管が凍結し、膨張して亀裂が入る。その後、気温が上昇して水に戻ると、その亀裂から水漏れが発生するというのが典型的なパターンです。
ご加入の火災保険に水漏れに関する補償が含まれていれば、このケースも補償の対象となります。
これは給排水設備からの水漏れという項目が火災保険の対象に含まれていれば対象になります。
孔食(ピンホール)による水漏れ
年間を通して最も多い水漏れの原因が、この孔食によるものです。
事例: 古い物件の給排水設備によく使われている銅管に、経年劣化によって小さな穴(ピンホール)が開き、そこから水漏れが発生するケースです。
ピンホールとは、配管の内部が部分的に腐食して小さな穴が開く現象のことを指します。ここから水が漏れて、気づかないうちに天井や床にシミができたり、大切な家財が濡れてしまったりする場合があります。
ピンホールは火災保険に水漏れの補償が含まれていれば、補償の対象になる場合があります。
- 建物への被害: 天井や床のシミ・汚損は、建物の火災保険で修理費がカバーされます。
- 家財への被害: 家具や家電が濡れて使えなくなった場合は、家財保険に入っていれば補償の対象です
なお、何らかの原因で給排水設備で火災保険が支払われた場合でも、給排水管そのものの損傷は補償対象外となるのが一般的なので、注意してください。
ピンホールは「あれ?」と思ったら早めの対処がカギ!
ピンホールは、事故の特性上、一度発生すると他の場所にも生じる可能性が高いという特徴があります。だからこそ、早期発見・早期対処が大切です。
- 水道代が急に上がった? 「いつもと比べて水道代が高いな…」と感じたら、床下などでピンホールによる水漏れが起きているサインかもしれません。放置すると、建物の柱が腐食するなど、取り返しのつかない事態になる可能性も!
- 繰り返しの事故に注意! 残念ながら、同じ原因で何度も水漏れが起こると、保険金の支払いを断られるケースもあります。ピンホールが見つかったら、根本的な修理を検討しましょう。
賃貸オーナーさんも要注意!入居者への補償は?
賃貸アパートのオーナーさんは、共用部分の配管からの水漏れで入居者の家財に損害を与えてしまった場合、オーナーの責任になります。
- オーナーご自身の建物被害: これは火災保険で対応できる可能性があります。
- 入居者の家財被害: ここはオーナーの施設賠償責任保険で弁償する必要が出てきます。
オーナーさんは、火災保険と施設賠償責任保険の両方に加入して、しっかりリスクに備えてくださいね。
火災保険では補償されない典型的なケース「雨漏り」
ここまで水漏れの事例をご紹介しましたが、残念ながら火災保険で補償されない典型的な水漏れ事例があります。それが「雨漏り」です。「すがもり」とも呼ばれます。
しかし、例外もあります。例えば、雪の重さで屋根がへこんだり破損したりして発生した水漏れは、「雪害」として火災保険の補償対象となる場合があります。
火災保険の水漏れで家財はどうなる?
水漏れで建物が損害を受けた場合、水漏れが補償の対象になっていれば、建物の火災保険で修理費用が補償されます。しかし、室内の家具や家電製品などの家財が水浸しになってしまった場合、建物の火災保険だけでは補償されません。
家財を守るためには、建物とは別に「家財保険」に加入しておく必要があります。家財保険も建物と同様の水漏れも補償範囲に含まれていれば、水漏れによる家財の損害も補償の対象となります。
火災保険は「お守り」ではありません
火災保険は単なる「お守り」ではありません。特にインターネットで火災保険を価格だけで選んでしまうと、いざという時に補償されるはずのケースを見落としてしまうことがあります。
自動車事故のように明らかに事故が発生すれば保険会社に連絡するでしょうが、水漏れのように判断が難しいケースでは、そもそも保険金が支払われる可能性があることに気づかず、連絡しないままにしていることも少なくありません。
ご自身の火災保険が水漏れリスクに備えられているか、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか。ご不明な点があれば、加入されている保険会社や保険の専門家にご相談いただくことをお勧めします。