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iDeCoの運用記録が消えた?過去の運用実績を確認する方法

「昔の運用実績を確認したいけど、どうやって調べればいいの?」
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、何十年にもわたる長期運用が基本です。そのため、過去にさかのぼって運用実績を確認したい、あるいは昔の記録がどこにあるか分からなくなってしまった、という方もいるかもしれません。iDeCoの運用記録は、年末調整や老後の受け取り時など、さまざまな場面で重要になります。
この記事では、iDeCoの運用記録や過去の運用実績をどこで確認できるのか、その具体的な方法を解説します。そして、過去の運用履歴がなぜ重要なのか、その理由(実績確認、税務上の確認)を掘り下げ、安心してiDeCoを運用し続けるためのヒントを提案します。
過去のiDeCo運用実績を確認する方法

iDeCoの運用実績は、主に以下の2つの方法で確認できます。
運用管理機関の「加入者サイト」で確認する
確認方法:
・iDeCo口座を開設している金融機関(運営管理機関)のウェブサイトやアプリにログインし、「加入者サイト」のマイページから確認できます。
・マイページ内の「運用状況」「口座情報」「取引履歴」といったメニューから、過去の運用実績や資産の内訳、掛金の拠出履歴などを閲覧できます。
履歴の表示期間に注意:
多くの金融機関では、直近数年分や、口座開設時からの運用履歴をウェブサイト上で確認できます。しかし、長期間にわたるすべての履歴がウェブサイト上には表示されない場合もあります。
運営管理機関から送付される「書類」で確認する
運用報告書:
毎年1回、国民年金基金連合会や運営管理機関から「確定拠出年金残高のお知らせ」といった名称で運用報告書が送付されます。この書類には、過去1年間の運用実績や資産構成などが詳細に記載されています。
掛金払込証明書:
毎年送付される「小規模企業共済等掛金払込証明書」にも、その年の掛金拠出額の記録が残っています。
【重要】
もしウェブサイト上で古い運用履歴が見当たらない場合は、運営管理機関に連絡して、過去の運用報告書や取引履歴を再発行してもらうことで確認できます。再発行には手数料がかかる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
過去の運用履歴の重要性

iDeCoの過去の運用履歴を定期的に確認することは、いくつかの重要な意味を持ちます。
運用の「振り返り」と改善(見直し)
運用成績の評価:
・過去の運用実績(評価額、利回りなど)を確認することで、ご自身の運用が計画通りに進んでいるか、客観的に評価できます。
・「目標達成に必要なペースに達しているか?」などを判断する材料になります。
運用商品の見直し:
長期にわたる運用履歴を分析することで、当初選んだ運用商品が、その後どのようにパフォーマンスを上げてきたか、あるいは市場平均と比較してどうだったかなどを評価できます。もし、運用成績が振るわない場合は、運用商品の変更(スイッチング)を検討するきっかけにもなります。
税務上の確認に必要
老後の受け取り時:
・iDeCoの資産を老後に一時金で受け取る場合、「退職所得控除」が適用されますが、その計算にはiDeCoの「加入期間」が重要になります。運用履歴は、この加入期間を証明する資料にもなり得ます。
【補足】退職金とiDeCoの一時金:
iDeCoの一時金と会社の退職金を同じ年に受け取ると、退職所得控除の枠が合算され、税負担が増える可能性があります。このため、受け取る時期をずらすなど、退職金とiDeCo資産の受け取り方を事前に計画することが重要です。
所得控除の確認:
毎年、年末調整や確定申告でiDeCoの掛金控除を適用しますが、過去の控除額を再確認したい場合などに、運用履歴が役立ちます。
まとめ:iDeCoの運用記録は「振り返り」と「安心」の証
iDeCoの過去の運用記録は、単なる履歴ではありません。
・運用管理機関のマイページや郵送される書類で、あなたの運用実績を定期的に確認しましょう。
・過去の履歴を分析することで、運用の振り返りや改善に役立てることができます。
・また、税務上の確認にも必要な重要な記録です。
iDeCoは長期にわたる運用だからこそ、記録を大切に保管し、定期的に確認する習慣を身につけましょう。これが、安心してiDeCoを運用し、豊かな老後を築いていくための土台となります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。