生命保険
保険料が一生変わらない保険とは?終身保険の仕組みと生命保険の賢い選び方

生命保険の保険料は加入時の年齢や保険種類によって決まり、終身保険であれば契約時の保険料が生涯変わりません。「保険料は定期的に上がるもの」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、それは定期保険など一部の商品タイプに限った話です。保険料の仕組みや商品タイプの違いを正しく理解することが、自分に合った生命保険選びの第一歩となります。
近年は認知症保険や介護保険といった新しい保障も登場しており、保険商品の選択肢は広がり続けています。一方で、火災保険や地震保険の保険料も改定が相次いでおり、損害保険を含めた保険全体の見直しが求められる状況にあるといえるでしょう。
この記事では、保険料が一生変わらない終身保険の仕組みから、生命保険を選ぶ際に押さえておくべきポイント、そして火災保険・地震保険の最新動向までを整理して解説します。
保険料が「一生変わらない」保険の仕組み
保険料が生涯一定となる仕組みは、終身保険の基本的な特徴に由来します。

まずは終身保険と定期保険の違いを確認しましょう。
終身保険は加入時の保険料が生涯続く
終身保険とは、保障が一生涯続く保険のことです。契約時に確定した保険料がその後変わることはなく、途中で値上がりする心配がありません。
「保険料は5年ごと、10年ごとに上がる」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、これは定期保険や更新型の保険に該当する話であり、すべての保険に当てはまるわけではないのです。終身保険は加入年齢が若いほど保険料が低く設定される傾向にあるため、早めの加入が保険料を抑えるポイントになるでしょう。
定期保険は一定期間の保障に特化しているため保険料は割安ですが、更新のたびに保険料が上昇します。一方、終身保険は月々の保険料が定期保険より高めになる傾向がありますが、保険料が一定のまま一生涯の保障が得られる点が特徴です。
「掛け捨て」と「貯蓄型」の違いを知る
保険料が一生変わらないかどうかに加え、保険料の使われ方にも種類があります。掛け捨て型と貯蓄型の違いを理解しておくと、保険選びの幅が広がるでしょう。
例えば、入院したら1日あたり5,000円を受け取れる医療保険を検討する場合を考えてみます。
・A商品:月々の保険料が2,000円の掛け捨て型
・B商品:月々の保険料は3,000円だが、30年後に解約すると70万円の解約返戻金が受け取れる貯蓄型
・C商品:月々の保険料は3,000円で、入院給付金を使わなければ保険料が戻る「健康還付型」
A商品だけを見れば月々の負担は軽く映りますが、B商品やC商品には保険料以外の魅力があるでしょう。目先の保険料だけでなく、解約返戻金の有無や特約の内容まで確認することで、より自分に合った保険を選択できる可能性が広がります。
ただし、貯蓄型の保険は掛け捨て型に比べて月々の保険料負担が大きくなる点に注意が必要です。途中解約した場合に解約返戻金が払込保険料を下回る(元本割れする)リスクもあるため、家計の状況に合わせた選択が求められるでしょう。
生命保険の保障内容は時代とともに変化している
保険商品は医療技術の進歩や社会環境の変化に合わせて改定・新設が繰り返されています。

生命保険に加え、火災保険や地震保険の動向も押さえておきましょう。
認知症保険・介護保険など新しい保障が登場している
近年、従来の死亡保障や医療保障に加え、認知症保険や介護保険といった新しいタイプの保険が各社から発売されています。高齢化の進展に伴い、将来の介護リスクや認知症リスクへの備えを求める声が増えているためです。
また、既存の医療保険でも通院保障や先進医療特約の拡充、がんの上皮内新生物に対する保障の追加など、保障内容の改定が頻繁に行われています。数年前に加入した保険が、現在の医療事情に合わなくなっているケースも考えられるため、定期的な保障内容の確認が大切です。
火災保険料は近年上昇傾向にある
生命保険に限らず、損害保険の分野でも保険料の変動が続いています。
損害保険料率算出機構は2023年6月、住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げることを届け出ました。これを受け、多くの保険会社が2024年10月1日以降の契約から火災保険料を改定しています。
値上げの背景には、自然災害の増加に伴う保険金支払いの増加があります。さらに、地域ごとの水災リスクに応じて保険料を差別化する「水災料率の5区分化」も導入され、住んでいる地域によって保険料が変わる仕組みとなりました。
火災保険の最長契約期間も、2015年に36年から10年へ、2022年10月にはさらに10年から5年に短縮されています。長期契約による保険料の割引効果が小さくなっている点にも注意が必要です。
出典:損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」(2023年6月届出)
地震保険も東日本大震災以降に複数回改定されている
地震保険の基準料率も、東日本大震災後に見直しが行われています。
震源モデルの更新に伴い、2017年1月・2019年1月・2021年1月の3段階にわたる引き上げが実施されました。全国平均の引き上げ率は、1回目が+5.1%、2回目が+3.8%、3回目が+5.1%です。その後、2022年10月の改定では耐震性の高い住宅の普及などを反映し、全国平均で0.7%の引き下げとなりました。
ただし、これらはあくまで全国平均の数値であり、都道府県や建物の構造によって改定率は異なります。地域によっては大幅な引き上げとなったケースもあるでしょう。地震保険は火災保険とセットで契約する仕組みのため、火災保険の見直し時にあわせて確認しておくことをおすすめします。
自分に合った生命保険を選ぶためのポイント
保険料だけでなく、保障内容・解約返戻金・公的保障との兼ね合いを総合的に判断することが、適切な保険選びにつながります。

