FP資格取得のためのポイント
FP資格講座:育児・介護休業制度の改正ポイントを解説

ファイナンシャル・プランナー(FP)の学習において、育児・介護休業制度は顧客のライフプランニングに深く関わる重要なテーマです。特に、2022年4月からの育児休業制度の要件緩和や、2025年4月の新たな給付金制度の創設は、FPとして必ず押さえておくべきポイントです。ここでは、これらの制度について詳しく解説します。
育児休業の取得要件と延長制度
2022年4月1日以降、育児休業の取得要件が緩和され、「同一事業主に引き続き1年以上雇用されていること」という要件がなくなりました。これにより、より多くの労働者が育児休業を取得しやすくなりました。
現在の育児休業取得の要件は、以下の通りです。
・子が1歳6ヶ月に達する日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。(有期雇用労働者の場合)
育児休業の延長制度
育児休業は、以下の特別な事情がある場合に延長できます。
・1歳6ヶ月までの延長:
子が1歳に達する時点で、保育所に入所できないなどの特別な事情がある場合は、子が1歳6ヶ月に達する日まで育児休業の期間を延長できます。
・2歳までの延長:
さらに、子が1歳6ヶ月に達しても入所できないなどの特別な事情がある場合は、2歳に達する日まで育児休業を延長できます。
東京都生活文化局都民生活部男女平等参画課のサイトで、育児・介護休業法の改正について解説させていただいたサイトも参考にしてください。
育児休業中の給付金:育児休業給付金
育児休業中に給与が支払われない場合、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。この給付金は、休業中の生活を支える大切な財源となります。
育児休業給付金の支給要件
・子が1歳に達する日より前の期間で、育児休業を取得している雇用保険の被保険者であること。ただし、条件を満たせば最長2歳まで延長が可能です。
・育児休業に入る前の2年間のうちに、11日以上働いた月が12ヶ月以上あること。
給付金の金額
・休業開始から180日目までは、賃金の67%が支給されます。
・181日目以降は、賃金の50%が支給されます。
パパ・ママ育休プラス
・父母がともに育児休業を取得する場合、子が1歳2ヶ月に達する日まで育児休業の対象期間が延長されます。
・ただし、一人当たりの育児休業取得可能日数(産後休業期間を含む)は1年間が上限です。
・父親の場合、配偶者の産後休業中でも育児休業を取得可能です。
2025年4月に創設された新たな給付制度
2025年4月には、育児と仕事の両立をさらに支援するための新たな給付制度が創設されました。
出生後休業支援給付
父親は子の出生後8週間以内、母親は産後休業終了後8週間以内に、両親が14日以上の育児休業をそれぞれ取得した場合、最大28日間、休業前賃金の13%相当額が支給されます。
そのため、休業開始前賃金の80%相当額に増額となります。
この制度は、男性の育児休業取得を促進する目的で創設されました。
配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親の場合、配偶者がいなくても支給されます。
育児時短就業給付
子が2歳未満を養育するための時短勤務を選択した労働者に対し、賃金の低下を補うための給付金です。
まとめ
育児休業・介護休業に関する制度は、頻繁に改正が行われます。FPとして、常に最新の情報を把握し、お客様の状況に合わせた適切なアドバイスができるようになることが重要です。この記事で解説したポイントを参考に、知識をアップデートしておきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
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