iDeCo
iDeCoの確定申告はe-Taxでより簡単に!手続きの流れ

iDeCo(個人型確定拠出年金)の最大のメリットの一つは、毎月拠出した掛金が全額所得控除となり、所得税と住民税が安くなることです。この節税メリットを受けるには、自営業者の方や年末調整で手続きをし忘れた会社員の方は、確定申告で手続きを行う必要があります。
しかし、確定申告と聞くと複雑で面倒なイメージを持つ方もいるかもしれません。ご安心ください。近年、確定申告の電子化(e-Tax)が進み、iDeCoの控除手続きも以前に比べて格段に簡単になりました。
この記事では、iDeCoの掛金控除をe-Taxで手続きする方法を解説します。e-Taxのメリットから、確定申告の流れ、必要な書類まで。iDeCoの節税メリットを確実に受け取るための、スムーズな手続きのヒントを提供します。
確定申告の電子化(e-Tax)でiDeCoの控除手続きが簡単に

e-Taxとは、国税庁が運営する国税電子申告・納税システムのことです。インターネットを通じて確定申告の申請や納税ができるサービスで、iDeCoの掛金控除もe-Taxで簡単に手続きできます。
e-TaxでiDeCoの控除手続きをするメリット
1.自宅で手続きが完結: 税務署の窓口に行く必要がなく、パソコンやスマートフォンから、いつでも自分の好きな時間に手続きができます。
2.書類の添付が不要: iDeCoの掛金控除には「小規模企業共済等掛金払込証明書」の提出が必要ですが、e-Taxで手続きすれば、この証明書の原本の提出を省略できる場合があります。
3.自動計算でミスが少ない: 画面の案内に従って金額を入力していくだけで、税額が自動で計算されます。計算ミスが起こりにくく、初めて確定申告を行う方でも安心です。
4.還付がスピーディー: 還付金がある場合、書面での申告に比べて、e-Taxでの申告は通常3週間程度と、より早く還付されます。
e-Tax利用に必要なもの
・マイナンバーカード: e-Taxで手続きを行うためには、マイナンバーカードが必須です。
・ICカードリーダー: パソコンで手続きする場合に、マイナンバーカードを読み込むための機器。
・スマートフォン: スマートフォンからでも、マイナンバーカード対応機種であれば手続きが可能です。
e-Taxを使ったiDeCoの確定申告の流れ

ここでは、e-Taxを使ってiDeCoの掛金控除を行うための具体的な流れを、ステップバイステップで解説します。
ステップ1:必要な書類を手元に準備する
手続きを始める前に、以下の書類を手元に準備しましょう。
・小規模企業共済等掛金払込証明書:
iDeCoに拠出した掛金の総額を証明する書類です。毎年10月下旬〜11月上旬頃に国民年金基金連合会から郵送されてきます。
・源泉徴収票(会社員の場合):
勤務先から受け取った源泉徴収票です。
・その他の控除に必要な書類:
医療費の領収書や生命保険料の控除証明書など、他の控除も申告する場合は準備しておきましょう。
・マイナンバーカード:
手続きには必須です。
ステップ2:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で入力
国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、画面の案内に従って入力します。
1.申告内容の選択: 「所得税」を選択し、申告内容(給与所得、事業所得など)に応じて入力項目を選択します。
2.源泉徴収票の入力: 会社員の場合は、勤務先から受け取った源泉徴収票に記載されている金額をそのまま入力します。
3.iDeCoの掛金控除の入力:
・「所得から差し引かれる金額」の欄にある「小規模企業共済等掛金控除」の項目を選択します。
・手元にある「小規模企業共済等掛金払込証明書」に記載された、その年のiDeCo掛金総額を入力します。
・e-Taxではこの証明書の原本の提出は省略できます。
4.その他の控除の入力: 医療費控除や生命保険料控除など、他に申告したい控除があれば入力します。
ステップ3:e-Taxで提出
すべての入力が完了したら、マイナンバーカードを使ってe-Taxで申告書を送信します。
1.送信前の確認: 入力した内容に誤りがないか、最終確認しましょう。
2.送信: マイナンバーカードとICカードリーダー、またはスマートフォンで認証を行い、申告書を送信します。
3.手続き完了: これでiDeCoの掛金控除の手続きは完了です。還付金がある場合は、指定した銀行口座に振り込まれます。
まとめ:e-TaxでiDeCoの節税メリットを確実に受け取ろう
iDeCoの掛金控除の手続きは、e-Taxを活用することで、初心者でも自宅から簡単に、そしてスムーズに行うことができます。
・e-Taxのメリット: 自宅で手続きが完結し、書類の提出が省略でき、計算ミスが少なく、還付もスピーディーです。
・手続きの流れ: 「小規模企業共済等掛金払込証明書」を手元に準備し、国税庁のウェブサイトから入力、e-Taxで提出するだけです。
・控除を忘れても安心: 年末調整でiDeCoの控除を適用し忘れた場合でも、確定申告期間中であればe-Taxで手続きできます。もし確定申告期間を過ぎてしまっても、過去5年間は「還付申告」でさかのぼって手続きが可能です。
iDeCoの最大の魅力である節税メリットを確実に受け取るために、e-Taxを賢く活用し、効率的に老後資金を準備していきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。