以下のポイントを押さえて、保険選びに役立てましょう。
目先の保険料だけでなく総合的に比較する
月々の保険料が安いことだけが、よい保険の条件ではありません。保険を選ぶ際は、以下の項目をあわせて確認することが重要です。
・保障内容(入院日額、通院保障、先進医療特約の有無など)
・保障期間(終身か定期か)
・解約返戻金の有無と返戻率
・特約やオプションの内容
・保険料の払込期間と払込方法
特に、解約返戻金のある保険は途中解約のタイミングによって元本割れする可能性があるため、長期間の保険料支払いが可能かどうかを事前に確認しておきましょう。
公的保障でカバーされる範囲を把握する
民間の生命保険を検討する際には、公的保障の内容を正しく把握したうえで、不足分を民間保険で補うという考え方が合理的です。
会社員であれば健康保険による高額療養費制度で医療費の自己負担に上限が設けられており、業務外の病気やケガで働けない場合には傷病手当金も受給できます。また、遺族年金により万一の場合にも一定の生活費が確保される仕組みがあるのです。
こうした公的保障を考慮せずに民間保険だけで備えようとすると、保障が過剰になり保険料の無駄が生じる可能性があります。
専門家への相談で選択肢を広げる
保険商品は種類が多く、保障内容も複雑化しています。インターネットでの比較は手軽ですが、ライフプランや家族構成、公的保障との兼ね合いまで踏まえた判断は、専門家に相談することで精度が高まるでしょう。
複数の保険会社の商品を比較検討したい場合や、既存の保険と新商品の違いを整理したい場合には、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談が有効な選択肢となります。
よくある質問
生命保険の選び方に関して寄せられることの多い疑問に回答します。
Q. 終身保険と定期保険のどちらを選ぶべきですか?
目的によって使い分けることが合理的です。葬儀費用や相続対策のように生涯にわたって必要な保障には終身保険が適している一方、子どもが独立するまでの一定期間だけ死亡保障を手厚くしたい場合は定期保険が合理的でしょう。それぞれの特徴を理解したうえで、必要に応じて組み合わせる方法もあります。
Q. 保険料が変わらない保険にデメリットはありますか?
保険料が一生変わらない終身保険には、定期保険と比べて月々の保険料が高いという特徴があります。また、貯蓄型の終身保険は途中解約すると解約返戻金が払込保険料を下回ることがあるため、保険料の支払いを長期間継続できるかどうかの見通しを立てておく必要があるでしょう。
Q. 保険商品が多すぎて選べない場合はどうすればよいですか?
まずは加入の目的を明確にすることが出発点です。「万一の場合の家族の生活費を確保したい」「入院時の自己負担を軽減したい」「老後の介護に備えたい」など、目的によって適した保険種類は異なります。目的が定まったら、公的保障でカバーされる範囲を確認し、民間保険で補うべき金額を把握したうえで複数の商品を比較検討するのがよいでしょう。
まとめ
保険料が一生変わらない終身保険は、加入時の保険料が生涯続くため将来の値上がりを心配する必要がない商品です。一方で、定期保険と比べて月々の負担が大きくなる傾向があるため、自分のライフステージや家計の状況に合わせた選択が求められます。
保険を選ぶ際は、月々の保険料だけでなく、解約返戻金の有無や特約の内容、公的保障との兼ね合いを総合的に比較することが重要です。火災保険や地震保険も含め、保険全体の動向を把握しながら、過不足のない保障設計を心がけましょう。
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